ZYX |
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淫内感染
1997
ADV/ゲームA−/精液A(顔4:口2)
キーワード:武藤慶次さんの描く身体ってムチっと80年代。平凡な一医者が同じ病院の女医のオナニーを目撃。それをきっかけに彼の秘められた獣性が呼び覚まされる。
むう。これはいいゲームです。ZYXのゲームは初めてやったけど、非常に好印象を持った。まず、CGが綺麗だ。原画の人もかなり上手。アニメを多用したHシーン。鬼畜なのはちょっとアレだが、Hだねえ。Hのシチュエーションも数多い。最も重要(?)な精液も十分な量だ。ストーリーも(オレはそんなにイイと思わなかったが)一般的にはそこそこ評価されているらしい。全ての点で平均点をクリアしている。ただ、あまりにもかっちりしすぎてるというか、突き抜けた特異点を持ってない印象も受けた。これは「傑作」というよりも「秀作」タイプの作品ということになるだろう。
そういう意味で、この作品は他のエロゲを評価する上での尺度になると思う。メイビートゥルースはこれを抜けるように目標設定してがんばれ!
クレイジーナックル II
ボイス・バトルロイヤル
1998、1999
格闘アクションADV/ゲームA/精液B+(顔3:口1)
キーワード:でも、このシナリオライターさんは既にジックスにはいない・・・。血にまみれた死体の山。思い出される陰惨な時の断片。自分の中に潜む黒い衝動。記憶を無くした草壁蒼馬は己の過去の秘密を求めて、戦いの中にその身を置く。1998年に発売された「狂拳伝説クレイジーナックル」の続編「II」に、音声入力機能を加えて1999年に再発されたのがこの「ボイス・バトルロイヤル」。
ZYX。地味。
エルフやリーフが森永・明治なら、こっちはサンリツ(源氏パイ)・亀田(ぼんち揚げ)。
地味。
これがオレの常々持っているイメージ。確かにいいゲームを作るし面白いんだけど、何かこう、トキメキがない。DOの仲間であるとか、「淫内感染」や「サナトリウム」と続く、何となく抑圧的なストーリーを持つ作品作りともあいまって、オレのなかでは「この華のなさじゃあ、超一流にはなれないだろう」という考えがほとんど確信に近くなっていた。
・・・この「クレイジーナックル II」をやるまでは。これは面白い!
いや、別に感動の嵐とか、ココロが痛いとかみたいなことを言ってるんじゃない。確かにストーリーはZYXプロパーと言うか、手堅い。起承転結がキチンとしていて、ちゃんと盛り上がりがあって、キモの場面ではもうお馴染みになったフラッシュバック連発で泣かせて〜、みたいな。もうバリバリ優等生。しかし、そんなことはいつものことなんで、今更強調すべきモンじゃない。
「淫内」に比べたらH度もやや低い。ここにしては汁気がやや少ないというのは間違いない。まあ、とは言ってもZYXやから、音声はいいし、Hアニメもあるし、Hの質量とも充分やけど。独特のゲームシステムは良かったけどね。マウスをマス目の上で動かして技の入力というのは面白いし、結構熱中する。もうちょっとスピーディに進行すればもっと楽しめただろう。
でも、そんなんどうでもいい。要するにキャラなんや。ザドウであり、ブラッドであり、レイナなんや。カッコつけで、エロってて、バカで、最強。こいつらホントにいい。「クレイジーナックル(1)」のキャラが「2」のキャラそっちのけでこれだけ立っているのも問題かもしれんが、とにかくキャラが魅力的だ。失礼ながらZYXにここまでキレてるキャラが描けるとは思っていなかった。このランスのような連中のおかげで、いかにもZYXという「2」から出てくる屈折キャラも引っ張られて魅力が増していた。
特に声優の演技が素晴らしい。オレは男の声なんかイランという方で、男の声が消せないとなるとWAVEファイルを削除してまで排除してしまう方だが、この作品に関しては終止男の声をONにしてプレイした。もし、このゲームを男の声をOFFにしてやっていたという人がいるなら、ONにしてもう一度やって欲しい。やらないと後悔するぞ。もう会話最高。
ストーリーがどれほど巧くできていても、演出がどれほど冴えていても、キャラがイキイキしていなければそれはゲームを終わったら直ぐに忘れてしまうものにしかならない。逆にキャラが魅力的であるならば、ストーリーの少々のムリなどブッチちぎってしまうものなのだ。ましてそれがいいストーリーに乗ったのなら、ベストファンタジー完成や。
ZYXのゲームの地味さは全てそこに起因していた。ストーリーを飛び越えるような存在がゲーム内にいない。全てのキャラが単なる登場人物でしかなく、ストーリーを受け入れている。そして、それをプレイしているオレ達の気持ちもゲームから飛び出して行くことはない。ゲームをやっている間は楽しい。しかし、コンプしてしまっても坂口先生には何の未練もない。
しかし、この「クレイジーナックルII」は違う。物語を終えたくないという気持ちが確かにあった。
終わってくれるなっ!!!!
もっとザドゥの活躍が見たい!!!!
ブラッドのアホっぷりでもっと笑わしてくれ!!!!!こういう気持ちこそ、この作品が成功作であるということの何よりの証ではないか、と思う。
これはZYXに対する考え方を大幅に修正(もちろん上方に)しなければならないだろう。こういう作品が作れるということがわかったら、もう「淫内感染」みたいな辛気くさい作品で我慢する気は全くなくなった。ZYXのHPでの「クレイジーナックル II」の紹介にコメントつけてる娘たちの会話を見てみよう(ちょっと引用。ZYXさんゴメン)。
「私、このゲーム1番好き!」
「あたしも。シナリオいいよね。読ませてもらったんだけど面白いもん。」
「キャラクターが立ってるのよ、主人公から脇役まで。特にザドゥ!」
「そうそう、前作のキャラクターがギャグをやっててぇギャップ良い具合にはまっててさー。シリアスなストーリーの中に違和感無くギャグが混じってるの。」まさにこういうゲーム。多分に自画自賛だが、見事な自己評価と言えよう。自分らでわかってるんやったら、なんぼでも作れるやろう。こういう笑えて、泣けて、楽しく、熱い、そしてHな作品をもっと作らんかい!!!!オラー!!!
