Legends of the Five Rings ルールブック和訳 Part 3

■ プレイの手順

1. 直立フェイズ

 特殊な効果や状況のために、カードがお辞儀をしたままにされていないかぎり、それは直立フェイズの間に姿勢を正さなければなりません。
 一部のカードは「お辞儀をしたままにできる」という特性を持っています。それらのカードは、それを支配しているプレイヤーがそれを望むなら、姿勢を正す必要はありません。

2. イベント・フェイズ

 王朝デッキの側にある領地から始まり、それぞれの領地にある裏向きのカードを、1枚ずつ表向きにします。あなたの前のイベント・フェイズからこの時点までの間に、何らかの方法で表向きになっていたイベントは、このフェイズの間にちょうど表向きになったかのように解決されます。イベントが公開されたとき、それに記述されている効果は直ちに発生し、解決されます。この後でそのイベントは捨てられ、空になった領地は、王朝デッキの新しいカードで埋められます。そのカードは空になった場所に、裏向きに置かれます。この新しいカードは、あなたの次のターンまで公開されません。
 あなたの表向きのイベントが解決された後、あなたの領地に表向きの地方(Region)カードがあったとき、その領地にすでに地方が付与されているか、唯一性のために場に出すことができないときを除いて、その地方カードはそれがあった領地に付与する形で場に出されます。

3. アクション・フェイズ

 アクション・フェイズの間、あなたは帝の玉座をめぐる戦いにおける立場を変えるために、あなたの命運の手札にあるカードを使うことができます。
 カレント・プレイヤーから時計周りに、それぞれのプレイヤーは1つのアクションをプレイするか、パスするかを選びます。アクションは、すべてのプレイヤーが続けてパスするまで続き、そうなった時点でアクション・フェイズが終了します。
 カレント・プレイヤー以外のプレイヤーは、このフェイズの間に公開アクションのみ行うことができます。カレント・プレイヤーは、以下のいずれかを、任意の順番で行うことができます:
1. あなたの命運の手札や場に出ているカードから、限定アクションや公開アクションをプレイする。
2. 家臣に家来カードや道具カードを付与する。
3. 修験者である家臣に、呪文カードを付与する。
あなたがコントロールしていなかったり、お辞儀をしている家臣には、家来や道具、呪文を付与することはできません。
4. ある家臣に付与しているカードを、別の家臣に移動させる。
5. それぞれのターンに1回だけ、帝の寵愛を陳情することができます。
 これらはすべて、カレント・プレイヤーのアクションとして扱います。あなたは新たなアクションを行う前に、ほかのプレイヤーが公開アクションを行うかパスするまで待たなければなりません。同様に、あなたがあなたのアクションに対する対抗アクションをプレイする前に、ほかのプレイヤーに、対抗アクションを行う機会を与えなければなりません。(対抗アクションを参照)。

4. 攻撃フェイズ

 必ず攻撃する必要はありません。あなたはそれぞれのあなたのターンに、1回のみ攻撃することができます。また、それぞれのターンに、1人の対戦相手のみ攻撃することができます。
攻撃フェイズは、5つのセグメントに分割されます:
1. 宣言
2. 歩兵移動
3. 騎兵移動
4. 戦闘アクション
5. 解決

4.1 宣言セグメント

 あなたは別のプレイヤーに対して攻撃を宣言し、そのプレイヤーの軍勢とあなたの軍勢との衝突が始まることを合図しなければなりません。あなたは攻撃プレイヤーであり、あなたが攻撃しているプレイヤーが、防御プレイヤーです。
 攻撃は、防御プレイヤーの領地に対して行われます。それはあなたの軍勢が、敵の力の拠点を潰そうとする行為をあらわしています。破壊された領地にはもはや、王朝カードが置かれません。あなたは任意の数の防御プレイヤーの領地を攻撃することができます。別のプレイヤーの家臣を直接攻撃することはできません。
 宣言セグメントの間、攻撃プレイヤーと防御プレイヤーは、その順番で、他の任意のプレイヤーに対して、攻撃側同盟か防御側同盟として援助を求めることができます。求められたときでも、あなたは援助を行う必要はありません。また、両方のプレイヤーが同じプレイヤーに援助を求めることができます。援助を求められていないプレイヤーは、同盟に参加することができません。

