撮影地:エアーズ・ロック Ayers Rock, サンライズ

● 巨岩の影
ウルルのサンセット・ビューイング・エリア、夕暮れ時の賑わいが嘘のように、夜明け前はひっそりと静まっている。朝陽がウルルの巨大な姿を浮かび上げた。ワシの周囲360度をすっぽりと覆っていた天球に朝と夜の境界が走る。朝の領域の地平には淡い紫の光が滲む。日の出、日の入りの頃に現れるこの光彩を見る時、自然の作り出す色相の豊かさに恍惚となる。天使の絵の具か、神々の色鉛筆か、一日のほんの一瞬、自然は素晴らしい芸術を披露する。誕生以来、ウルルはいったいどれだけこの光景に立ち会ってきたのだろう。巨岩は何も語らない。しかし、我々がウルルから感じる"何か"は、気の遠くなるほど長きに渡って、神々の営みを見続けてきたウルル魂なのかもしれない。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF Zoom Nikkor 28-85mm F3.5-F4.5S,
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ F8
Uluru Sunset Viewing Area, Uluru/Kata Tjuta NP, Northern Territory
October, 2001

2002.03.25 掲載
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