オレがいつもノスタルジーをこめて語っている天津堂の「マーシャルエイジ」。この作品こそ、その正当後継者!みんな買おう!!まあ、汁ゲとしては「淫内感染」の方が上やけど、ジックス作品の入り口としては最適なゲームやと思う。続編はまだか!ザドゥ〜!
ちなみに、今回のリニューアルの目玉である「音声入力」。まだ試してない。当たり前のことだが、音声入力はバトルモードのみである。一部でHシーンでの音声入力の期待があるかも知れないが、オレはイヤだね。おそらく、ザドゥのHシーンのコマンドは「よっしゃあああっ!行くぞ!愛欲の大海原へ漕ぎ出せ!!」とか、「うおおおおっ!脱衣!完!了!!」とか絶叫させられること請け合い。恥ずかしすぎてできまへん。
淫内感染 真夜中のナースコール
1998
陣取りACT/ゲームA−/精液B+(顔2:口0)
キーワード:男のアクメ「淫内感染」の続編。前作のキャラクターにニューキャラを交えたサイドストーリーを陣取りゲームしながら楽しむノベルティっぽい作品。
この作品、パッケージを開けるまでは「まあ、TOP20入りするだろうな」という期待を持っていた。が、前作は越えられませんでした。いや、総じて良かったんです。CGは、ちょっとアニメーションがいまいちながら止め絵は前作より遙かに綺麗だし、CVも非常に巧い。ボクアクションゲーム好きだし、この陣取りゲームはなかなか燃えた。
しかしねえ!主人公のメガネ野郎!ちょっとは黙らんかい!!!!「ああっ、おおっ、う、うまいぞ」っと全編悶えまくり。お前が一番喜んでどうするんや。しかもね、男の声は「無し」にできまへん。ダメだこりゃ!次行ってみよう!
サナトリウム
1998
ADV/ゲームA/精液A+(顔8:口1)
キーワード:ラブラブをくれ。私立探偵・陣龍一のもとに「次の満月までに私を救って。」という謎のメモと一千万円の依頼金が届いた。龍一はアシスタントの葉山観月とともに、サナトリウム「Maria’s Garden」に向かう・・・。
とりあえず。力作。これをやる少し前に「淫内感染 真夜中のナースコール」をやったのでその力の入れ方の差がはっきりわかる。「真夜中」は多分休憩時間にスタッフが息抜きで遊ぶためのゲームをついでに発売したものだったんだろう。
ZYXというと、特に突出したところはないけど、平均点が高い、ちょうどアズーリでいうとドナドーニ(古い!でもまだ現役)のようなゲームを作る印象があったけど、このゲームは「淫内感染」をさらに全科目で5点か10点上乗せしたような出来。前作がドナドーニとしたら、今回はディノ・バッジョぐらいの出来だった。
でもこのゲーム、汁気の割にヌけなかった。なぜだ!?いや、確かにHだと思うけど、期待ほどじゃなかったというか・・・。ゲーム序盤、主人公が鬼畜じゃなさそうだったんで、「これは出てくる女の子達とのラブラブな展開になるんじゃないか?うひょひょひょ」というのを予想してたんだけど、このゲームのHシーンはことごとく凌辱。主人公は身辺で行われる鬼畜行為に便乗するか、傍観するかしか許されてないのだ。全体的に心が痛む物語なうえに、結構Hがストーリーとリンクしちゃってて、はっきり言って重い。しかも、主人公はHをしてても常に「これでいいのか?」って葛藤し続けとるので、こっちも気が気でない。まだ主人公自身が鬼畜だった方が行動原理自体には迷いがないので良かったかも。話が結構良くできてるんで余計チンポが萎えた。和姦は2、3つしかなく、結局オレが望んでいたゲームの展開にはならなかった。サナトリウムの患者さんとはくっつけないし。しかも後半は「ユング、フロイト」だの「人間の本当の欲望」だの「儀式」など、オレがジンマシンでる要素がバンバン出てきたし。
とはいえ、良くできたゲーム。心理学についてよく勉強してるみたいだし。それでいて、イヤミじゃない。背景が3DCGでとてもキレイ。しかもちょっとだけ動く。これ、もっともっと使って欲しいぐらい効果的。CGも、ストーリーも、演出もどれも平均以上。オレはおまけモードが充実してるところはそれだけで評価ダブルアップだけど、この作品のおまけモードは欲しい機能は全部入ってるし、デザインからして力が入っている。ここだけでも「花の記憶」に勝てるよ。もちろんザーメンもドバドバ出ております。やって見る価値は十分にある。
これでもっと短ければなあ!しかし、これでも普通の分量に感じるぐらい今のゲームはプレイ時間長い。1プレイ30分程で20周ぐらいでコンプ、みたいなんがイイわ。「HEARTWORK」みたいなの。
淫内感染2
<1999
エロメガネADV/ゲームB+/精液A+(顔10:口0)
キーワード:女は強い。理性のたがを捨て去った坂口は自らの欲望のままに女達を傅かせる毎日を送る。そんななか、城宮総合病院で表面化する院長の椅子を巡る派閥抗争。それは彼の新たなる欲望の火を灯させるのだった。
エロゲの未来は明るいのか?エルフは隠居。アリスは健在もいかんせん地味。リーフ、F&Cはもはや現役の「エロゲ」メーカーじゃない。汁ゲ界においても、メイビーが乱心、スクープは自閉、フォスターはいつも通り低空飛行、PiASは一発屋、にくきゅうは分裂とヤバすぎる状況。そんななか、一人クルージングを続けるジックス。ストーリー、CG、音楽、システム全てにおいて平均以上のまとまったゲームを常に作り、汁を惜しげなく出してくるその姿勢。この世知辛い世の中で信頼できるのはNTTの株かジックスのゲームしかないのでは無いではなかろうか?
