Legends of the Five Rings ルールブック和訳 Part 1

Legend of The Five Rings の基礎

 Legend of the Five Rings の基礎は単純です。ここに記されているルールは、圧倒的な量に見えるかもしれませんが、その大部分は特殊な場合の説明や、タイミングの詳細、そして各種の例によるものです。プレイ方法を手早く学びたいときは、「クイックスタート・ルール」を読んでください。メイン・ルールは、議論が起きたときや、カード・タイプがどのように機能するかを知る必要が出てきたときに参照してください。

 Legend of the Five Rings の物語は、現在も進行中です。そのため、物語の進行に従って、帝国の人々や場所などの物事は変化していきます。最初の主要な物語であるThe Clan War は、19978月に、Time of the Void で終結しました。2番目の物語であるThe Hidden Emperor は、トツリ(Toturi)帝の治世の2年目以降の出来事に従っています。

 あなたは緑岩(Rokugan)帝国の君主の一人であり、帝国の偉大なる氏族のひとつか、氏族戦争が始まってから登場した強力な党派のひとつで誕生しました(氏族と党派については後述しています)。紺碧の王座の闘争において、あなたは自らの封土を開発し、著名な家臣を集めなければなりません。あなたが持つ資源を慎重に使えば、あなたの家臣に従者、武器、そして呪文を与えることができます。また、あなたが属している氏族に基づく、家の名誉をわずかに持つことができます。これは、帝になろうとするあなたの望みを、帝国の民がどのように見ているかを反映します。あなたはまた、あなたの家と氏族の人々によって支配されている先祖伝来の地である、4つの領地を持っています。それは、あなたと帝国の歴史を結び付けます。

 どの氏族も、長所と短所を持っています。複数のプレイヤーが同じ氏族になることができます。それぞれの氏族は、戦争、政治、魔法などの原理を反映する特性を持つ動物と関連しています。より詳しくは、「能力と特性」を参照してください。

【基本ルール】

1. カードや本陣に書かれている文章が以下のルールと矛盾するとき、カードや本陣の方を優先させます。

2. あなたがゲームから外れるとき、あなたのカードはすべて、あなたと一緒にゲームから取り除かれます。その時点でどのプレイヤーが支配しているかは関係ありません。

3. ルールによって矛盾が発生した場合(Unexpected Allies のイベント中に、全く同じ唯一無二の家臣が登場した場合など)、現在のプレイヤーが優先されます。その後、優先度はターンの進行順に移っていきます。

【本陣(Stronghold)

 各カード・ボックスの裏は、その氏族の本陣を表しています。カード・ボックスの裏にあるイラストと情報は、デッキ中の実際のカードとしても登場します。プレイ中は、ボックスとカードのどちらかを本陣として使うことができます。

【イベント(Event)

 これらの帝国を震撼させる事件は、対戦相手の戦略を混乱させたり、多くの特殊な状況を引き起こしたりします。しかし、注意してください ── イベントはまた、他のプレイヤーだけではなく、あなたに対しても危険であり得ます!

【資産(Holding)

 資産は一般的に、あなたの氏族が支配している商売やその他の経済事業を表しています。名誉や特殊な能力を供給することもありますが、資源はあなたの主要な財源となります。

【家臣(Personality)

 家臣は、このゲームの主役です。あなたの領地を守ったり、あなたの対戦相手と戦ったりするために、あなたが雇う人々です。

【地域(Region)

 あなたの領地は名前を持たず、一般的でもありません。地域はそれを特定し、特別に特性と能力を与えます。

【アクション(Action)

 アクション・カードは、ボーナスや特殊能力を供給します。そのタイプ次第で、アクション・カードはあなたの目的を進めたり、対戦相手を妨害したりします!

