嵐の季節（その2）--カカドゥ国立公園

このカットを撮っていよいよ夕陽も本番という時に、滝のような雨が降り出した。一気に天の底が抜けたような降り方だ。ちょっと我慢してやり過ごせばというような甘っちょろいものではない。不用意にも機材を雨滴から保護するビニールを持参していなかったワシに退去以外の選択肢はなかった。訪れたことのある方々はご存知と思うが、ここから駐車場までは結構な距離がある。カメラ二台にレンズ数本と三脚を抱え、滝のような雨の中を走った。最後の200mほどは息も絶え絶え、夢中で「頑張れ、頑張れ」と叫んでいた。ようやく車に辿り着いた時には人間もカメラもずぶ濡れ、しかしながら我がニコンは何もなかったかのように動いてくれた。「よかった！」、しかし、ほっとしたのも束の間、空の機嫌はますます悪くなり、雨ばかりか雷までも降り出した。キャンプ場までの道中も凄まじい雨で視界は真っ白、久しぶりに遭遇したサンダー・ストーム。果たしてワシの運命や如何に。以下、次ページへ続く。

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