撮影地:デイントゥリー

● クツワアメガエル
彼の名前はWhite Lipped Green Tree Frog、日本語に訳すとシロクチモリアオガエルとなるが、和名はクツワアメガエルと呼ぶそうだ。全長は最大15cmに達し、オーストラリア最大のカエルの一つであるとともに、モリアオガエルの仲間としては世界最大である。寿命も長く、15年近く生きると聞いた。尤も、厳しい自然界において天寿を全うする個体は極めて少ない。この個体は10cm以上あったので、様々な天敵や人災を乗り越えて来た歴戦の勇士というところか。分布はヨーク岬半島 Cape York Peninsularからニューギニアに及ぶ。クツワアメガエルにとどまらず、ヨーク岬半島とニューギニアには他にも共通の種が多く見られる。海を隔てたニューギニアに同じ種が生息するということは、かって大陸と繋がっていたということだろうか。実際、ここディントゥリーからニューギニアはシドニーよりはるかに近く、ケアンズからの帰国便は、あっと言う間にニューギニアのポート・モレスビー上空に達する。ディントゥリーで出会った大きなカエルは高校の地学で習った"大陸移動説"やら"プレートテクトニクス"の生き証人なのかもしれない。

Nikon F4 with MF-23,
Ai AF Micro Nikkor ED 200mm F4D (IF),
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)
Aperture-Priority Auto @ F32
Red Mill House B&B, Daintree, Tropical Far North Queensland
September, 2001

2002.07.02掲載
2003.05.15 アクセス解析対応