多人数戦闘(同盟)

 攻撃プレイヤーか防御プレイヤーのどちらかに要請された場合、他のプレイヤーでも攻撃や防御に参加することができます。同盟者は、そのプレイヤーが望むだけの部隊を参戦させることができます。あるプレイヤーが同じターンに、攻撃と防御の両方の味方をすることはできません。どのプレイヤーも、実際に部隊を送るまでは、同盟についての意図を示す必要はありません。無言のままであったり、あなたの意図に関して嘘をつくことは不当ではなく、あなたが蠍家をプレイしているときには、良い作法として扱われます!攻撃か防御に加わったプレイヤーは、最低でも1部隊を参戦させた時点で、家の名誉2点を得ます。それぞれの攻撃フェイズには、この名誉は1回のみ得ることができます。

4.2 歩兵移動セグメント

 部隊には、2つの基本タイプがあります:歩兵騎兵です。すべての家臣と家来は、それが騎兵(Cavalry)の特性を持たないかぎり、歩兵となります。家部隊が騎兵として扱われるためには、その臣と付与されているすべての家来が騎兵の特性を持っていなければなりません。
 攻撃プレイヤーは、どの部隊が歩兵攻撃を行うのか、そして攻撃するそれぞれの部隊がどの領地を攻撃するのかを決定します。複数の部隊が同じ領地を攻撃したり、防御したりできます。
 攻撃プレイヤーの歩兵部隊の割り振りが終わった後、他のプレイヤーは攻撃側同盟として名乗り出る機会を得ます。攻撃プレイヤーの左隣のプレイヤーから始まり、それぞれのプレイヤーは部隊を送るかパスする機会を得ます。
 攻撃側同盟を宣言したプレイヤーは、1つ以上の歩兵部隊を攻撃に割り振り、それぞれの部隊がどの領地を攻撃するかを決定します。望むなら、この時点で騎兵部隊を割り振ることができます。
AllenBob を攻撃します。どちらも CindyDavid を、同盟に誘います。Allen は2つの歩兵部隊を領地1への攻撃に、そして別の歩兵部隊1つを領地2への攻撃に、それぞれ参戦させます。Cindy は攻撃に参加することを選び、歩兵部隊1つを Bob の領地3への攻撃に参戦させます。彼女の家の名誉は、2点だけ増加します。
 すべての歩兵の攻撃が決定した後、防御プレイヤーは領地を防御するために、歩兵部隊を戦闘に送り込みます。防御プレイヤーはそれぞれの部隊がどの領地を防御するのかを示します。攻撃されていない領地に部隊を割り振ることもできます。
 防御プレイヤーと同盟を行うプレイヤーは、同じ手順で防御プレイヤーの領地に、1つ以上の部隊を割り振ります。
Bob は歩兵部隊1つを使って、領地1を防御します。David は防御に参加することを選び、歩兵部隊1つを領地2の防御に参戦させます。David はまた、別の歩兵部隊を領地1の防御に参戦させます。David は自分の家の名誉の合計に、2点を加えます。

4.3 騎兵移動セグメント

 騎兵移動セグメントは、歩兵移動セグメントの直後に全く同じ方法で行われます。ただし、このセグメントでは騎兵部隊のみ攻撃や防御に割り振ることができます。プレイヤーにとっては、騎兵部隊を領地の攻撃や防御に割り振ることで、いずれかの側の同盟となる最後の機会です。
Allen は領地4が防御されていないのを見て、彼の騎兵部隊1つをその領地の攻撃に割り振ります。Cindy もまた、騎兵部隊1つを領地4に割り振ります。彼女はすでに同盟による2点の名誉を得ているため、それを再び得ることはできません。

