荒野の声 NO.104


中 東 動 乱

 チュニジアに端を発したデモはエジプトに飛び火し、ムバラクを追放した。その他、多くの中東諸国が揺れている。これは人民による自然発生的なものなのか、何者かが後ろで糸を引いているのかはわからないが、これによって地すべり的に中東情勢が変わるだろうか。私は変わらないと思う。それは次に理由による。何度も語ってきたように、終わりの日にロシアがイスラエルとアメリカを核攻撃する。その時、ロシアと同盟軍を結成するのがリビア、エチオピア、イランなのだ。旧約聖書のエゼキエル書38〜39章を読んでいただきたい。
38:1 主の言葉がわたしに臨んだ、 38:2 「人の子よ、メセクとトバルの大君であるマゴグの地のゴグに、あなたの顔を向け、これに対して預言して、 38:3 言え。主なる神はこう言われる、メセクとトバルの大君であるゴグよ、見よ、わたしはあなたの敵となる。 38:4 わたしはあなたを引きもどし、あなたのあごにかぎをかけて、あなたと、あなたのすべての軍勢と、馬と、騎兵とを引き出す。彼らはみな武具をつけ、大盾、小盾を持ち、すべてつるぎをとる者で大軍である。 38:5 ペルシャ、エチオピヤ、プテは彼らと共におり、みな盾とかぶとを持つ。
 ここでペルシャとあるのはイラン、プテはリビアである。この3カ国はゴグと行動を共にする。イスラエルのみならず、中東諸国は一時的にロシアとその連合軍によって占領されれる。サウジアラビアなどの豊かな富はロシアの貧しい兵士にとってどれほどの価値を持つことだろう。しかし、ほどなくイスラエルが風前の灯となったとき、この連合軍は同士討ちによって壊滅する。
38:18 しかし主なる神は言われる、その日、すなわちゴグがイスラエルの地に攻め入る日に、わが怒りは現れる。 38:19 わたしは、わがねたみと、燃えたつ怒りとをもって言う。その日には必ずイスラエルの地に、大いなる震動があり、 38:20 海の魚、空の鳥、野の獣、すべての地に這うもの、地のおもてにあるすべての人は、わが前に打ち震える。また山々はくずれ、がけは落ち、すべての石がきは地に倒れる。 38:21 主なる神は言われる、わたしはゴグに対し、すべての恐れを呼びよせる。すべての人のつるぎは、その兄弟に向けられる。 38:22 わたしは疫病と流血とをもって彼をさばく。わたしはみなぎる雨と、ひょうと、火と、硫黄とを、彼とその軍隊および彼と共におる多くの民の上に降らせる。 38:23 そしてわたしはわたしの大いなることと、わたしの聖なることとを、多くの国民の目に示す。そして彼らはわたしが主であることを悟る。
 この戦乱は第三次世界大戦と呼ばれるだろう。その時、アメリカがロシアの核ミサイルによって壊滅する幻をヘンリー・グルーバー師は見た。私は先日、グルーバー師にお目にかかった。しかし、残念ながらこういう話をする機会が無かった。ただ、彼は究極の誠実な人柄で、神に愛されている神の預言者だと見ることが出来た。
 ロシアによる中東、アメリカへの攻撃は迫っている。世界支配機構はそれを来年ぐらいに設定しているのかもしれない。盛んに2012年説を流しているから。

アメリカの破産

 以下はハリマオ氏のサイトに載っているアメリカの情報である。これだけでもアメリカは破産を前提に動いているとしか思えない。計画倒産の会社がさらに借金をして逃げるのと同じようにアメリカは日本や中国から返す当てのない借金をさらに積み重ねて、あっさりと倒産するだろう。しかし、果たしてそのままで済むだろうか。あの軍事力がそのまま使用不能に陥るのだろうか。今年から来年にかけて巨象が倒れるようにあたりに激震が走ることになろう。