今回はジックスの代表作「淫内感染」の続編ということもあってかなりの力作。CGレベルは更に高くなり、独特のアニメも重いもののクオリティは着実に上がっている。Hもふんだんにあるし。おまけコーナーの作りこみも完全。大作「サナトリウム」からわずか半年でこれだけのものを出せる力量には驚くばかり。汁もいつもながら一杯出ていて、全身に飛び散る汁は迫力があるな。唯一の不満は射精アニメがもっと増えているかと思ったが一回だけだったことぐらい。
出来はいい。しかし、今回は「淫内感染(1)」、「サナトリウム」に比べると、物語的にはかなり落ちる。ストーリーが「女を片っ端から落とす」ことなのか、「病院を乗っ取る」ことなのか、それともその両方なのか。いまいちハッキリしない。今、日テレで「ラビリンス」という病院モノのドラマがやっているが、人間模様の練りこみ方、ストーリーの緊迫感、演出のキレなど、足下にも及ばん。ジックスとしてはもっと重厚なドラマ作りを目指していたのだろうが、どうにもウマくいっていない。
その全ての根元は主人公の坂口。院内が勢力抗争でただならぬ雰囲気を醸し出しているというのに、こいつときたら「お、こいつ、今まで気づかなかったがイイ尻してるじゃね〜か。今にオレの前で悶え狂わしてやるぞ。見てろ。」と下ネタしか考えてないんですわ。そりゃあ遅蒔きながら気づいたSEXの気持ちよさをもっと沢山試したいという出川哲朗的な気持ちもわかるけどね。こんなヤツに人間同士の駆け引きは無理やで。大体、目当ての女を手に入れる方法からしてとりあえず犯すか媚薬、というとてつもなく大雑把な男なんで。
それならそれで鬼畜に徹すればいいんですがね。そうもいかないんですわ、これが。坂口センセ、意外とナイスガイ。呼び出しに走って戻っていったり、看護婦達のミスがないか細かくチェックしたりと、医者としてのモラルはむしろ高い。何か、前作でせっかく常識人の殻を捨て去って鬼になったのに、本作は鬼畜のなかに残る常識人の部分の方が印象的。こういうのって鬼畜ゲームとしては大きくマイナスではないだろうか?行きずりの死にそうな少女との純愛までかますに至っては、「このゲームのテーマとは何ぞや?」という気分になってしまったぞ。
しかし、このおかげでこのゲームに新しい魅力が。
こういう鬼畜主人公というものはまず野望があって、そのために女を踏み台にするものではなかろうか?しかし坂口は権力なんかよりHの方がよっぽど好きな男なのだ。能力的にもH以外は凡百の存在でしかない。そんな男が病院をのっとると言うのだから、よっぽどの後押しが必要だ。そこで出てくるのが坂口の「メス奴隷」達。この娘達は普段坂口にいいようにされているにもかかわらず、進んで坂口に協力してくれる。そこには坂口への愛情こそあれ、抑圧されたムードはない。
ここにおいて、「女を利用して成り上がる」という物語は消えてなくなり、「うだつの上がらない男が、それを見かねた女達に助けてもらって病院の院長にならせてもらう」という「のび太−しずか型」構図が現れる。それはENDINGの条件を見ても明らか。この作品の結末は「どの女を手に入れるか」という条件でENDが変わるんだが、要するに女の協力がないと何にも起きない。BADENDの坂口はやたら惨めだ。病院を追い出されるだけじゃなく、牝奴隷と呼んでいた女に逆に慰められたりなんかして。チンポだけは一人前だが、一人じゃあ何もできん男。全て女頼みの島耕作。このゲームのキモは「鬼畜」ではなく、「女の優しさ」に移行した訳ですな。
最後の選択肢(詳しい説明はしない)でかろうじて鬼畜性を守ろうとしたが、この作品は鬼畜ゲームとしては失敗作。しかし、そのおかげでオレには好都合だった。この作品をやって思ったのは、坂口センセは実はジックスというブランドの性格そのものではないかということ。鬼畜をやるには優しすぎる。と言うわけで次は純愛やってみないか?んん?
淫内感染2
鳴り止まぬナースコール
1999
陣取りアクション男声ゲーム/ゲームA−/精液A(顔8:口1)
キーワード:とりあえず、オレ的にはジックスで一本選ぶならこれ。壮年デビューのセックスマシーン・坂口センセ。今日も毎日女の子達をイテこましてますっ!そんな彼の華麗な愛欲の日々を覗いちゃおう!「淫感」シリーズキャラクター総出演のノベルティアクションゲーム。
いつも言っていることだが、99年の汁ゲは全くもって不発だった。というか、このHP開いて以来汁ゲってどんどん衰退しているよな気がしてならんが・・・。しかし、そのなかでZYXは97年の「淫内感染」以降の発売ゲーム全てをカウントダウン入りさせるというとてつもない偉業を成し遂げていたりする。ここは本当にスゴイ。まさに鉄板。いや、「全てのゲーム」というのは違うな。唯一カウントダウン入りしていないのがあった。それはあの坂口センセ独壇場の「淫内感染 真夜中のナースコール」。しかし、そのノベルティシリーズ第2段にあたるこの「鳴り止まぬナースコール」はZYX史上最も汁なゲームになった。よ〜っし!
「真夜中のナースコール」がカウントダウン入りしなかった最大の理由であった、男のアクメ声。今回はどうだったかというと健在です。しかも、どっちか言うとパワーアップしてるかも知れん。女性の声よりよっぽど大きい音で入ってるもんなあ。今回「男性の声はオフにできる」という話だったんで期待したが、これがダメダメ。オフにできることはできるが、そうなると男性のセリフがヴィジュアルノベル形式のテキストになってしまって、CGを思いっきり隠してしまう。要するに「坂口 OR NOTHING?」という訳。何でこんなにまでして男の喘ぎ声を聞かせたいんや?
