荒野の声 NO.43


           サタンに関する基礎知識

 サタンに関して、日本人の持つイメージは絵空事だろう。かつてかなり行政の高位にいた人から「本当にサタンなんているんですか」と聞かれたことがあるのだが、それは日本人の極めて普遍的な質問だと思う。さらにクリスチャンと称する人々はサタンについて語ることも聞くこともいやがる。それでほとんど迷信のような知識しか持っていない。
 私はここにサタンに関する最も基礎的な知識を書いて置こうと思う。

1.サタンの名前
サタンは悪魔、試みる者、誘惑者、悪い者、告発者、敵、悪霊どものかしら、この世を支配する者、空中の権威を持つ支配者、ベルゼブル、などと呼ばれている。

2.サタンはかつて天使の最高位にいた天使長である
これについては旧約聖書エゼキエル書28章を参考にされたい。ここに言うツロの王とはルシファーのことで、王の称号のヒラム、またはフラムがフリーメーソンの語源となった。本当の名前はヘブル語でヘレルだが一般的にはラテン語のルシファーのほうが有名である。

3.サタンは遍在(いつでもどこにでも存在する)ではない
  旧約聖書のヨブ記に次のような言葉がある。「ある日、神の子たちが来て、主の前に立った。サタンも来てその中にいた。主は言われた、『あなたはどこから来たか』。サタンは主に答えて言った、『地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました』」。1:6〜7
  ここは神とサタンが問答する極めて不思議な箇所なのだが、ここでサタンは「地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました」と言っている。それはサタンが地球上を歩き回る者だと言うことを表している。言い換えればサタンは神のように、いつでもどこにでも居ることが出来る「遍在」ではないものだということを示している。
   サタンは神によって造られた天使だったから固有の体を持っている。従って、ある場所から他の場所へは移動しなければならない。乗り物に乗るのか、彼自体が推進力を持っているのか知らないが、とにかくいつでもどこにでも居る者ではない。

4.サタンのサイズは人間と同じである
   これは多くの人が驚くのだが、サタンのサイズは人間と同じである。それは聖書の黙示録に書かれている。
「都は方形であって、その長さと幅とは同じである。彼がその測りざおで都を測ると、一万二千丁であった。長さと幅と高さとは、いずれも同じである。 また城壁を測ると、百四十四キュビトであった。これは人間の、すなわち、御使の尺度によるのである。」21:16〜17
  この箇所は未来の天の都のことなのだが、そのスケールは「人間の、すなわち、御使の尺度による」と書かれている。御使いとは天使のことで、サタンもかつては天使だったのだから人間と同じサイズである。ただし、彼は自分を巨大なものに見せる幻影を作り出す名人である。

5.サタンは多くの部下を連れている
   サタンは天地創造の前に神に反逆し天を追われた。その時、伝説では天使の三分の一を引き連れて出たと言う。サタンとこの部下たちを堕落天使または悪霊と呼ぶ。サタンは遍在できないのでこれらの部下にそれぞれの任地を与えている。旧約聖書ダニエル書に、
「ダニエルよ、恐れるに及ばない。あなたが悟ろうと心をこめ、あなたの神の前に身を悩ましたその初めの日から、あなたの言葉は、すでに聞かれたので、わたしは、あなたの言葉のゆえにきたのです。ペルシャの国の君が、二十一日の間わたしの前に立ちふさがったが、天使の長のひとりであるミカエルがきて、わたしを助けたので、わたしは、彼をペルシャの国の君と共に、そこに残しておき、末の日に、あなたの民に臨まんとする事を、あなたに悟らせるためにきたのです。」10:13 〜14と言う言葉があるが、このペルシャの君と言うのはその代表例である。
   近年、異星人、エイリアンと言う言葉が多く使われるようになったが、これはこの堕落天使のことである。彼らが宇宙のどこかの星を拠点としているかもしれないので、異星人というのもあながち間違いではないと私は思っている。
   また、シスコ・ホイーラーさんによるとこれらの堕落天使は永遠の命がほしくて人間の血を飲むのだが、そうすると、もう霊界には戻れずに、地球上の数箇所に地下都市を作って生活しているという。彼らは人間の形を取ることができるが通常は爬虫類(レプテリアン)の姿をしている。(生物学的な爬虫類のことではなく、そういう形をしているということ)また、世界の高位の家系にはこのレプテリアンがいるという。アリゾナ・ワイルダーさんによればそれはそんなに多くはない。さらに、彼らはUFOを移動手段としているらしい。ただしUFOには色々な種類がある。人間が作ったもの。ただの幻影。