【従者(Follower)

 家臣が従者を連れて戦闘に向かうと、その部隊は対戦相手の領地や攻撃側の軍勢に対して、より多くのダメージを与えることができます。

【道具(Item)

 あなたの家臣に力を持つ道具を与えることで、より強力な効果を持たせることができます。その家臣をより良い武士や修験者にしたり、何らかの特別な行動を行うことができるようにします。

【気法(Kiho)

 気法カードは、アクションと呪文が融合したものです。それは修験者や修道僧の血を集め、それを制御することを可能にする能力を表しています。

【呪文(Spell)

 神秘的な修験者だけが、呪文を所有し、使用できます。どの呪文も、このゲームにおける他のいかなるものとも異なる、特別で強力な行動を可能にします。

(ルールブックの図を参照してください。)

Stronghold(本陣)
A.名前
B.領地の防御力
C.黄金の生産量
D.開始時の家の名誉
E.家の特殊能力

Event Card(イベント)
A.名前
B.効果

Holding Card(資産)
A.名誉の生産量
B.名前
C.黄金の生産量
D.黄金コスト

Personality Card(家臣)
A.戦闘力
B.名前
C.血
D.雇用に必要な家の名誉の最低値
E.黄金コスト
F.家臣の名誉

Region Card(地域)
A.名前
B.効果

Action Card(アクション)
A.名前
B.黄金コスト
C.効果
D.集中力

Follower Card(従者)
A.戦闘力
B.名前
C.血
D.家臣に必要な名誉の最低値
E.黄金コスト
F.集中力

Item Card(道具)
A.戦闘力ボーナス
B.名前
C.血ボーナス
D.黄金コスト
E.集中力

Kiho Card(気法)
A.名前
B.黄金コスト
C.効果
D.集中力

Spell Card(呪文)
A.名前
B.黄金コスト
C.効果
D.集中力


■ クイックスタート・ルール

【ゲームの準備】

 あなたの氏族デッキ(ボックス)を開け、中身を王朝カード(裏面が黒のもの)と命運カード(裏面が緑のもの)の2つの山に分け、それぞれを別々にシャッフルします。王朝カードは、緑岩に起こる事件、あなたが所有する資産、あなたが雇うことができる家臣、そしてあなたの領地を位置付ける地域を含んでいます。命運カードは、あなたの家臣が使用できる従者、道具、呪文などを含んでいます。

あなたが選んだ氏族デッキの裏に、その氏族に代々伝わる本陣があります。それはゲーム開始時から場に出しておきます。
あなたの家の名誉を記録するためのカウンターや筆記用具と、ゲーム中に登場するトークンを表すための、コインなどの小物を用意してください。また、帝の寵愛を示すためのマーカーも必要になります。

 命運デッキはあなたの左側、本陣の手前に置き、そこからカードを4枚引いて、命運デッキの右側、あなたが支配している4つの先祖伝来の領地(Province)に、裏向きのまま置きます。あなたの右側には命運デッキを置き、そこからカードを5枚引いて、あなたの手札とします。
 ゲーム開始時の家の名誉は自分の本陣に示されており、これはゲーム中に増減します。

【ゲームの勝利条件】

 以下の条件のうちのいずれかを満たすと、あなたは帝の後継者として認められることになります:
・あなたがゲームに残っている最後の一人になる。(武力の勝利)
・あなたの家の名誉が40点以上の状態で、あなたのターンが始まる。(名誉の勝利)
・あなたが5つのエレメンタル・リングを、すべて場に出している。(覚醒の勝利)
また、以下の条件のいずれかを満たすと、玉座の闘争から除外されてしまいます:
・あなたの領地がすべて破壊される。
・あなたの家の名誉が-20点以下になる。

【ターンの進行手順】

1. Straighten Phase(直立フェイズ)
 あなたのお辞儀をしている(Bowed)カード(何らかの行動を行ったことを示すために、横向きになっているカード)は、すべて姿勢を正します。

2. Event Phase(イベント・フェイズ)
 あなたの領地にある裏向きのカードを、すべて表向きにします。
 公開されたイベントをすべて解決し、その後に、新しい王朝カードを裏向きに置きます。
 地域の上には裏向きの王朝カードを置き、地域が見えるように、それを上か下にずらします。