しかし、今回は前作と違ってそれでも張り切ってやってしまった。というのも、Hシーンめっちゃ良い。ま、基本的にはいっつものジックスのHやねんけど。相変わらずレベルは高いし、少しずつだけどアニメの質も上がってきているよな気がする。もうシリーズ4作目とあって登場人物に馴染みが出てきているのも大きい。坂口センセは実は悪人でも何でもなく、タダの島耕作だとバレてしまった今となっては、鬼畜Hも何となく微笑ましく思えるのであった。
汁も今回はかなりツボ。ZXYの描くフィニッシュシーンってのは全身にかけるものが今までの主流やったけど、コラムにも描いた通り、全身に漠然とかかる汁ってのはインパクトが拡散しやすい。そこに来て本作は違う。もう顔のみにロックオン!ですわ。今回のフィニッシュシーンはひとしきりカラミが終わった後に顔のアップが出て、そこに2段フィニッシュ!ってのがやたら多い。さらに今回は坂口VS女の娘複数ってカラミが4回ぐらいある。そのいずれもがぶっかけで終わるんだよね〜。射精アニメも多い。やりましたよ、これは。今までのジックス作品の汁で不満やった部分は全て改善されている。フィニッシュ回数では他作品に譲るも、これはヴィジュアル的にはジックス最高傑作や。
ゲーム部分の陣取り合戦も好き。ゲーム進行は基本的に前作同様、課題にそって邪魔者を避けながらフィールドをメスで切っていって、無事課題をクリアしたら次のCGに進むという形。確かに単純やし物足りなく感じる人もいると思うけど、ボクはエロゲにアクションゲームがもっと増えて欲しいと常々思っている人間なので、こういうゲームが出てくれると非常に嬉しい。「試練−ご褒美」の形がはっきりしているゲームはモチベーションが高いよ。もともとエロゲってのはSLGであろうと、ADVであろうと女を撃墜するためのゲームであったということを考えれば、こういうダイレクトな感じの方がエロゲをやってる!って感覚をより味あわせてくれる。これぞ基本。特に最近のシナリオ主導のADVだとHまでヘドが出るほど長い手順踏まされるし、ゲームをする目的が何か忘れさせられるからね。
という訳でこれは買いですな。武藤慶次の絵はもう飽きたわ、とか、凌辱以外の作品作れよ、いい加減、とか、ネガティブな要素も無いことは無いけど、総合的に見れば文句つけるところはない。こういうソツの無さがジックスらしいし、ロクなことがなかった1999年の最後にこういうエロゲらしいエロゲが出てくれたってのは、少しばかりの救いになった。うむ。
あめいろの季節
2000
鉄砲玉大学生ADV/ゲームA−/精液B+(顔4:口1)
キーワード:確かにオレも子供だが、それにしても・・・。両親の離婚、再婚で血の繋がらない姉、優子とかすみの2人と一緒に暮らす大学生、ゆうじ。実の姉弟のように暮らす3人。そこに離れて暮らす父親から、優子の結婚相手にと紹介された男がやってくる・・・。
ジックスというブランドはDOS時代から長くやっているところなんだけど、昔は何ということもないメーカーだった。それが凌辱オンリーのストーリーと武藤慶次の原画で一気に安定した優良ソフトハウスに成り上がった訳だ。そこにきて、この「あめいろの季節」。本当に久々という感じの武藤慶次以外の原画作品。しかも「純愛」ですよ。非凌辱どころじゃない、純な愛ですよ、これが。ホンマに大丈夫か?さてさて。
ゲームを起動した瞬間に「純愛ラブストーリー」とデカデカと出てくるのには参ったね。最初に「感動SFヒューマンドラマ」ってテロップの出てくる「E.T.」とか見たいですか?こういうことされると余計に不安になるね。何かパケを見てると北海道の豊かな四季を背景にってのがウリになっているみたいだが、基本的に部屋、駅前、大学、河原の4ヶ所でしかイベントがないので東京のドまん中と言われてもあんまり違和感ないぞ。キタキツネが出てきたり、クマがシャケをくわえた置物がいたるところに出てきたり、富良野の山小屋で風力発電を自作するとかしてくれたら北国感覚まる出しだったろうに、もったいない。
と、洗練度は低いんだが、結構シナリオは良かった。このストーリーの最大の目的は達成できていたよ。その目的というのは大きく言えば「姉依存からの自立」なんだが、「自立」の部分はともかく「姉依存」の部分がちゃんと描けていたのでOKだ。但し、その原動力になっていたのは決して心温まるストーリーとかではなく、異常な登場人物同士の関係という形で無理矢理発生させているんだけどね。
この主人公はなかなか良いキャラだ。私も京都の鴨川べりで暮らしている人をかなり見ましたけど、河原が大好物みたいやね、こいつは。何かある度に家を飛び出して河原で泣いてますわ。次女の優子の婚約相手に挨拶されても、大嫌いな父親に会っても、長女のかすみが一人暮らしを始めると聞いた時もとりあえず出奔。河原に行けないときは部屋の宝石箱に隠してある写真を見て泣くという・・・。こいつ幾つや!!でもまあ、最近の現実の若い衆の行動を見てるとまだヒドいのもいるんやけど・・・。優子とのトゥルーエンドでの殺し文句もふるってます。いつものように家を飛び出して失踪、雪降る河原に一人座って、探しに来た優子に対して一言。「こうすれば死ねるかな。」この一言で優子を婚約相手から強奪。かなりのやり手ですわ、これは。迷惑ですなあ。
何にしても姉2人も結構キテるしね。優子も彼氏よりも弟の方の弁当に力を入れて作る弟離れできないヤツやし、その2人をクールに眺めている大人の女と思われていたかすみも、実はゆうじにとてつもない背徳愛を感じていて、毎朝弟の部屋に潜入して匂いを嗅いでから出かけるという変態ぶりを発揮してるし。こういうのってやる人によって好き嫌いすごく分かれそうね。
しかし、このような幼児(同然の男)+ブラコン2人という人間関係のおかげでその固着ぶりが際だって結果的に良かったようにオレは思った。父親や優子の彼氏等周りの人間がプレーヤーからみてこの関係を脅かす憎き外敵にしか見えないし、連中を阻止して3人の世界を守るためには姉とくっつくしかない。それがゲームの推進力になっていた。優子シナリオで彼氏の方に優子を取られた時の悔しさと言ったらなかったね。こういう気持ちになるということはこのシナリオはこれでいいということなんだな、きっと。このシナリオライターさんの負の評判はかなり聞こえてきていたのでどうなるものかと思っていたけど、これは充分満足できる出来になっているぞ。
Hシーンもさすがにジックス、良かった。今回はHシーンのコンセプト的に巨乳専門というゲームなので全員デカ乳。しかし、基本的にアブノーマルなものはナシ。パイズリ、フェラ、普通の性行ですわ。しかし、その全体に漂うラブエロムードは買いだ。優子、かすみとのダブルヒロインとの2回ずつのHではブラコン相手なので当然かなりのラブラブH。特に優子は最初のおとなしさはどこへやら、恋人関係になった途端にドッカン弾けて、「出して出して〜おっぱいにいっぱいかけて〜、イクとこ見てみたい〜!」とかなり積極的なエロエロぶりを発揮。極めて「となりのお姉さん」的な世界が展開されていた。男の受け身Hが好きな人はいい気持ちになれるでしょう。音声もかなりHなんでこれは使えますよっ。CGに関しても全然OK。むしろ何年も武藤慶次絵ばっかり見せられているので新鮮ですらあった。但し、かなり重い上に顔が出てこないアニメはいらなかったと思うがっ?いくら巨乳といっても乳だけがポヨポヨ動いててもなあ。
これがダメだったらジックスは実は安定企業でもなんでもなくてスタッフによって作りにムラがある、単なるアクティブだったってことになるところやったんだけど・・・・。面白かった。淫内感染シリーズと並べてエロ度、汁度は落ちているものの、出来自体はそれほど差はないと思う。後はもうちょっと汁気が欲しかったね。以上です。
ハコてん雀
2000
アニメ脱衣麻雀/ゲームB+/精液C(顔0:口0)
キーワード:どないなっとんねん、キーボー!ひたすら動きまくる脱衣麻雀。
(ある金融業界関係者・46才の嘆き)だーかーらー!