6.サタンがキリストの再臨を阻止するために戦う戦いがハルマゲドンである
   ハルマゲドンについては広範な誤解または意図的な誤導がある。ハルマゲドンを人間社会の最終戦争と位置づけることが一般に行われるが、聖書のどこからもそんな結論は導き出せない。ハルマゲドンと言う名前が聖書に出てくるのは次の一箇所だけである。
「第六の者が、その鉢を大ユウフラテ川に傾けた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまった。また見ると、龍の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。」黙示録16:12 〜16
    ここから世界最終戦争という概念が導き出された。しかし、ここには「王たちを招集した」とあるだけで彼らが互いに戦争したとは書かれていないし、第一この核戦争の時代にイスラエルのエスドラエロン平原(ここをハルマゲドンという。実際にはその東端にあるメギドの丘ハルメギドを指す。)のような狭いところに王たちが集まって戦争してどうすると言うのだ? 刀と槍で戦うのか? お笑いである。
   王たちが招集されるのは別の目的である。エスドラエロン平原の東にキリストが再臨すると約束されたエルサレムのオリーブ山がある。さらにこの戦いには「全能なる神の大いなる日に」という奇妙な言葉が書かれている。これらのことから結論できるのはオリーブ山に再臨されるキリストを迎え撃つために「王たち」は招集されるのである。核ミサイルやステルス戦闘機でキリストに立ち向かうと言うのだ! 本当の目的は世界の破壊だろう。Uテサロニケ2:8に「 その時になると、不法の者が現れる。この者を、主イエスは口の息をもって殺し、来臨の輝きによって滅ぼすであろう。」と言う言葉がある。キリストの「来臨の輝き」はあらゆる地上の武器に勝る超兵器である。

7. サタンは最終的に神によって永遠の火の池に投げ込まれる
  特に気をつけていただきたいのはいわゆる666として知られる世界帝王はサタンではない。サタンの一人子で、聖書では獣(英語ではbeastギリシャ語ではzoonという人間であるが獣である意味が使われている)と呼ばれている。これはハルマゲドンの後、直ちに火の池に投げ込まれる。なお見ていると、獣と地の王たちと彼らの軍勢とが集まり、馬に乗っているかたとその軍勢とに対して、戦いをいどんだ。しかし、獣は捕えられ、また、この獣の前でしるしを行って、獣の刻印を受けた者とその像を拝む者とを惑わしたにせ預言者も、獣と共に捕えられた。そして、この両者とも、生きながら、硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた。黙示録19:19〜20
   サタンには別の運命がある。
またわたしが見ていると、ひとりの御使が、底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手に持って、天から降りてきた。彼は、悪魔でありサタンである龍、すなわち、かの年を経たへびを捕えて千年の間つなぎおき、そして、底知れぬ所に投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終るまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた。その後、しばらくの間だけ解放されることになっていた。(中略)千年の期間が終ると、サタンはその獄から解放される。そして、出て行き、地の四方にいる諸国民、すなわちゴグ、マゴグを惑わし、彼らを戦いのために召集する。その数は、海の砂のように多い。彼らは地上の広い所に上ってきて、聖徒たちの陣営と愛されていた都とを包囲した。すると、天から火が下ってきて、彼らを焼き尽した。そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた。そこには、獣もにせ預言者もいて、彼らは世々限りなく日夜、苦しめられるのである。20:1〜10
   サタンは一旦、千年間、底知れぬ所というところに幽閉されるが、なぜかその後、一時開放され、再び神に逆らう。この時、もう一度ゴグ、マゴグを惑わすとあるがこれは第三次世界大戦の時とは違う。そして最後に火の池に投げ込まれる。これが彼らの永遠の住処となる。

8.サタンには希望とか建設とかはない。絶望だけである
  サタンは自分の末路が永遠の滅びであることが分かっている。だから地上に何かを建設的な目的で計画することはない。ただ一人でも多くの人間を自分と同じ運命に引きずり込んで神に悲しみを与えることだけが目的である。