*アメリカのターミネーター、ディモシー・ガイトナー財務長官は、「この3月末にも米国は債務上限に達してデフォールトの危機に陥る」と警告し、さらなる債務上限の設定をすべきだと叫んでいます。ガイトナー財務省の暴走は、もう誰も止められないようです。これが“アメリカの最後っ屁”になるのでしょうか。
*連邦準備制度理事会が1913年に創設されて以来、米ドルは、その価値の95パーセント以上を失ってしまった。
*アメリカの就業率(有業率)は10年前には64%だったものが、その後、毎年下がりつつけ、今では58%に過ぎない。これが「グローバリズム」の結果だ。
*米国は、早ければ3月31日に債務上限に達する見通し。つまり、何も手を打たなければ債務超過の国として、世界中が国債を手放すかもしれません。特に中国は。米国債を今のうちに処分しない国は、米国債の暴落、あるいは紙切れ化によって連鎖的な打撃を受けるでしょう。特に日本は。で、ガイトナーは、緊急課題は債務上限の引き上げであると主張しているようです。つまり、アメリカの破綻を日本が米国債を買うことによって引き伸ばし、いずれやってくる経済破綻では、さらに大打撃を与えようという「一家心中」を狙っているのでは。どうせ破綻するのであれば、道連れを増やしてやろう、ということですかね。
*アメリカ国民の71%が債務上限の引き上げに反対し、賛成している人は、たったの18%しかいないというのに、なぜ議会では、圧倒的に債務上限の引き上げに賛成している連中が「のさばっている」のだろうか。
*1970年、アメリカの全雇用の25%が製造業だったが、今では、それが、わずか9%になってしまった。いったい、どうやれば、こんなことになるのだろうか。(政府が意図的に、アメリカの製造業を空洞化してきたにちがいない)
*イリノイ州が、州の所得税を66%にまで引き上げてしまった。他の州が、これに右倣えして州税を引き上げるのに、どれくらいの時間が残されているのだろうか。
*2006年の時点では、危機に瀕している銀行などなかった。それが、2009年には140の銀行が行き詰った。では、2010年はどうだろう。さらに増えて157の銀行が行き詰ってしまった。このことは、(悪い銀行が淘汰されて)金融システムが、前より健全化された、と観るのか、それとも、いよいよ金融システムがダメになっていることを示すのか。
*政府が、「私たち国民のためだけの中央政府でありたい」と言うのであれば、なぜ、1分間に、およそ685万ドルもの政府支出を続けているのか
*8月単月のアメリカの中国に対する貿易赤度額は、1985年1年間の貿易赤字額の4600倍にもなっている。だからといって、私たちアメリカ人は、「メイド・イン・チャイナ」と刻印されたさまざまな商品を買うべきではないと思うのだろうか。
*連邦政府が、今のこの瞬間から(国債を発行して)借金するのを止めて、1秒あたり1ドルのレートで米国債(借金)を返済し始めるなら、全部支払うには44万年以上かかる計算になる。
*米国経済が発表されているとおり「改善されている」というなら、4320万人ものアメリカ人がなぜ今も、食糧切符に頼っているのだろうか。これは空前の記録なのだ。どうも、中産階級のアメリカ人は、計画的に窮迫状態に置かれているのではないだろうか。

日本の富

 中国のGDPが日本を越えたという。私は日本の10倍もの人口を持つ国が、やっと日本を抜いたと言うことに、むしろ驚きを感じた。(先日、石原慎太郎氏が同じことを言っていた)言い換えれば日本とは何と、すごい国だったのだろう。それにしてもわが国の富はどこに行ってしまったのだろう。ある人の計算ではアメリカ国債の利子だけで日本の国家予算はまかなえるはずだという。その人は財務省にアメリカ国債の利子はどうなっているのかと聞いたが、返事は「解答できません」だったという。この数十年、我々は税金も払う必要は無かったのである。そして、間もなくアメリカは新しいドルを発行し、旧ドルとの換算率を操作してほとんど借金を棒引きにするという。日本はアメリカ国債を国民の貯金や保険から買っている。ある日、日本人の貯金も保険も消えてなくなる日が来るだろう。
 中国から帰ってくると、日本はどこでも耕作が出来る豊穣な土地であることに驚く。自給自足が出来るはずなのだ。徳川300年間、鎖国できたのも豊かな土地ゆえである。もっと食料自給率をあげて慎ましく生きれば大丈夫なのだ。マネーゲームはやめよう。