アニメやったら
射精シーン入れんかい!
カタはめるど、ドラァ!「eye’s only」といい、な〜にをチンタラやっとるんや、ほんま!エロでも何でもないギャルのキメシーンとか脱衣シーンに山盛り動画つこて、Hシーン全然いけとらんわ!ただでさえ、武藤慶次の絵は毎回一緒なのに、Hシーンも何や皆一緒やんけ。全然ロマンあらへんわ!ワシのドラ息子もすっかりイキショーチンや!
・・・はい、確かに言うとおりです。麻雀ゲームとして考えたらそこそこできてます?もしかしたら、いい作品なんかも知れまへん?でも、ワイが期待していたもんとは全く違いまんなっ! これ、エロゲとしてはどうかと思いまっせ。たくさん動いているのはええけど、そのエロアニメ、カットごとに見られないんですわ!1シーン通しでしか見られまへんのや。これ、殺生やおまへんか?リモコン持たんでAV見る奴いますか?ここぞというシーンと自分のフィニッシュ、シンクロしたいもんでっしゃろ?只でさえワシ、風俗とセンズリのやり過ぎで遅漏気味やっちゅうに、やりにくううて敵わんわ。あのソニアでも、リピートおますんやで?
ワイ、ZYXさんだけはワシら一般庶民の味方やと思ってましたんや。 まして汁抜きの作品作るなんて、夢にも思いまへんがな。そう思うとムカツキまっせ。ハードディスクに最小でも1.5ギガもバイトを占有されますんや。その割にはエロ度低いでんな。そういえば、AVでも2本組のヤツに限ってつまらんかったりしますわなっ。わっはっはっ!
まあ、ボロクソ言ってしまいましたけどね、ワイ、敢えて叩いてますんや。ZYXさんへの期待の裏返しっちゅうやつでんな。今までZYXさんには散々世話になってますさかい、今回は見逃します・・・。せやけど、次回作は「淫内感染」ネタみたいやから、ちゃんと帳尻合わせて欲しいでんな!「仏の顔も3度まで」って言いますけど、ワイは仏さんやおまへん。許すの1回ですわ。汁が今回無かったんなら、次回はいつもの2倍出してもらわなっ。金融屋でっさかい、そういう損得勘定にはうるさいんです、ワイ。
ホンマ難儀やで、萬田はん。
ところで今日、ランパブどないです?
淫内感染 午前3時の手術室
2000
手術パズルゲーム/ゲームA−/精液B+(顔4:口2:汁すすり1)
キーワード:フェラ音がめちゃくちゃスゴイので、好きな方は是非。今日も大忙しの坂口センセ。ちょっと彼の仕事を体験してみないか?Hばっかりしてる訳じゃないんだぜ!
いよいよ、今世紀も残りわずかとなってしまいました。
皆さん、どのような年の瀬をお過ごしでしょうか?
さて、今世紀の大トリを努めていただきますのは、ご存じ坂口晃先生でございます。
匂いたつそのダンディズムに女性達のハートはもうメロメロ。
思わず、頬ずり、したくなる。
大いに吠えます、喘ぎます。
それでは歌っていただきましょう。
坂口晃で「男アクメのベイブルース」!
おらー!何遍言わせるんじゃぁぁぁ!!
「坂口の声何とかせい」ってユーザーハガキ届いてないんか?!このシリーズは絶対に坂口の声を聞かないと駄目な戒律でもあるんでっか。いや、もうそうだとしか思えないな。頑なに男のあえぎ声聞かせてくるもん。仏の顔も三度までやで。
いや、最初ゲーム起動した時は「すわっ!」と期待したのよ。というのも。前作では「男声OFF」にしたときに、全画面が暗くなってテキストが載ってしまうヴィジュアルノベル形式になってしまって「綺麗な画面を見たければ坂口の声を聴け!」という、とてつもないスクランブルがかかっとる訳です。ところが今作では「男声OFF」にしたらテキストがウィンドウ表示になりました!「やった!」と思ったね、私は。これでようやくHシーンに専念できると!
・・・・ところが。課題をクリアしてHシーンに入ると・・・。
突如画面がヴィジュアルノベル形式に!
やっぱり坂口の呪いがやってくるんじゃ〜!悪魔か、こいつは。やっぱりこいつの声を聞かな綺麗な画面は拝めないぞ。男のアヘ声ほど新世紀にふさわしくないモノはないと思うんだが。なんでこんなにこだわるんだろう・・・。ZYXの社長が声当ててるんか?
