★入門書あれこれ★
11/10/02更新
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- 他の入門書は？
世界各国にそれぞれの入門書があります。
今でも日本では普通はバイエル、またはメトードローズから始める方が殆どですが、ほかの選択肢もいろいろ可能です。
| テキスト |
出版社・著者 |
（著者の）国名 |
定価（税別） |
| バーナム・ピアノ教本 |
全音楽譜出版社 |
アメリカ |
800円〜 |
| バーナム・ピアノテクニック |
全音楽譜出版社 |
アメリカ |
600円〜 |
ラーニング・トゥ・プレイ
（Learning to play） |
全音楽譜出版社 |
アメリカ |
|
| グローバー・ピアノ教本 |
東亜音楽社 |
|
|
| バスティン・ちいさなピアニスト |
東音企画 |
|
|
| トンプソン現代ピアノ曲集 |
全音楽譜出版社 |
アメリカ |
750円〜 |
| ピティナ・ピアノステップ曲集 |
全音楽譜出版社 |
|
800円〜 |
| ミクロコスモス |
バルトーク 著 |
ハンガリー |
|
| 林 光 ピアノの本 |
林 光 著 |
日本 |
|
| ぴあの・どりーむ |
田丸信明著・学研 |
日本 |
1400円 |
- どれがいいのか
難しいところです。私は生徒さんの年齢、体格、性別などによって使い分けています。
大人の場合は余り神経質にならなくてもよいかもしれません。
ただし、いわゆる「真ん中のド」を中心として、ト音記号とヘ音記号の両方同時に始める教本にします。最初からヘ音記号に慣れてくれるからです。
子供はト音記号は右手（高音域）、ヘ音記号は左手（低音域）と理解します。当面これで構いません。
- 副教材は？
ピアノを始めるときには教本は1冊だけではありません。
まずソルフェージュ・聴音などの教材と、ワークブックなどによる音楽の記号や用語の習得、プラス何か他の曲集を併用することになると思います。
ソルフェージュ（仏語）とは短い旋律をドレミで読んだり、指示された音符のとおりにピアノを弾いたり、歌ったり（正しい音程の訓練）、リズムの練習をするトレーニングです。
これは楽譜を正しく速く読み、自分が出す音が正しいかを判断する基本的な音感教育といえます。これは絶対必要です。
同時に、日本の歌など身近な素材をピアノで表現する曲集を使います。
- トンプソン・小さな手のためのピアノ教本
これも定評のある入門書です。
「小さな手のためのピアノ教本」→「トンプソン現代ピアノ教本」1巻→2巻・・・ という進度です。
このテキストはとにかくピアノに触らせることから始める感じです。
楽譜よりは鍵盤をみて覚えましょう、という感じですが、バーナム・ピアノ教本同様、鍵盤のイラストと、五線譜が書かれています。
すべての曲にタイトルがついていて、イラストもあります。
大変バランスのとれたテキストで、このあとは1巻、2巻、と継続して使えます。
この「小さな手〜」の中で、どんどん臨時記号が出てきますし、音域も大変広いので（ただしきちんと段階を踏んで導入されます。）
1曲1曲を丁寧に、他の教材を併用しながらゆっくり丁寧に進める方がよいと思います。
- ぴあの・どりーむ
大変絵がきれいで（永田萌による。）女の子にはぴったりです。併用のワークブックもよく出来ていて使い易いと思います。
1巻→2巻→3巻・・・と進みます。
１つ１つの事項を確実に身につけさせるのに適しています。
6巻までありますが、個人的には3巻位まで使って、他の教材にスイッチする方がよいかと思います。
- ピティナ・ピアノステップ曲集
大変細かいレベル分けに従って、小品が系統立てて収録されています。
なじみのある曲の編曲版が数多く入っているので、生徒さんが楽しく無理なく練習できると思います。最初歩から発展まで全部でvol.１〜15まで分冊になっています。
vol.1は、最初から両手で弾くように、ト音記号とヘ音記号で書かれています。左右ともド・レ・ミ・ファ・ソの位置に置けば、そこから全く移動せずに弾けるようになっています。大変よい教材だと思います。
- ソルフェージュについて
これも様々な教材が出版されています。
呉 暁著の「○○才のリズムとソルフェージュ」が比較的使い易いように思います。
リズムとソルフェージュの２本立てで、子供はリズムが結構得意のようです。手でリズムを打って身につけます。
5歳の子供でも、両手でそれぞれ違うリズムを膝で打つことができるようになります。
これは、ピアノで両手で別々のこと（旋律と伴奏、など）が出来るようになるための訓練にもなります。
ソルフェージュのほうは、歌う場合は子供によっては音域に無理があったり、ピアノで弾かせるのは指使いが難しかったりして、リズムと同時に次のステージに移るのが難しい場合も多くあります。
リズムはどんどん進めて、視唱はゆっくり進めてもいいと思います。
- 昔からよく使われてきたのは、桐朋学園のこどものための音楽教室が編纂したテキストです。
これは小学校低学年から使えます。1b→2と進みます。
- どう使うか（私の場合）
まだ試行錯誤の途中ですが、今までの経験から言うと、
最初は「バーナム・ピアノ教本」、「ぴあの・どりーむ」から入って、「トンプソン」、「バーナム・ピアノテクニック」などを併用し、最後に「バイエル」の下巻に進めるのがいいのではないかと感じています。
具体的には：
☆小さいお子さん（満5歳程度〜）の場合☆には、
「バーナム・ピアノ教本 ブック１」＋「ぴあの・どりーむ1巻（と併用のワークブック1巻）」から始めます。
どちらもどんどん進めて構いません。
両方が終わったあたりから、生徒さんの年齢や関心の度合い、反応をみて随時併用テキストを増やしていきます。（まずは「ピティナ・ピアノステップ曲集１」をお奨めします。）
「ぴあのどりーむ」が３巻まで進んだら、（*ここまでで基本的な譜読みと楽語の知識がつくので。）
「トンプソン・小さな手のためのピアノ教本」の併用をお奨めします。
その後は「トンプソン」をメインにし、「バーナム・ピアノ教本」を進め（全巻弾いても構わない）、「バイエル下巻」へつないで行ければいいのでは、と思います。
「バーナム・ピアノテクニック ミニブック」を併用するのもいいでしょう。
バイエルは1曲が長く、いろいろな調で書かれています。また、楽曲として優れた曲が多いので、やはりまったく触れずに終わるのは実力がつかないと思います。
☆大人の初心者の場合☆には、
楽譜を読むのが苦手の方は「バーナム・ピアノ教本 ブック１」から、
大体読める方は「トンプソン・小さな手のためのピアノ教本」か、「バイエル」から始めるのが良いかと思います。
併用教材としては、「ピティナ・ピアノステップ曲集１を勧めます。
意欲的に練習したい場合は、１オクターブ版の「ハノン」を取り入れてもいいと思います。（楽譜の選択をご参照下さい。）
バイエルの上巻相当程度まできたら、ちょっとジャズの味わいを楽しめる「ラーニングトゥプレイ・ロックリズムラグタイム」
」も楽しいですよ。
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