参戦の終了

 すべての部隊が参戦した後、戦いが始まります。それぞれの防御プレイヤーの領地で、戦いが行われます。それぞれは別々に解決され、その順番は攻撃プレイヤーが決定します。最後の2つのセグメント(アクション解決)は、それぞれの戦いについて別々に解決されます。実際には、攻撃プレイヤーは領地を攻撃するためにすべての部隊を参戦させる必要はありません。攻撃に1つも部隊を使わなかったとしても、それは正当な攻撃です。防御プレイヤーもまた、防御のために部隊を送らないという選択があります。ある部隊がある領地の戦闘に参戦したら、その部隊はカード効果を使わないかぎり、別の戦闘に移動できません。

4.4 戦闘アクションセグメント

 防御プレイヤーから始まって、それぞれのプレイヤーは公開アクションか戦闘アクションを行うか、パスすることができます。それらのアクションは、命運の手札か場に出ているカードによって生み出されます。プレイは防御プレイヤーから時計周りに行われ、すべてのプレイヤーが続けてパスするまで継続します。
 この戦いで部隊を持たないプレイヤーは、公開アクションや戦闘アクションを行うことができません。このルールの唯一の例外は、Superior Tacticsのような、戦いにそのプレイヤー自身の部隊を参加させるカードです。(このルールは公開アクションと戦闘アクションにのみ適用されることに注意。対抗アクションが発生するためのイベントが起きたとき、部隊が存在するかどうかに関係なく、対抗アクションをプレイすることができます。)
 地形カードは戦いの全体に影響する、特殊な種類の戦闘アクションです。それぞれの戦闘でプレイされた地形カードは、その戦闘のために場に残ります。戦闘中には、1枚の地形カードしか場に出すことができないため、既に地形カードが場に出ている戦闘では、その地形カードを何らかの方法で取り除かないかぎり、2枚目の地形カードをプレイすることは不適切です。地形カードの効果は、戦闘アクションセグメントの最後、すべてのプレイヤーがパスした後に解決されます。地形効果を解決した後には、それ以上アクションをプレイすることはできません。それぞれの領地の戦闘を解決している間には、すべての公開アクションと戦闘アクションは、以下のいずれかでなければなりません:
・この戦いに参加しているカードやトークンからのアクション
・この戦いにカードやトークンを参加させるアクション
・次のいずれかを対象にとるか、影響するアクション:戦いに参加しているカードやトークン、戦いの舞台となっている領地
 カードの文章が「敵対する」カードや「この戦い」、「他の[攻撃中/防御中]の家臣」を参照している場合、その効果を生成するカードは、この戦いに参加していなければなりません。
Biting Steel という呪文には、「公開:この修験者をお辞儀させることで、対象の龍家の家臣1人に 3F/3C のボーナスを与えるか、いずれかの家臣1人に 2F/2C のボーナスを与える。」と書かれています。この呪文は敵対する家臣や軍勢、部隊などの敵対するカードを参照していないため、この呪文を持つ修験者は、攻撃や防御に参加することなくこのボーナスを供給することができます。
 Earthquake という呪文には、「戦闘・エレメンタル:お辞儀させることで、この戦いで敵対しているいずれかの家臣1人を、お辞儀させる。」と書かれています。この呪文を唱える修験者は、この効果を供給するために、この戦いに参加していなければなりません。
 鳳凰家の水の導師である Isawa Tomo は、「戦闘:お辞儀させることで、部隊1つをある領地から別の領地に移動させる。」という生来の能力を持っています。この戦いが領地1の解決中で、Tomo が戦いに参加していないなら、領地1にいる部隊を他の防御側の領地に移動させたり、他の領地にいる部隊を領地1に移動させたりできます。ただし、部隊を領地2から領地3に移動させることはできません。もし Tomo が領地1での戦いに参戦しているなら、部隊を自由に移動させることが可能です。