ゲーム自体は前の陣取りゲームに比べるとかなり面白いかったんだがなあ。患者の話を聞いて病名を判断し、手術を行う流れは、超簡単なお医者さんごっこ気分を味えます。難易度も低くて良いです。むしろ、もうちょっと難しくてもよかったかな、と思えるぐらい頑張れるゲームですな。こっちは素直に誉められます。
ゲームは違うけど、手応えは「ナースコール」シリーズと全く同じですわ。確かにクオリティ自体は高いと思うけど、3つ連続で同じレベルで出されたら、やっている方としては慣れてしまって、レベルが下がっているように思うもんですわ。特に前作がすごく汁的に良かったから、今回はゲームがおもしろかったとは言え、エロゲ的な評価は落ちざるを得ない。
というか、むしろHシーンはパワーダウンの感あり。新キャラのHも普通だったし、前作で大いに燃えたレギュラーキャラの複数プレイも少なかった。何より汁が薄かったしな!これは使えないわ。使ったけど。
とにかく坂口センセを・・・。
エッチなバニーさんは嫌い?
2001
メイビーADV/ゲームB/精液B+(顔7:口0:)
キーワード:そろそろジックスも・・・。童顔で女の子に間違えられるほどのやさ男の主人公。意中の娘にフラれてすっかりハートブレイクキャノンの彼のもとにバイト募集の新聞記事。男らしくなるため、バイトを決心した彼が早速赴いたレストラン。待っていたのは4人のバニーさんだった・・・。
巨根童顔ショタ受身乱交系ゲーム。純愛ゲーム「あめいろの季節」や「淫内感染」のライト化と、徐々に凌辱方面からラブラブへとシフトし始めたZYXが、一気にメイビー系に進出。これは見たかった!
アルバイト面接でいきなり主人公童貞喪失のオープニングでもわかるように、ゲームはシンプル。とにかく、レストランで適当にウロウロしてそこにいた娘とエロ事をいたすだけでおま。ストーリーらしきものもありますが、まあ、 それはそれとしてお気軽にHしましょう!という内容ですな。
作品モチーフは一応バニーだが、バニーはほとんど絵面だけの問題で、本当のキモはバニーたちの性癖。バニーも露出狂・精液マニア・失禁癖・アナラー(+おもちゃ好き)という四天王。一つのパイ生地で4つの味が楽しめるクオーター&クオーターという感じ。しかも羞恥系寄りのラインナップで、これは期待できるんじゃないかと、思っとりました。ま、もちろんオレの眼中にあるフェチは一つですが。
もうストーリー無視でHシーン狩りに奔走した訳だが、立て続けにHシーンはあるし、ワンプレイも短く、お手軽にできる抜きゲとしては非常に優秀じゃないかと。今までは男の声が消せないだの、アニメを通しでしか観られない等、嫌がらせの抱き合わせ販売を各作品で披露してしまって画竜点睛を欠いてたけど、今回はどこでもセーブ&ロード、アニメの即キャンセル、音声の切り替えなど支援機能は完全。これぞZYXスタンダードという、そつのない出来。
特筆すべきは音声。もう素晴らしいの一言。今や、13cmと並んで音声が最も楽しみなブランドですな。特にフェラ音の唾音に関しては、Dzを楽々越え、もはやお下劣と言ってよいほど盛大にかましてくれてまっさ。しかも13cmと違ってこっちはラブラブ系というのが非常にポイントが高い。やってて恥ずかしくてトロけてしまいますわ。淫語はないけど、良い。とても良い。
と、言うように、「抜きゲ」としてはなかなかの佳作だと思う。しかし、このゲームはフェチゲーム。フェチゲとしてはどうだったか?
オレは汁以外のフェチについてはよくわからん。しかし、汁に関してはフェチゲとしてはダメだと思う。全然ダメ。そもそも肝心要のフィニッシュがダメ。テキストにある射精シーンがCGになってないシーンが多々あるし、量も全然足りない。このゲームは全般的にフィニッシュシーンが少ないが、キャラによっては顔アップの口射シーンで汁を全く描かないものもあった。それはフェチが違うからスルーなのかな?と思っていたら、精液マニアの女相手でも汁がないHシーンを描いているという・・・。どういうつもりやねん?
他のフェチの人にはどうなんかな?ションベン娘のワイングラスへのおもらしシーンでも、減量中のボクサーぐらいチョビっとしか出まへん。これはダメなんじゃないでしょうか?
膣内射精で汁を描かず、垂れてきた精液を舐めるシーンはテキストだけ。何とザーメンサンドイッチを食べるシーンまであって、せっかく喜んで食べているのにCG無し!・・・・九連宝燈テンパイを敢えてピンフで上がるような真似を。中途半端。ザーメンフードみたいなほとんど人が退くシーン作る覚悟があるんやったら、CG入れなさい。そこでCG入れられないんやったら最初からそういうシーン入れないで〜。
ここら辺のセンスよくわからん。テキストに関しては全てのフェチで結構行き届いた描写があると思うんだけど、CGがフツー過ぎる。このギャップがオレには埋められん。全体的なコンセプト・テキストに対して、CGの力の入れる場所が違うんじゃないかと。もし本気でフェチゲーを狙いたいんだったら、挿入シーンを捨ててでも、フェチシーンに廻すべきだと思う。いっちゃあなんだが、山根氏が描こうが武藤氏が描こうが、ZYXのキャラってのは脱いだら皆同じやねん。表情も体つきもZYXはテンプレートがあるのか、というぐらい同じやから。ここで、フェチシーンを入れることで、ワンパターンから抜け出すきっかけになっただろうに。せっかくマグネットコーティングしても、機体がジムでは・・・ゲーム自体は新機軸だったのに絵面の凡庸さがもったいないっすな。
フェチゲというより、フェチっぽいエロゲという訳で、まあここら辺をバーンと飛べないのがZYXらしいといえば、ZYXらしい。そのおかげで間口も広そうだし、商売上はこっちの方がいいのかも知れないな。抜きゲとしてはいい感じなので、お手軽エロが好きな人は買って損はしないと思う。あの音声だけでも充分元は取れる。ほんまに声優が全部やってるんやろか・・・。
ま、ZYXの暗い話ってのは「淫内感染」以外はヌケないものになりそうだし、こういうライト路線・ラブラブ方向への移行は歓迎−。
憑き
2001
隠された欲望ウンヌンADV/ゲームB/精液A(顔18:口7)
キーワード:樹まり子のビデオも本数多いから、何を借りたかよく忘れたよなー。まったくもって平凡で、そして健全な主人公。実の父は死んだが、父の再婚相手の義理の母や姉に囲まれて幸せに暮らす彼だった。そんな彼にふと、「悪意」がとりつく。その黒い衝動は、彼の日常のバランスを次々に崩壊させていく・・。
飽きました!
