秋に咲くアザミは種類が多く、また種間雑種ができやすいこともあり、同定が困難な場合が多々あります。上の写真のアザミもそうです。あまり自信はありません。
図鑑の検索表を用いて同定を試みるのですが、葉の様子や総苞の形などは、各アザミのブレの範囲内にあることが多く決め手がなかなかありません。そこで検索表は参考程度に図鑑写真から、ヒメアザミ、ヤマアザミ、アズマヤマアザミ、ヨシノアザミ、ギョウシャアザミ、イシヅチウスバアザミに候補を絞り込みました。
まずアズマヤマアザミは徳島県には自生していないため外れ、ギョウシャアザミは背が低いのでこれも除外、ヒメアザミは総苞片がそり返らないので外しました。残りのヤマアザミ、ヨシノアザミ、イシヅチウスバアザミの区別は非常に悩みました。
まずヤマアザミは総苞片がもっと長く反り返るようなので外しました。ヨシノアザミの総苞はもう少し幅が広いのが普通みたいですが写真のものぐらいのもあるようです。結局ヨシノアザミは、頭花にどれも短い柄があるとのことから外し、イシヅチウスバアザミと同定しています。ただイシヅチウスバアザミの総苞片は開出するとのことなので、上の写真ではそこまで開いておらず不安要素がないわけではありません。また上記の株は高さが170cmあり、イシヅチウスバアザミの平均長よりも大きい点も不安です。
このように同定作業は困難なもので、今回の同定には数時間はかかっています。おそらく確実なイシヅチウスバアザミは、植物学者さんに同定してもらうしかないかなぁと思っています。
イシヅチウスバアザミの特徴は茎の葉の刺が長いことで、長さは6〜15mmあるそうです。名の由来は、ウスバアザミに似て石鎚山で発見されたことからだそうです。
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