4.5 解決セグメント

 攻撃側は、攻撃側の部隊の戦闘力を加算することで、攻撃部隊の戦闘力合計を算出します。防御側は、防御側の部隊の戦闘力を加算することで、防御部隊の戦闘力合計を算出します。解決セグメントよりも前にお辞儀したカードは、戦闘力合計には加算されません。解決セグメントよりも前にお辞儀した家臣は、お辞儀していない従者や道具があったとしても、その部隊の戦闘力が0点になります。
 解決フェイズの間に、攻撃側か防御側に、参戦している部隊が残っていない場合、この戦いはもう一方の軍勢にとって、勝利したとは扱われません。(したがって、Ralling Conscripts は経験トークンを得られません。)また、敵対していない軍勢は、戦闘力が0点になったとしても破壊されません。
攻撃側の戦闘力合計<防御側の戦闘力合計:攻撃側の部隊はすべて破壊されます。防御側は、破壊されたカード1枚につき、名誉2点を得ます。この戦いのより早い時点で破壊されたカードについては、名誉を得られません。
攻撃側の戦闘力合計=防御側の戦闘力合計:攻撃側と防御側の部隊が、すべて破壊されます。攻撃側も防御側も、破壊された敵対しているカード1枚につき、名誉1点を得ます。この戦いのより早い時点で破壊されたカードについては、名誉を得られません。戦闘力合計が0点になった軍勢があっても、それは敵対していない部隊には破壊されません。
攻撃側の戦闘力合計>防御側の戦闘力合計:この領地を防御していた防御側の部隊はすべて破壊されます。防御側は、破壊されたカード1枚につき、名誉2点を得ます。この戦いのより早い時点で破壊されたカードについては、名誉を得られません。
 攻撃側の戦闘力合計が、防御側の戦闘力合計+領地の防御力を上回った場合、その領地は破壊されます。領地の破壊は、防御側の軍勢の破壊と同時に発生します。余剰した戦闘力が領地防御力を上回っていなければなりません。等しいときには破壊されません。破壊された領地にあったカードは、すべて捨てられます。破壊された領地はカードを維持できません。命運デッキと王朝デッキの間の幅を狭めて、隙間を埋めることになります。領地やその領地に付与されていたカードを破壊しても、名誉は得られません。
 この手順を、攻撃されているそれぞれの領地について繰り返します。戦いの最後に、生き残っている攻撃側の部隊と同盟の部隊をお辞儀させ、それを支配しているプレイヤーの封土に戻します。(防御側の部隊はお辞儀せず、戦闘フェイズが終わるまで領地に残り続けます。)カードは、この時点まで、戦いに参加することによってお辞儀しません。ある戦いの解決フェイズと次の戦いの戦闘アクション・フェイズの間に、すべてのプレイヤーがターンの進行順に、(Ralling Cryなどの)戦いの終了時に対応する効果を供給する機会を得ます。

(戦闘の例は省略)

5. 王朝フェイズ

 このフェイズの間に、あなたの領地にある表向きの王朝カードを場に出すことができます。このとき、場に出すカードの名誉の最低値を満たし、その黄金コストを支払い、そのカードに記されているその他の条件を満たさなければなりません。あなたが望むカードをすべて場に出した後、王朝フェイズの終了を示すために、領地に残っている表向きのカードを捨てることができます。
 領地にあるカードを場に出したり、捨てたりしたとき、直ちにあなたの王朝デッキの一番上からカードを取り、裏向きのまま領地に置きます。王朝デッキにカードが残っていない場合は、領地がまだ破壊されていないことを示すために、領地にマーカーを置きます。カードを使いきってしまうことによる、悪い効果はありません。── もちろん、これ以上家臣や資産を場に出せないことを除いてです!
 王朝フェイズには、どのプレイヤーも限定、公開、戦闘アクションを行うことはできません。
 要塞(Fortification)以外の資産は、お辞儀をした状態で場に出ます。家臣はお辞儀をしていない状態で場に出され、直ちに防御に参加できます。自分の氏族の家臣を雇ったとき、支払う黄金コストを2点だけ減らすか、その家臣の個人の名誉を、あなたの家の名誉に加えることができます。
 場に出された要塞は、それがあった領地に付与され、それを保護します。それはお辞儀をしていない状態で場に出されます。1つの領地には、1つの要塞しか付与できません。

6. 終了フェイズ

 あなたの命運デッキが残っているなら、そこからカード1枚を引き、あなたの命運の手札に加えます。この時点で9枚以上のカードを持っている場合、命運の手札が8枚になるまでカードを捨てなければなりません。どのカードを捨てるかは、あなたが選びます。この時点で、次のプレイヤーにお辞儀をし、「The table is yours.(未訳)」と言うことは、名誉ある行動とみなされます。