「みんなで考えよう渡良瀬遊水池の賢明な利用」シンポジュウム開催

                       日本野鳥の会会長 柳生 博さん  シンポ開催の挨拶
                    シンポ開催前の遊水池の視察で    小山の環境を考える市民の会
                        「よくぞ残ってくれた宝物。感激した。」  代表 楠 さん
                        と!   
                        

                           第1部 柳生博さんに聞く「コウノトリの舞う里」で日本
                             野鳥の会栃木県支部の高松さんの質問に答えてコウノトリ
                             の大きさを俳優らしく聞き手の太田 裕美さん(NPO法人
                             オオタカ保護基金)と2人がかりで
演技される様子が、ユニーク
                             でさらに信憑性を高めていました。

                            
  
               第2部 パネルディスカッションではパネリストとして柳生博さんのほか冬の水張り水田で真がん呼び寄せ
               ラムサール条約登録地にするのに活躍された蕪栗ぬまっこクラブ理事長の千葉さんや日本野鳥の会栃木県
               支部長の河地さん、世界自然保護基金日本委員会の花輪さんなどの専門家と遊水池を管轄する国交省利根川
               上流河川事務所所長の田所さんを浅野さん(渡良瀬遊水池をラムサール登録地にする会事務局長)がコーディ
               ネートして議論と意見の交換が行われました。

               
            
             
 第1部では日本では自然環境にかかわる対応は西洋とは大きく異なり常に人間は自然環境と
              折り合いをつけて活用してきたとの経緯を述べ、コウノトリの里、豊岡ではコウノトリ野生復帰活動は
              市民、農業、行政が一体となった取組と、特に市民の何としてもとの強い熱意が成功の鍵であった
              との話をされ単に自然環境が保たれていることばかりが必要な条件でなく地元の人々のかかわりあい
              が重要であることを強調された。また自分が鳥になった立場で鳥瞰的に環境を見たらもっと湿地と水辺
              などの配慮が必要であるが、やがてコウノトリが飛来したり住み着く可能性は大きいことを強調された。

             
 第2部ではそれぞれの専門分野や立場からいろいろな議論と意見が述べられました。
              特に宮城県の蕪栗ぬまっこクラブの千葉さんは自分が反対から推進の立場になって活動した経緯と
              「ラムサール条約登録は目的ではなく、農業など地元と共生する手段であった。」などと話され渡良瀬
              地元の農業関係者との今後の情報交換が期待できるものであった。
              また日本野鳥の会の河地さんからは湿地を再生し歴史と自然まるごと博物館のエコミュージアム構想
             「コウノトリの舞う渡良瀬に」が提案され、世界自然保護基金日本委員会の花輪さんはラムサール条約
              の基本的な精神と日本の過剰な基準の厳しすぎさを緩和すべきではとの意見そして国交省の田所さん
              からは「治水と湿地再生は対立しない。意見を聞きながら双方を達成させたい。」との意見が述べられた。
              
               今回のシンポジュウムではラムサール条約の基本精神の「賢明な利用」を考えれば登録と治水は対立
              するものではなく両立するものであることが確認できた良い機会であった。
              今後は、さらに地元と意見交換しながら一歩一歩目標を達成する努力を重ねていきたい。
              「守りたい、美しく、いのちあふれる日本の湿地」を目指して!
              
              (備考)写真は日本野鳥の会栃木県支部から提供を受けました。   
        
       
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