荒野の声 NO.94


土地は誰のものか

普天間問題を見ていると、日本人には土地に対する独特の感性があると思わざるを得ない。
成田紛争の時にも感じたのだが、日本人は土地に対する個人の所有権が神聖不可侵だと思っている。しかし、これは世界的に見てむしろ異常なのではあるまいか。
 誤解していただきたくないのだが、私は沖縄の米軍基地が日本にとって良い物だとは思っていない。沖縄はアメリカのアジア支配の要衝として必要であり、極めて有効な位置にあるのであって、日本を守るために米軍がいるのではない。そして、今のようにアメリカの国力が疲弊し、中国がアメリカ国債を買わなければ即座に経済破綻するとわかっているのだから、アメリカが中国の侵略を防いでくれるはずがない。台湾も日本も韓国もその気になれば中国はいつでも占領支配できるだろう。
 しかし、そういうこととは別に、土地に対する私権は世界では決して神聖不可侵なものではないということを日本人は知るべきである。お隣の中国では土地は国家のものであり、個人は借地権を与えられているだけである。ロシアも同様。共産圏以外でもイギリスは王家の物と聞いたことがある。(確認はしていない) アメリカは今や国有地の方が個人の所有地よりはるかに多いと聞く。
 もともと、土地の所有権は歴史的にいくらでも変動してきた。ドイツではワイマール時代に「私権は義務を伴う」と言う考え方が宣伝された。個人の権利というものは公共の福祉に役立つときだけ保護されると言う発想である。もっともその「義務」と言うのが某民族への義務だったので、その反動としてナチスの台頭となったのである。しかし、この発想は土地に対するヨーロッパ人の深層の公理としてあったのではないだろうか。
 しかし、日本ではいつのころからか、私権とりわけ土地の所有権は絶対に犯すことが出来ないことになった。成田紛争を見ていたときにはその事を強く感じた。もし、土地がそのような不可侵なものであるなら、国家はどんな計画も実行出来ないだろう。ただし、この際、国家または官僚が100年の大計を日本国の為に計画するかどうかは別の問題である。
 私はこれまではともかく、今後は、米軍基地は核攻撃の対象となり、最も危険な存在だと思う。また、中国ないしはロシアが日本を占領したら、土地の所有権など泡と消えるだろう。

日本危うし

私でなくとも最近の日本を見ていると国家存亡の危機を感じるのではないだろうか。選挙で勝利しても、検察の権力によって崩壊する。政治家に清廉潔白を求めること自体が無理と言うものだろう。重箱の隅をつつくような姑息な手段で、有能な指導者を引きずり落とす。
小沢氏の権力は日本にとって有効なものだと思うのだが、マスコミも一緒になって攻撃する。鳩山氏の理想主義はあっという間にめっきがはがされる。さあ、では後は誰がやるの?
大体、検察審査会という得体の知れない団体が何で小沢氏を引き摺り下ろす権利があるのか。その名前さえ公表されていないと言うではないか。田中角栄氏と同様に民族の向上発展を企画するとたちまち消されてしまう。誰がこれらの陰で青写真を書いているのか?
こうして民主党がこけたら、日本に統治能力無しとして外国が介入することにならないだろうか。日産のようにトップが外人の政府でも出来るのか。それとも全くの傀儡か。
時あたかも、中国は南シナ海で小さな軍事行動を起こして、日本の出方を見ている。日本はされるがまま、まるで乙女のように無力である。ああ、日本危うし。我々は、中国による占領支配を想定しておいた方がよさそうだ。私は本当に心配している。祖国よ平安なれ。