フォトンベルトのたわごと−U

 前々回、フォトンベルトなどたわごとだと書いたら、反論が来た。ちょっと誤解があるようなので付け足すが、私は地球的どころか宇宙的なカタストロフィーが無いと言っているのではない。
 2012年には無いと言っているのだ。新約聖書ペテロの第二の手紙にはこう書かれている。
3:10 しかし、主の日は盗人のように襲って来る。その日には、天は大音響をたてて消え去り、天体は焼けてくずれ、地とその上に造り出されたものも、みな焼きつくされるであろう。 3:11 このように、これらはみなくずれ落ちていくものであるから、神の日の到来を熱心に待ち望んでいるあなたがたは、 3:12 極力、きよく信心深い行いをしていなければならない。その日には、天は燃えくずれ、天体は焼けうせてしまう。
 しかし、これはまだ遠い未来のことである。それまでに少なくとも次のようなことが起こらねばならない。
  1. ロシアによるアメリカイスラエルへの攻撃。(ゴグ、マゴグの動乱 エゼキエル書38〜39章)
  2. 反キリストによる世界支配。(黙示録13章)
  3. ハルマゲドン(黙示録16章)
  4. 千年王国(本当に千年かどうかは判らないが黙示録20章)
  5. 大いなる審判(黙示録20章)
 宇宙的な破局が2012年のフォトンベルトで起こるなどと聖書から導き出すのはとんでもない馬鹿馬鹿しさだ。それまでに起こることを全く無視しているか、無知なのである。そして、このような破局の後でも次のような約束がある。
3:13 しかし、わたしたちは、神の約束に従って、義の住む新しい天と新しい地とを待ち望んでいる。
 2012年には何かが起こるかもしれない。しかし、それは聖書の言う世界の終末ではなく、人間が作り出す何かであろう。それがゴグ、マゴグ、ロシアによるアメリカ攻撃である可能性を私は考えている。しかし、フォトンベルトなどというたわごととは全く関係ない。
 尚、フォトンベルトについて権威ある研究者の発表があるのなら、その人物と文書を示されたい。

