ALSとは

myotrophic ateral clerosisnの略

(難病 筋萎縮性側索硬化症)



筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)は、運動をつかさどる神経を侵し、筋肉を萎縮
させる、進行性神経疾患です。患者やその家族にとって、受け入れるには最も厳し
い病気のひとつであると言われています。

ALSは、現在に至っても、治療法も、進行をおさえる医学的対処法も無いと言わ
れています。しかし、最近、ALSの進行を遅らせた、もしくは、遅らせるだろうと言
われる薬が開発されており、臨床試験が行われています。

ALSは、腕の筋肉、脚の筋肉、姿勢を保つ筋肉、顔の筋肉、舌の筋肉、話す筋
肉、ものを飲み込む筋肉、および、最終的には呼吸する筋肉を侵します。また、
時期に逸した、または過度の情緒的反応といった感情面にも影響を及ぼします。
しかし、思考能力、知性、感覚/触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、目の動き、自律
筋の心臓、便通、膀胱、性的機能といったものは影響を受けません。

ALSは、一年に10万人に1人の割合でかかる病気と言われている、非常に珍し
い病気です。また、40歳以上で、かつ、女性よりも男性の方がやや多くかかると
も言われています。一般的な死因は呼吸困難で、生存期間は、病気の進行(症状
の進行の順番)と同様、多様で、確定できませんが、医学書では、平均的には3か
ら5年、患者の5年後の生存率が20%と書かれています。

しかし、生存年数に達したから死ぬという訳ではないことを、ここで明確にしておき
ます。まず第一に、これらの数字は、何千人かの平均値であって、患者個々が、
どうなると言っている訳ではありません。進行は個々によって違いますし、知らな
い間に進行の止まる人や、長い期間生存している人がいるという報告もあります。
また、医学の進歩で、胃ろうや家庭用呼吸器等を使うことによって、生存期間の
長さが延びただけでなく、生活の質も良くなっています。諦めたり、投げやりにな
ったりせずに、やすらかな心の状態を保つことが、病気の治癒にとって、大事な
事だと思います。