「荒野の声」NO3 2003/11/06

 

イスラエルとパレスチナの行方

 イスラエルとパレスチナが泥沼の闘争を続けています。本当に不幸なことです。元とは言えば、イスラエルがパレスチナの土地に入ってきて強引に自分の国を作ってしまったからですが、イスラエルも世界中で迫害され、他に住むところがなくやむをえないのでしょう。これからどうなるのでしょうか。

 このコーナーの最初に書いた「イラン・ファイナルステージ」に引用した聖書のエゼキエル書38章の続きに、イスラエルとパレスチナの運命を暗示する箇所があると私は信じています。

その日、わたしはイスラエルのうちに、墓地をゴグに与える。これは旅びとの谷にあって海の東にある。これは旅びとを妨げる。そこにゴグとその民衆を埋めるからである。これをハモン・ゴグの谷と名づける。  イスラエルの家はこれを埋めて、地を清めるために七か月を費す。国のすべての民はこれを埋め、これによって名を高める。これはわが栄えを現す日であると、主なる神は言われる。彼らは人々を選んで、絶えず国の中を行きめぐらせ、地のおもてに残っている者を埋めて、これを清めさせる。七か月の終りに彼らは尋ねる。国を行きめぐる者が行きめぐって、人の骨を見る時、死人を埋める者が、これをハモン・ゴグの谷に埋めるまで、そのかたわらに、標を建てて置く。(ハモナの町もそこにある。)こうして彼らはその国を清める。39:11〜16

 これはゴグすなわち中東に攻め込んだロシア連合軍が同士討ちによって滅びた後の話です。なんとひとつの谷が墓地としてすでに決まっているのです!その埋葬のために7ヶ月を要する。そのために死体処理委員会が作られ、発見された死体には標識が立てられるということまでも!

 この中でこれによって名を高める。これはわが栄えを現す日である」という言葉に注目してください。

別の訳、新改訳聖書では「有名になる」となっています。ユダヤ人はすでに有名です。私はこの箇所からイスラエルが大国になる可能性を見るのです。アメリカはロシアの攻撃によって大きなダメージを受け、ロシアは同士討ちでダメージを受け、ヨーロッパ共同体に世界の中心が移ったとき、中東の覇者としてイスラエルが名乗り出てくるのではないだろうか。この時こそユダヤ人の悲願だった大イスラエル、あの10シェケル銅貨(宇野正美氏の本に書かれている)に刻まれたシリア、ヨルダン、サウジアラビア、イラクを含む広大な地域がイスラエルのものとなるのではないだろうか。世界はヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国のほかにイスラエルを加える5大勢力となりその中で最大のものはヨーロッパとなるのではないだろうか。そのヨーロッパに反キリストが現れてくるのもそう遠いことではないでしょう。

 荒らす憎むべきものが、立ってはならぬ所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)、そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げよ。マルコ13:14

 彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する。Uテサロニケ2:4

反キリストの世界支配の進行と共に、それまで共に協力してきた反キリストとイスラエル・ユダヤに亀裂が入り始める。自分の宗教を強固に守ろうとするイスラエル・ユダヤ人と世界の宗教を一掃し自分を神とする反キリストが正面衝突する。そしてイスラエルに新築された第四神殿に反キリストがやってくる。このときキリストの予言が成就する。この時こそユダヤ人の最大の危機が訪れる。

 無神論はサタンが自分の権力を把握するまでの便法です。彼が世界の支配権を握ったら一切の宗教は破壊され、サタン自身を神とする一神教が唯一世界に認められます。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教は彼の最大のターゲットとなるでしょう。特にイスラエルには強力な圧力がかかります。恐らく中性子爆弾を使用するでしょう。これがハルマゲドンだと私は思うのです。注意していただきたいのは、私はエゼキエル書のゴグ、マゴグの戦乱とハルマゲドンを別のものと考えている点です。多くの場合この二つを一つに考えています。ゴグ、マゴグの場合明らかに戦後にしばらく平和な時代があるように見えます。少なくとも死体を埋葬する時間はあるのです。しかし、ここではそんな余裕もありません。

その日には、神が万物を造られた創造の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような患難が起るからである。もし主がその期間を縮めてくださらないなら、救われる者はひとりもないであろう。しかし、選ばれた選民のために、その期間を縮めてくださったのである。マルコ13:19

 こうしてイスラエルが滅亡の危機に瀕するとき、ついに神が世界に介入されます。次に続く言葉は本当の終末を語っています。

その日には、この患難の後、日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされるであろう。そのとき、大いなる力と栄光とをもって、人の子が雲に乗って来るのを、人々は見るであろう。そのとき、彼は御使たちをつかわして、地のはてから天のはてまで、四方からその選民を呼び集めるであろう。いちじくの木からこの譬を学びなさい。その枝が柔らかになり、葉が出るようになると、夏の近いことがわかる。そのように、これらの事が起るのを見たならば、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。  よく聞いておきなさい。これらの事が、ことごとく起るまでは、この時代は滅びることがない。  天地は滅びるであろう。しかしわたしの言葉は滅びることがない。

マルコ13:24〜31

 人の子、というのはイエス・キリストのことです。この場合英語ではSon of manとなっていて個人をあらわすことがはっきりしています。イエス様が来られるのです。それについては改めて話すことにします。ただ、よく終末といいますがキリスト教の場合、それは終わりを意味しません。終末は新しい世界への入り口です。それがどんな世界かは聖書にちょっとだけ書かれています。

おおかみは小羊と共にやどり、ひょうは子やぎと共に伏し、子牛、若じし、肥えたる家畜は共にいて、小さいわらべに導かれ、雌牛と熊とは食い物を共にし、牛の子と熊の子と共に伏し、ししは牛のようにわらを食い、乳のみ子は毒蛇のほらに戯れ、乳離れの子は手をまむしの穴に入れる。 彼らはわが聖なる山のどこにおいても、そこなうことなく、やぶることがない。水が海をおおっているように、主を知る知識が地に満ちるからである。イザヤ11:6〜9

 

さて、このようなことが起こる正確なときは誰も知りません。

その日、その時は、だれも知らない。天にいる御使たちも、また子も知らない、ただ父だけが知っておられる。気をつけて、目をさましていなさい。その時がいつであるか、あなたがたにはわからないからである。マルコ13:33

 しかし、曙に太陽が突然暗闇から現れるのではないように、注意深く見ているなら、終わりのときは分かるのです。今は闇が最も暗いときです。しかし、曙は近いのです。