ジックスに。
もう何もかもが予想の範疇に収まってしまって、何か初めてやったのに前に借りたAVみたいッス。ヌケないよなぁ。今回はそれこそ飽き飽きの武藤慶次じゃなくって山根正宏氏の原画やったんで少しは違うかと思ったけど、「あめいろの季節」の時にはまだ差違を見いだせた山根氏も、今や完璧なジックス絵。武藤慶次とどう違うのかわからない。これも新鮮味に欠けることティファニーのAVのごとしですわ。
とはいえ、今回は前作「Chain」がエロ的に全くのクサクサだったので、その反動なのか、かなりのエロ・オリエンテッドのゲーム。精液CGはもの凄い数。なのに、何でこんなことに・・・。
やはりストーリーがダメ過ぎなのが最大原因。主人公は中途半端に凌辱に手を染めて、何がしたい奴なんか全然わからん。女性達も全く個性なく凌辱されていて、エロシーンが全く盛り上がらない。むしろ、本編見ないでギャラリーモードでCGだけ見ている方がエロいぐらいですわ。要するにテキストがなってない。ストーリーというよりも、テキストの方。ここを本格的にテコ入れした方がいい。毎回ジックスは、キャラが弱くてストーリーだけが漫然と流れていく。ストーリーなんかどーでもいいから、もっとキャラを可愛く見せる努力をしてくれ。今回のゲームは本文でもあったけど、まさに「獲物」でしかないですわ。鹿や鴨と変わらん。
これやったら唯一キャラが立っている「淫内感染」シリーズを延々とやってもらった方が、個人的にはまだいいっス。特にジックスの凌辱モノはもう可能性を感じないわ。しばらく休んで、最近では最も可能性を感じた「バニー」みたいな路線で新機軸を模索しては?何しろ、ジックスのオフィシャルサイトのアンケートを見ても、和姦の方がいいという票の方が多いやないか。凌辱で名をあげたブランドのユーザー投票とは思えないですなぁ。
まあ、このレビューは参考にならないと思いますが。この作品が初めてのエロゲ、もしくは初めてのジックス作品って方がやったのなら、全く話は別じゃないでしょうか。エロだけをみたらパラメータ揃ってるし。でも、「淫内感染」以来ほとんどの作品をプレイしたボクとしては、4年間ここまで変わらないと全てが既視感に溢れていて全くダメですわー。え?次回作はロープレ?んで、また武藤慶次?むーん。
淫内感染 深夜に響くポン・ちん・カン
2002
メガネ男麻雀ゲーム/ゲームB/精液B+(顔7:口1)
キーワード:インモラルスタディの末に精液をコップに出すシーンには!「淫内感染」のノベルティソフト。宿直室に陣取った坂口センセが麻雀卓を傍らに奴隷達を呼び出す。負けたらもちろん、おしおきが・・・。
シリーズ開始から5年。
どれもこれも同じような手触りの作品を作るジックスで、今や唯一のキャラものになった感のある「淫感」。ここの作品はかなりやっているつもりのオレだが、ジックスの作品でキャラクターの名前を覚えているのは「クレイジーナックル」と「淫感」のみ。そして、本編は2作しかないのにもう既に4本目のノベルティソフトとなる本作は脱衣麻雀。何の前フリもなく坂口センセが女の子達を呼び出し麻雀を強制するという、非常にてっとり早い作品だ。
今回も目立つのが、ノベルティソフトならではの本編の世界観をどんどん無視して進んでいくまったりムード。もう4本も続けられると、どっちが本当の「淫感」世界なのかわからん。この作品ではシリーズでもっとも緊張感のない男女関係が繰り広げられている。牝奴隷達は、どいつもこいつも古女房のような顔でやってきますわい。
「へっへっへっ!負けたら服を脱いでもらうぜ!」
「あんたも相変わらずそういうの好きねぇ」
というノリでおますよ。これじゃ、恋人同士とかわらん。そして、坂口センセもまったりハーレムのなかでヘラヘラと女と乳繰りあうことに無情の喜びを感じているようだ。坂口センセは女の子を喜んでいる顔が見たいの?苦しんでいる顔が見たいの?何だか「淫感」の1だったらバッドエンドになりそうなキバをなくした状況が、全編を通じて垂れ流し。
しかし、オレが「淫内感染」シリーズを今に至るまでプレイし続けられているのは、何を隠そう、そういうノベルティでのダラーっとした雰囲気が気に入ったからなのだ。「淫内感染2」以降明らかになった「実は女に生かされている坂口センセ」という女性上位の構造。そして、この作品では主人と奴隷という関係は完全に消滅。むしろ、主人が奴隷に遊んでもらっている状態。「まほろまてぃっく」等のメイドものの名前を借りた乳母ものに親和性を感じているオレとしては、ダメ男が牝奴隷という名の乳母に世話されるこの雰囲気は非常に甘美ダス。
そして、エロシーンも今や和姦同然。全く心が痛まないラブエロになったので個人的にはかなり好ましい感じに。ま、例によって例のごとくなエロシーンなんだが・・・さすがに「淫感」はキャラが立っているので、他のジックス作品に比べるとエロ度は遙かに高い。「憑き」はもうワンパターンで飽き飽きだったもんなあ。これでこそ汁も生きているというもの。2人を除いて全キャラに顔射か口射があり、しかも汁シーンは全て顔アップというなかなか汁に関してはイカした感じ。音声も相変わらず爆フェラ音でめちゃくちゃエロい。エロシーンに関しては「優」ですわい。ただ、顔射アニメがないってのは残念・・・アニメも毎回同じってのもそろそろ改善してほすぃ・・・。
