撮影地:Lake Eyer(レークエア)、ウナダッタトラック(ウードナドッタ) Oodnadatta

● 幻の内海
エア湖の面積は9,700km2、オーストラリア大陸最大の湖であり、青森県の面積に匹敵する。長さ144km、幅77km、ゴイダー海峡 Goyder Channelという狭い水路を境に北をレーク・エア・ノース Lake Eyer North、南をレーク・エア・サウス Lake Eyer Southと呼ぶ。通常はご覧の通り、乾いた湖底を熱風に曝しているが、エア湖に注ぐ川の流域(クイーンズランド中西部)に降雨があると、湖に水が流れ込む。尤も、エア湖にたどり着く前にほとんどの水は蒸発してしてしまうようであるが...。ちなみに過去150年間に湖が満水になったのは僅かに3度。余談ではあるが、川は海に注ぐものという日本人的発想からすると、内陸の湖をその流れの終点とする川が存在することだけでもワシの思考の尺度を超えている。話を戻そう。満水には至らなくとも、湖に水が注ぐと環境は一変する。どこからともなく水鳥が現れ、多くのペリカンや、驚くことにカモメまでが湖で翼を休めるそうだ。勿論、植物も昆虫も、この時を待ってましたとばかり、一気に生命の爆発が起きる。まさに19世紀の探検家達が夢見た「幻の内海」が出現するのだ。残念ながら今回、岸辺から水を目にすることはなかった。この荒涼とした環境が一変しペリカンの大群が憩う様、探検家達の夢が再現する時、満水を50年待つ価値は十分にありそうだ。

Nikon F5A with MF-28,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ F8
1.0 EV Exposure compensated
ABC Bay, Lake Eyre North, South Australia
October, 2001

2002.07.24 掲載
2002.12.19 アクセス解析対応