眼!僕は頭をカナヅチで、ぶんなぐられたような気分に襲われた。僕はテーブルの上のコップに入っていた義眼を思い出していた。

あの義眼、あの入れ歯、あの杖、この古びた部屋…

すべてが自分の物であるという意識が強く浮かんだ。僕は慌てて打ち消した。

ウソだ、僕のものなんかじゃない。僕は98歳の爺さんなんかじゃない。だけど、僕は、ココロのどこかで、否定しきれなかった。ウェイリスという妙な娘の存在の説明がつかないのだ。なぜ、僕は彼女を知っている?

アア、ちくしょう!!考えてても、らちがあかない!僕は床にちらばっている、地味な服をひっつかんで、身につけた。


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