しかし、エロシーンがナンぼ良くても、またもやユーザーインターフェース最悪で台無しなんですがっ。今回、初めて坂口の声をOFFにしても弊害が出ないようになった。これはもう最高。しかし、声をONにするとメッセージウィンドウが消えてしまうのは変わっていない。テキストと音声を同時に出せないのだ、これは不便至極。いつセリフが終わるのか全然わからんぞ!そして何より、回想シーンが脱衣→Hシーンというフルシーケンスでしか見られない。最後のエロを見るために6回分の脱衣シーンを延々と見せられるのだ。「ハコてん雀」でコリろよ! これじゃ、コンプ後のエロ本としての価値が著しく下がってしまう・・・。どうしてジックスのノベルティものっていつもこうなんだ?「淫感」の本編では至れり尽くせりの支援システムがあるというのになぁっ。
結論としては、エロ本として使いにくいのは致命的だが、オレ「は」好きだね。
ただ、これはもう鬼畜という世界の遙か彼方にある作品で「淫内感染」のどういう部分に魅力を感じているかで大きく評価が分かれそうな作品だ。これ以降、「淫感」シリーズが続いていくとしたら、どういうベクトルでやっていくかということは考えどころだと思う。今やノベルティの世界観の方が「本流」で本編が「傍流」の感すらある。ここまで進行してしまった坂口と牝奴隷達の関係をもう一度鬼畜ムードに戻してしっくりくるだろうか・・・。「淫感」フリークの人々(いるのか?)はどういう路線を望んでいるんだろうかね〜。しかし、ジックスがここで一気にラブエロにできるとは思えないからやっぱりこのまま雪崩式に進んでいくのでしょうね・・・。
淫内感染 終わらぬ宴のナースコール
2003
陣取りアクション媚薬ゲーム/ゲームB/精液B+(顔9[うち顔アップ6]:口0)
キーワード:武藤絵も多少ヘタれてきたかなぁまたぞろ「淫内感染」のノベルティソフト。中身は今までのものと同じ。
なんつうか、フォスター作品と変わらんようになってきたな。
俺のなかでは。
まー確かに非向上心系の権化・「花の記憶」、あるいは近年のVIPERなんかと比べたら、遙かに遙かに遙かに良くできた作品ではあるんだけれども・・・・・余りにも変わらない。余〜りにもっ。このノベルティシリーズが最初に発売された98年当時はこの作品、なかなかいい出来だった。いや、かなりいい出来だったと思う。しかし、2003年までほぼ毎年新作を出して、本作で5作目。そして、それが全く大した進化もなく続いているとなれば、むしろ後退と思うのは当然ではなかろうかと。99年当時ではナンボ最先端やったか知らないけど、「ファイナルファンタジーVIII」がそれから毎年出たらやっぱ「ちょっとは変われ」と思うでしょう。
確かにやってる行為は多少変わってきてはいる。アニメ技術も向上している。でも、このシリーズのHシーンを全部集めてシャッフルされたらどれがどれかさっぱりわからんようになるのではないだろうか。せいぜい、それぐらいの違いなんだ。しかも、直して欲しいところ全然直ってないし。ユーザーインターフェースはいつになったら改善されるのだろう〜。音声をありにしたらテキストが出なくなってしまうとか、回想モードで1つのHシーンを頭から最後までスキップなしで延々と見ないといけない等。「淫内感染」本編では余裕でできることがノベルティではできない。ノベルティとはいわばファンサービス的な作品であり、加えてこの作品は「お手軽にゲームができ、お手軽にHが見られる」ということを指向しているのに、この致命的な使い勝手の悪さ。元々ジックスというのはそういう部分で非常にユーザーに優しいところがあると思っているだけに、この淫感ノベルティシリーズの不親切さが余計に際だつ。本編を全く出さないで延々とノベルティを出しているというのも相まって、何か全体的にずぼら感が漂うんだわな。また射精アニメなかったぞー!
とはいえ、これも毎度言ってるけど、これはずっとここの作品をプレイし続けていた輩の意見であって、これが初めてのエロゲ、もしくは初めてのジックス作品というのであれば、十分に楽しめる作品ではあると思われます(フォローのつもりか?)ふんだんにHはあるし、アニメがあり、音声もいい、ゲームもそれなりに楽しい。しかし、何というか、にもかかわらず地味なのも確かだが。最近、俺のなかでジックスというブランドそのものからオーラが消えつつあって、淫感シリーズといえどもそのムードの影響を受けずにはいられなかったかという感じがある。ただ、それでも「淫感」シリーズは明らかにジックスの他作品と違う輝きがある。キャラがあるのでHシーンでも抜ける。それだけに今回のノベルティももうちょっと気合い入れてくれなかったかなぁと思う訳だ。今回の新機軸Hはほとんどザコキャラがやっとる。で、メイン中のメイン、弘子はちぃとも激しいことやってくれんのよ。これじゃあイカンやろ。メガネやオバハンがなんぼ頑張ったところで!弘子と佳織だけでやってくれてもええぐらいやわ。
このレビューのすぐ上にあるレビューでは結構好意的でありながら、次の作品ではこの辛口ぶり。ユーザーってのは勝手なもんでございますな。せっかくいい作品作れる力があるのに、どうしてこんなに毎回変わらない手触りになっちゃうんだろうね。まあ、大きな原因の一つは絵だと思うけど。武藤慶次氏を原画に使っている限りジックスはこのままだとは思う。武藤氏の絵はずっと前から完成されていて、結果、もうどんなキャラが出てきても同じにしか見えん。もう一人のエース、山根氏もすっかりジックス臭バリバリの絵柄になってしまったし、ウィスパーとスイートキッスぐらいの違いしかなく、とにかく新鮮味がない。両氏がダメという訳じゃない、実力十分だと思う。しかし、良い素材も料理法が延々一緒じゃ飽きてくる。これで業績がしっかり上がっているなら別にいいけど、そろそろ原画家かコンセプトの大幅な見直しも必要かとも思う。キャラが立たないのがいつも問題だから、いっそ「ぺろぺろCANDY」みたいな1人掘り下げ系のラブラブHゲーでも作ってみたらどうかな。