カダフィの高等戦術

 リビアで反政府側がカダフィを追い詰めているというような報道があったころ、私は到底信じられなかった。こういう動乱の時にはデマ情報が飛び交うものだが、これもその一つだと見ていた。なぜならカダフィには空軍力があるからだ。
 今回のリビア情勢がチュニジア、エジプトと決定的に違うのは軍隊の一部が反政府側についたことである。チュニジア、エジプトでは全く丸腰の市民がデモをした。こういう場合、どんな独裁者でも銃弾を打ち込むのは勇気がいる。その意味で天安門のケ小平は相当、苦しい選択をしたのだろう。ところがリビアの場合、閣僚の一部と軍隊の一部がチュニジア、エジプトのようにカダフィが簡単に追放できると思い込んで反政府側についた。これでカダフィは軍事力を行使できることとなった。
 カダフィはその気になれば空軍力を使って、あっという間に反政府側の軍事力を叩き潰すことが出来るはずだ。しかし、もしそんなことをしたら、欧米に介入の口実を与える。カダフィが一番恐れているのはそれだろう。それでなくてもリビアの石油がのどから手が出るほどほしいのである。そして反米、反イスラエルのカダフィを倒すことはユダヤ側の悲願であったはずだ。その意味で、今回の中東動乱の本当の目的は、イランとリビアの解体だったのではないかと思う。
 カダフィはその手には乗らなかった。始めは反政府側に攻め込ませ、あたかも政府側が追い込まれたかのような状況を作り反撃に出る。そうすれば欧米も文句は言えない。リビアは変わらないだろう。我々に届くリビアとカダフィの情報は欧米メデアの作ったものだ。カダフィは悪だ、狂犬だ、独裁者だ、テロリストだ。ではアメリカは悪ではないのか。アメリカのやってきたことは史上最大のテロではなかったのか。私はカダフィが正しいとか賢明な支配者だとは思わない。しかし、欧米メデアの報道は偏見と意図的な誘導に満ちていると思う。
 一時の熱狂で始まった運動は、一旦不利となったら潮が引くように引いていくだろうし、持久戦になれば資金と統率力の問題が出てくるだろう。とりわけリビアは各部族の主張がぶつかり合って収拾がつかなくなるだろう。
 それにしてもイギリス情報部の反政府側との接触の失敗はお粗末だった。こういう場合、相手側との接点を確保してから始めるのは常識だろう。夜中に特殊部隊と侵入して接触を図るとはどういう知性なのだろうか。MI6も落ちたものだ。そしてこれこそ今回の動乱の首謀者がどの辺にいたのかを示す格好のモデルであろう。
 ところでカダフィは追放されるのだろうか。聖書から断言できることは、リビアは反米、反イスラエル国家であり続けるということである。ゴグの戦乱、第三次世界大戦のときロシアと同盟を組むのはイラン、エチオピア、リビアである。現在の反政府陣営は親イスラエルではないにしても、親米、親ヨーロッパのように見える。その意味でカダフィは勝利するだろうと思う。カダフィも、もうかなりの年だからその子達になるかもしれないが、反米、反イスラエル国家であり続けるだろう。
 先日、カダフィが和解のメッセージを反政府側に送ったというニュースが流れた。カダフィの責任を問わない、罪を免除するなら退陣し外国に逃避するということだった。カダフィが命乞いをする?私はありえないと思った。これは反政府側を助けるためのディスインフォメーションに違いない。飛行禁止空域の設定にしても欧米は何とかして反政府側を助けたいという意図が見え見えだ。しかし、そのためにはかなり大規模な軍事行動が必要だろうし、アメリカは二の足を踏んでいる。どこかの空母がリビア沖に現れたら要注意だ。
 私は長いことゴグの乱はイランから始まると思っていたが、リビアからということもあるかなあと思うようになった。それにしても、とにかくリビアがロシアと同盟軍を作るほど国内が安定しなければならない。日毎の欧米メデアの嘘情報に流されないでほしい。聖書は必ず実現するのだから。

国土と国境

 ここに来て急に国境が騒がしくなった。北方四島、尖閣諸島、竹島。竹島は民主党の馬鹿牧師が韓国の圧力に圧倒されて(と言うより彼自身が信じていたらしいが)韓国帰属を認めてしまった! やれやれだ。聖書にはこう書いてある。
また、ひとりの人から、あらゆる民族を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに時代を区分し、国土の境界を定めて下さったのである。使徒行伝17:26
 固有の領土と言う言葉は、上の聖書の言葉を髣髴とさせるのだが、人間の歴史を見ると国境は神の定められたようには守られていなかった。ローマの昔から国境を定めたのは軍事力である。  我々は十数年前にこのことを実感する体験をした。アルゼンチンの陸にへばりつくような小さな島をアルゼンチンが領有したとき、イギリスは艦隊を送って取り返した。それはそんなに価値のある島とも思えなかった。しかし、国土というものは奪われたら奪い返さなければならないものだと言うことを実証してくれたと言う意味で実に貴重な教訓だった。
 現在、竹島を実質支配しているのは韓国である。韓国軍が駐留している。日本はそれを見ながら日本の領土だとつぶやくばかりで何もしない。これでは実質、韓国の領土と認めているのと同じだ。
 もし、日本が本気で取り返そうと軍隊を送って戦争になっても、国際的に非難を浴びることはないはずなのだ。そんなことも出来ないなら、黙ってあきらめることだ。そういうものではないか。