3. Action Phase(アクション・フェイズ)
 あなたは自分の手札や場のカードから、限定アクションや公開アクションをプレイすることができます。他のプレイヤーもまた、公開アクションをプレイすることができます。ターンを進行しているプレイヤーから順番にプレイします。
 あなたは自分の家臣に従者や道具を与えたり、自分の修験者に呪文を与えることができます。
 また、あなたは、1ターンに1回だけ、帝の寵愛を陳情することもできます(後述の「帝の寵愛」を参照してください)。
 このフェイズに何かを行う必要はありません。
 補足:複数の家臣をお辞儀させると、その間で従者や道具、呪文の交換を行うことができます。

4. Attack Phase(攻撃フェイズ)
 あなたの対戦相手の1人の領地に対して、望むなら攻撃を行うことができます。
 このフェイズについては、後で詳しく説明します。

5. Dynasty Phase(王朝フェイズ)
 あなたの領地にある王朝カードを、場に出したり、不要なら捨てたりできます。
 資産はお辞儀をした状態で場に出ます。空になった領地には、すぐに王朝カードを裏向きに補充します。
 場に出た要塞は、元の領地に残ります。その上に、裏向きの王朝カードを置きます。
 王朝カードがなくなった場合、その場所を保持するためのトークンを置いておきます。

6. End Phase(終了フェイズ)
 命運カードを1枚引き、あなたのターンが終了します。その後に、左隣のプレイヤーのターンが始まります。
 補足:手札が9枚以上になったら、8枚になるまで捨てて下さい。

【カードを場に出す】

 カードを場に出すためには、必要なコストを支払わなければなりません。多くのカードは黄金コストを持ち、あなたは自分の資産や本陣をお辞儀させて、そのコスト以上の黄金を得なければなりません。カードを場に出すときに余った黄金は、すべて失われます。

 あなたの領地にあるカードは「場に出ている」とは扱いません。場に出ていないカードは、場に出ているカードに対して何の影響も与えません。

 家臣はあなたの家の名誉が低すぎるときには、あなたのために働きません。また、従者は家臣の名誉が低すぎるときには、その家臣のために働きません。これらの最低必要な名誉の量は、それぞれのカードに示されています。また、唯一無二(Unique)や熟練(Experienced)のカードは、同じ名前、同じバージョンのカードが既に場に出ているときには、場に出すことができません。
 あなたの氏族の家臣を場に出すとき、あなたは支払う黄金を2点だけ少なくするか、あなたの家の名誉にその人物の名誉を加えることができます。

 従者、道具、そして呪文を場に出すとき、それは対象となる家臣に与えなければなりません。それらは、その家臣の能力値を増加させたり、新しい能力を与えたりします。

【アクションについて】

 アクションは、あなたの命運の手札か、場に出ているカードによって発生します。あなたの手札から直接プレイすることができるのは、アクション・カードだけです。
 アクションには以下の4つのタイプがあります:

 戦闘(Battle)アクションは、あなたの部隊が参加している戦闘でのみ、使うことができます。
 限定(Limited)アクションは、あなた自身のアクション・フェイズでのみ、使うことができます。
 公開(Open)アクションは、すべてのプレイヤーのアクション・フェイズと、あなたの部隊が参加している戦闘で使うことができます。
 対抗(Reaction)カードは、それぞれに使うことができるタイミングが書かれています。

 いずれのアクション・フェイズも、現在のプレイヤーから始まって、時計回りに進行します。それぞれのプレイヤーはアクションを1つプレイして完全に解決させるか、パスすることができます。これは全員がパスするまで続きます。
 戦闘アクション・フェイズにおいては、防御側プレイヤーが一番最初にプレイします。

【戦闘フェイズ】

 このフェイズでは、あなたはあなたの部隊(Unit)(家臣(Personality)と、それに付与されている従者(Follower)や道具(Item)のカード)を、対戦相手の領地を破壊するために送り込むことができます。

