撮影地:デイントゥリー、クイーンズランド

● デイントゥリー・リバー
マングローブショウビン Mangrove Kingfisher(カワセミの仲間)を求めてデイントゥリー・リバーに小舟を出した。長さ160kmの短い川であるが、自然の密度は圧倒的である。両岸を覆うマングローブの密林を眺め、深く複雑に入り組んだ水路を走り、ワシは船頭に声をかけた、「この川は生きている」と。「その通り、だから俺はアメリカから引っ越して来たのさ」、「マレー河のように管理された河とは違うんだ」、おっしゃる通りである。ここでは川は好きなように流れ、生き物は好きなように暮らしている。残念ながら、あたりまえのことがこの地球では貴重になってしまっているのだ。船頭のおやじは予定の時間を大幅に超えても、カワセミを求めてあちこちに移動してくれた。結局成果は二羽を発見。「腹がへったからそろそろ帰ろう、まだ朝飯を食ってない」、腹時計で仕事をするこのおやじも貴重な存在だ。カワセミの写真はうまく撮れなかったが、貴重なものに触れたリバークルーズ、「また来いよ」と言うおやじに「もちろんさ」と答えた。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D (IF),
Fujichrome Velvia ISO 50 (RVP)
Aperture-Priority Auto @ F11
Daintree River, Cape Tribulation NP, Queensland
September, 2001

2002.06.20掲載
2002.10.30 アクセス解析対応