病 と 人

 私はこの紙面には余りこういうことを書かないのだが、今回は私の宗教的な信念を書かせていただく。
伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。
日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるか。
世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。
日はいで、日は没し、その出た所に急ぎ行く。
風は南に吹き、また転じて、北に向かい、めぐりにめぐって、またそのめぐる所に帰る。
川はみな、海に流れ入る、しかし海は満ちることがない。川はその出てきた所にまた帰って行く。
すべての事は人をうみ疲れさせる、人はこれを言いつくすことができない。
目は見ることに飽きることがなく、耳は聞くことに満足することがない。
先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない。
伝道の書1:2〜9
 これは法華経と似ているが、この前に「 ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉。」とあるよう親鸞に先立つこと2千数百年前にソロモンが書いたといわれる旧約聖書「伝道の書」の冒頭の言葉である。
 私事ながらとうとう絶対にいやだと思っていた人工透析の身となった。そんな風にまでして生きたくないと思っていたのだが、毎日、船酔いと喘息のような症状に悩まされるとしょうがないかと思うようになった。今は透析技術も発達していて5年も10年も生きる人もあるそうで、そう易々と神様は天国に入れてくれないようである。ただ外国に行けなくなるのが残念だ。中国の神学校に行って教えたいと思っていたので。
 それにしても病院に行って思うのは、何とこの世には病人が多いのだろうということである。私は改めてなぜ病気があるのだろうと考えた。ストレス、不養生、遺伝、感染。沢山の原因が考えられる。それでもなぜ病気そのものを神は人間に許されたのだろうか。旧約聖書レビ記には神が病気をのろいとして送るという言葉がある。
もし、あなたがたがわたしに聞き従わず、これらの命令をすべて行なわないなら、また、わたしのおきてを拒み、あなたがた自身がわたしの定めを忌みきらって、わたしの命令をすべて行なわず、わたしの契約を破るなら、わたしもまた、あなたがたに次のことを行なおう。すなわち、わたしはあなたがたの上に恐怖を臨ませ、肺病と熱病で目を衰えさせ、心をすり減らさせる。
6:14〜16
 これは不従順に対するイスラエルへのろいである。しかし、最善の人にも病気はある。その典型的な例はヨブである。ヨブは次のような人だった。
ウツの地にヨブという名の人がいた。この人は潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた。ヨブ1:1
 それにもかかわらずヨブは極限までの苦しみを経験する。それを通して、ヨブは神の前に完全であることの要求の高さを知る。そして、人間のはかなさ、空しさを悟る。人間は皆、アベル(はかない)なのである。はかなく、空しいものである。普段は何でも出来ると思っていても実際はささやかで弱いものなのである。その典型的な例はヘロデ大王の孫ヘロデ・アンテパスである。
さて、ヘロデはツロとシドンの人々に対して強い敵意を抱いていた。そこで彼らはみなでそろって彼をたずね、王の侍従ブラストに取り入って和解を求めた。その地方は王の国から食糧を得ていたからである。定められた日に、ヘロデは王服を着けて、王座に着き、彼らに向かって演説を始めた。そこで民衆は、「神の声だ。人間の声ではない。」と叫び続けた。するとたちまち、主の使いがヘロデを打った。ヘロデが神に栄光を帰さなかったからである。彼は虫にかまれて息が絶えた。使徒12:20〜:23
 ツロとシドンの人々の、これは「神の声だ。人間の声ではない」という最大限のおべっかの言葉の直後に、何とヘロデ・アンテパスは“虫にかまれて”死んだ。なんと言う皮肉。どんなに虚勢を張っていても、王としての威厳を保っているつもりでも、所詮人は人、空しく、はかない存在なのである。
 ところで、私たちは、普通は、自分が空しく、はかないものだとは認めたくないものである。自分が全く無価値であると思うことは出来ないものだ。しかし、真に偉大な人々は自分がはかなく、空しく、無価値であると悟っていた。あのモーセはこう言っている。