1. このターンにどのプレイヤーを攻撃するかを、宣言(Announce)します。
2. 攻撃側プレイヤーと防御側プレイヤーは、それぞれ同盟を募ることができます。どちらかに加勢したプレイヤーは、家の名誉2点を得ることができます。
3. あなたは、攻撃する領地に対して、歩兵(Infantry)部隊を割り当てます。
4. 防御側プレイヤーは、防御する領地に対して、歩兵(Infantry)部隊を割り当てます。
5-6. ステップ3と4を、騎兵(Cavalry)部隊について繰り返します。騎兵となるためには、家臣とその従者すべてが騎兵(Cavalry)の特性を持っていなければなりません。
 ここから、それぞれの領地ごとに、別々に戦闘を解決していきます:
7. 戦闘アクションや公開アクションをプレイすることができます。防御側プレイヤーが一番最初に行動します。地形(Terrain)カードが既にプレイされている場合、新たに地形カードをプレイすることはできません。地形による効果は、他のアクションがすべてプレイされた後に解決します。
8. それぞれの軍勢の部隊の力の合計を比較します。
・お辞儀をしているカードは、戦闘力を0点として扱います。また、家臣がお辞儀をしている場合には、その部隊の戦闘力を0点として扱います。
・戦闘力が低い方の軍勢が破壊され、勝者は破壊されたカード1枚につき、家の名誉2点を得ます。引き分けだった場合、双方の軍勢が破壊され、それぞれが破壊した、敵対するカード1枚につき、家の名誉1点を得ます。
・攻撃側の軍勢の力の合計が、防御側の軍勢の力の合計に領地の防御力を足した値を上回った場合、その領地も同様に破壊されます。
 ステップ7と8を、それぞれの領地について繰り返します。
 注意:戦闘終了後に残っている攻撃側の部隊は、帰還するときにお辞儀をした状態になります。

【帝の寵愛】

 帝の寵愛を陳情することは、限定アクションとして行います。あなたは自分の家臣の1人をお辞儀させ、陳情することを宣言します。
 誰も寵愛を受けておらず、あなたの家の名誉が他のどのプレイヤーよりも高い場合、あなたが寵愛を得ます。
 そうでない場合、あなたは寵愛を得るために、他の家と対抗しなければなりません。すべてのプレイヤーは自分の家臣をお辞儀させたり、手札から命運カードを捨てることができます。そして、それぞれのプレイヤーは自分の家の名誉と、お辞儀した家臣の名誉、そして捨てた命運カードの集中力の合計を比較します。あなたの値が一番大きかった場合、あなたは寵愛を得ます。そうでない場合、寵愛は変化しません。
 ゲーム開始時には、誰も寵愛を得ていません。
 あなたは寵愛を捨てることで、以下の4つの行動のうちのいずれか1つを行うことができます:
1. Limited: 命運カードを1枚引く。
2. Open: 家臣1人を、名誉ある状態に戻す。
3. Battle: 部隊1つを、お辞儀をした状態で戦闘から取り除く。
4. Reaction: 家の名誉が失われるとき、その損失を防ぐ。

【家臣の破壊】

 家臣が破壊されたとき、それに配されていたカードも、すべて破壊されます。
 カードの効果によって不名誉な状態になっていないかぎり、その家臣は名誉ある死者(Honorable Dead)と呼ばれます。
 補足:場に出ることなく捨てられた家臣と区別するために、名誉ある死者はお辞儀をした状態で、不名誉な死者は裏向きに捨てることを推奨します。
 血の値が0以下になった家臣は死亡します。

【挑戦と決闘】

 カードに挑戦(Challenge)と書かれている場合、挑戦された家臣はこれを拒否する(そしてその結果を受け入れる)か、決闘を行うことができます。
 決闘においては、挑戦された家臣から始まり、それぞれのプレイヤーが集中(Focus)か一閃(Strike)を宣言していきます。
 集中を宣言した場合、あなたの手札にある命運カード1枚を、テーブルの上に裏向きに置きます。このカードの集中力は、誰かが一閃を宣言したときに、あなたの家臣の血に足されます。そして、対戦相手が集中か一閃を宣言します。
 誰かが一閃を宣言したとき、血の値が最も高い家臣が勝利し、その対戦相手は殺されます。引き分けだった場合、両方の家臣が破壊されます。
 このときに使った命運カードは、何の効果も発揮せずに捨てられます。


 これでクイックスタートルールは終わりです。あなたのカードをとって、対戦相手とゲームをしてみましょう。何か疑問に思ったことがあったときに、メインルールを参照して下さい。