戸惑うジャビル--カカドゥ国立公園

イエロー・ウォーター・クルーズ、左舷の乗客から歓声が上がる。ボートの右端に座っていたワシは立ち上がってその方向を見た。ジャビル Jabiru (Black-necked Stork)が見事な大ナマズを捕らえた瞬間だ。さすがにこの大きさになると一呑みというわけには行かず、獲物を捕らえたジャビル自身が「どうしたものか？」と当惑しているように見える。イエロー・ウォーターに潜るとこのような大ナマズがいくらでもいるのだろう。だからこそ、ジャビルを始め大形の鳥が生存していける。当然、ナマズに捕食される小さな生き物もいる。多くの捕食者を支えるに足りる膨大な生命がここにはある。命の氾濫、戸惑うジャビルにカカドゥの織りなす巨大な生態系を垣間見た。