主よ、あなたは世々われらのすみかでいらせられる。
山がまだ生れず、あなたがまだ地と世界とを造られなかったとき、
とこしえからとこしえまで、あなたは神でいらせられる。
あなたは人をちりに帰らせて言われます、「人の子よ、帰れ」と。
あなたの目の前には千年も過ぎ去ればきのうのごとく、夜の間のひと時のようです。
あなたは人を大水のように流れ去らせられます。
彼らはひと夜の夢のごとく、あしたにもえでる青草のようです。
あしたにもえでて、栄えるが、夕べには、しおれて枯れるのです。
われらはあなたの怒りによって消えうせ、あなたの憤りによって滅び去るのです。詩篇90:1〜7
 また、ダビデは詩篇の中に、弱くはかない自分の姿を繰り返し、繰り返し書いている。
サムエル記に出てくる、勇ましく、雄雄しい姿とは似ても似つかぬ姿である。一体、世界の王でこれほど自分の弱さをあからさまに告白した王はいただろうか。しかし、だからこそダビデは王の中の王で神に愛された人だった。
 人間は自分の存在価値を探し続けるものである。その最たるものはノーベル賞であり、オリンピックの金メダルだろう。それ自体、人間が向上することだから悪いことではないし、第一、自分が、はかなく、空しく、無価値であるなどと若い人に要求することは悪であるように思われるかもしれない。しかし、相対的な世界ではなく絶対的な世界では最も善であるのは、自分のはかなさ、空しさ、無価値であることを知ることである。
 若いころ、神学校のチャペルで祈っていたとき、神が近づいてこられたのを感じた。私は飛び上がるほどびっくりした。私は自分が焼けたトタン屋根の上に落ちる一滴の水よりも、秋風に吹き飛ばされる一枚の落ち葉よりも、はかなく、空しいと感じた。私は思わず叫んだ、「神様、それ以上近づかないでください。私は無くなってしまいます!」それは恐ろしい瞬間だった。
 韓国の大教会の牧師がこんな話をしたことを忘れることが出来ない。あるときその先生は自分の名刺に何か別の肩書きを入れたいと思った。何かもっと実業家としての自分を見出したいと思ったのである。それで会社を作り社長となり、大学を作り学長となった。ところがその時、神が語られたという。「お前は何の価値があるのか。ただ私の哀れみで生きているのではないか。」先生はひどく恥ずかしかったという。今でもそのことを覚えておられるかどうかは判らないが。
 昔、精神病院の患者さんと接することがあった。彼らとの話の中で、非常に興味深かったのは、多くの患者さんが「自分は高貴で偉大な家系の出だ」ということだった。天皇家の血筋という人に何人も会いました。首相の親戚にも会いました。中には何とアメリカ大統領の親戚だという人もいました。どう見ても日本人なのに・・・。それも実に真に迫って話すので思わず信じてしまいそうだった。
 彼らに共通しているのは、自分の価値の創造である。何とかして自分の存在価値を認めてほしいのである。むしろ逆なのだ。自分の空しさ、はかなさ、無価値であることを認めれば真実の価値は与えられるのに。
 病になるとき、人は自分の弱さを知る。人はその分だけ神様に近づくことが出来るのである。
主は言われる、「虫にひとしいヤコブよ、イスラエルの人々よ、恐れてはならない。わたしはあなたを助ける。あなたをあがなう者はイスラエルの聖者である。イザヤ4:14
 神はイスラエルに向かって「虫に等しい」と言う。我々は虫に等しいのである!
このように、はかなく、空しく、無価値なものに対して、神は次のように言われる。
わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。イザヤ43:4
 そして、御子イエスは私たちのために十字架にお掛かりになり罪の許しと永遠の命を下さったのである。
 それにしても透析を受けて思うことは、こういう医療がこんなにも安価に受けることが出来る日本はすばらしい国だ。多くの国々ではあの苦しみを絶えつつ死んでいくのだろうか。

日本大地震、シスコ情報

 例によって、確率が低い話なのだが、シスコから日本に大地震が起こると言う連絡があった。日時、場所などは不明。シスコ情報はどうもシスコをはめるための罠的な匂いがするのだが、事が事だけに一応お知らせする。米軍基地が近くにある方はその動向をチェックされたい。そして、船舶、航空機の退避など、何か異常があればお知らせいただきたい。

*これはシスコさんから昨年3月に来たメールの内容である。深刻に「あなたのために祈っている」とあった。その時は、またガセネタと思ったのだが、今にして思えばこういうことだったのか。