撮影地:グールワ郊外、クーロン Coorong マレー河下流域(南オーストラリア)

● クーロンにて

マレー河の最下流にある巨大な潟をクーロン Coorongと呼ぶ。大陸本土と平行する150キロに及ぶ長大な砂州により外海と隔てられ、マレー河の水流と、砂州の唯一の切れ目であるマレー河口からの海水の流入により細長い塩湖を形成する。日本のサロマ湖を大きく、細長くしたものと言えばイメージしやすいかもしれない。ラムサール条約で指定を受けた水鳥の宝庫として名高い。シベリアや日本からの渡り鳥も飛来するし、オーストラリア最大のペリカン繁殖地でもある。これだけの集団は他では見たことがない。巨鳥の集う様子は一種圧巻である。ダムの建設や灌漑用水の採取によるマレー河水量の激減により、環境の悪化が進行している。ボートで案内してくれた老人が言った、「昔はペリカンの数もこんなもんじゃなかった」。一見豊かに見えるオーストラリアの自然も環境破壊の例外ではない。


Nikon F4 with MF-23,
Ai AF Nikkor 180mm F2.8S (IF),
Fujichrome PROVIA ISO 100 (RDP II)
Aperture-Priority Auto @ F2.8
Coorong, Goolwa, South Australia
March, 2000

2001.05.09 掲載
2003.11.14 レイアウト変更・アクセス解析対応