撮影地:南十字星(バングルバングル) 西オーストラリア、石炭袋

●  星の舞う夜
キャンプ地は秘境バングルバングル。何かに導かれるように夜中に目覚め外に出た。見上げると、全天を埋め尽くした星々は、ただそこに輝くだけでは飽き足らず、嵐のように乱舞していた。"星の舞う夜"である。そう見えるほど星の密度が濃く、その瞬きが幾千万見て取れたのだ。星を眺めるに最高の条件が整ったのであろう。眠気も吹き飛びワシは星の渦の下に立ち尽くした。翌日は早い時間からカメラをセットして星の嵐を狙った。しかし、自然はそんなに甘くない。昨日見せてくれた姿を今日も見せることなんてまずないのだ。昨夜に比べて雲が多い。"今"撮らなければ、"次"には撮れないという鉄則を改めて痛感する。6時間の露光でできあがったのがこの写 真、雲が流れた部分がかすれてハードディスクの断片化(フラグメンテーション)のようである。この夜は星が舞わずに雲が舞った。

Nikon F4 with MF-23,
Ai'D Fisheye Nikkor 16mm F3.5
Fujichrome PROVIA ISO 100 (RDP II)
BULB (6 hours) @ F3.5
Walardi Camp Site, Purnululu National Park, Western Australia
May, 2000

2001.02.26 掲載
2002.01.10 レイアウト変更・写真拡大

2003.02.21 レイアウト変更・アクセス解析対応