撮影地:カルンバ(カーペンタリア湾)

● カルンバの印象
カルンバ Karumbaはカーペンタリア湾に面した人口500人ほどの小さな街。ノーマン川 Norman Riverがカーペンタリア湾に注ぐ直前の東岸に位置する。街は一般にカルンバと呼ばれる市街と更に海寄りのカルンバ・ポイント Karumba Pointに分かれる。鉱物の巨大な積み出し施設が目を引く前者は産業エリアの臭いが強く、ラスト・フロンティアを思い描いてやってきたワシには、そのたたずまいは少々意外に写った。カルンバ・ポイントに移動してそこで初めてカーペンタリア湾を目にした。青に灰を混ぜたような色、決してきれいな色ではない。それは最初からわかっていたこと、それよりもとうとうここまで来たという思いにしばし溺れた。目を転じると海沿いに立派なレストランが建ち、観光客が談笑している。もはや"ラスト・フロンティア"の名前はここにはあてはまるまい。しかし、失望することはない、果ての海が琥珀色に染まり、マングローブが影に浮かぶ僅かな時間、バークとウィルズが挑んだフロンティアが蘇る。今も昔も変わりなく、カルンバの印象は夕陽とマングローブである。

Nikon F5A with MF-28,
Ai AF VR Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D,
Fujichrome PROVIA 100F (RDP III)

Aperture-Priority Auto @ F11
Karumba Point, Gulf Savannah, Queensland
October, 2001

2002.09.17 掲載