ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第74回 (2000年8月24日放送)


<オープニング>
 
T「今日はゲストにホッチャレーベルの小林ヒロユキ氏が来ております。」

M-01.R&R/オリジナルラヴ

<近況>
 ここんとこプロモーションで自分のアウトプットばっかりずーっと使ってたん
で、これからしばらくはインプット生活にまた入りたいなあと思っています。い
ろんな音楽聴いたりいろんな映画観たりやっぱりたくさんずっとしないといろい
ろなイメージ湧いてこないもんでありまして。6月7月は休みが一日もありません
でしたね。もうーーっ凄いスケジュールでした今回。大変だった訳で。レコード
もその2ヶ月間殆ど買えませんでですね、僕にとってはかなり珍しい事です。本
もなかなか読めなくて…ホームページの日記もたくさん更新しようと思ってたん
ですけど殆どそういう時間も無くて…自分のアウトプットをたくさんいろいろ出
しまくったような感じなんで、ちょっと本読んだり映画観たり今ゆっくりしたい
なあと思ってる時期でもある訳なんですがなかなかそうもいかなくてね。先週も
言いましたけども、曲をいろんなアーティストから依頼されてるんでそれをやら
なきゃいけないんで…そういった事もやりつつ観たかった映画観に行こうかなあ
と思っている訳ですが。

 皆さん夏休みはいかが過ごしているんでしょうか。僕は夏休み無しで…もうホ
ントに。ま、忙しい事はこの時代ありがたい事でもありますけどちょっとね。仕
事に燃えている!仕方なくみたいな(笑)。尚かつ楽しく燃えている。仕方なく
楽しく燃えている…ちょっとバッドかなそれ(笑)。でも仕事は好きですんでね。
忙しいのも非常に好きなんで頑張ってますが。皆さん夏休みはずっとゆっくり…
あとわずかですんでね、楽しんで頂きたいなあと。お節介でしょうが(笑)そう
思わして下さい!みたいな感じですけど(笑)。

<今週のリコメンド>
 今週もニューアルバム「ビッグクランチ」から2曲かけたいと思います。

M-02.地球独楽/オリジナルラヴ
M-03.ショウマン/オリジナルラヴ

<談話室バースト!>
ゲスト:小林ヒロユキ(以下K)

・仕事あってのこの商売。
T「今日のお客様はお馴染みホッチャレーベルの小林ヒロユキさん!」
K「どうもこんにちは!また呼んで頂いてありがとうございます。」
T「いやいや。いろいろ忙しいそうで。」
K「この暑い中駆けずり廻ってます。田島さん程ではないですけど(笑)。」
T「いやいや(笑)僕も忙しいすけどねえ小林さんも…」
K「なかなかねホントに。太陽背に受けて毎日孤独な戦いを繰り広げてますが。」
T「(笑)。まあでも忙しいのはほら嬉しいですよこの時代。」
K「ありがたい事ですけどね仕事があるって事は。」
T「ホントに。なんて納得の仕方をしつつ(笑)。」
K「大人っぽい話しをしました(笑)。」

***
・羅針盤、HAPPY END を指す。
T「で、今日は…これ括りとかあるんですか?今回いろいろ曲持ってきて頂きま
 したけど。」
K「まあ、歌モノってところで括ってんですけど。大阪にまた新しいシーンが出
 来てて。」
T「大阪ね。大阪はでもやっぱり音楽的にいいね。カルチャーがあるなあと思い
 ますね。」
K「東京とはまた違った色がありますね。」
T「そうですね。僕ビッグクランチのプロモーションで全国ガンガンいろんなと
 こ行ってきたんですけど、大阪と京都かなあ。というのはやっぱり凄い文化の
 香りがしましたねえ。音楽いろいろあるんだなあ、そういった物を聴いて面白
 がる雑誌もあるし、何かいろいろあるなあっていう風に思ったんですけど。」
K「サブカルチャーの色がまたありますよね。」
T「あるある!」
K「もう上田正樹の時代から…最近で言うとボアダムズ。」
T「ボアとかあのへんの影響ってのは大きいですね。」
K「今日はボアダムス以降90年後半から2000年にかけての新しいムーブメントを。
 みんな歌モノなんですけど微妙にちょっとズレてんですよね(笑)。」
T「ズレた歌モノ。うんうんうん。」
K「歌がヘタとかそういうものでもなくて、西海岸っぽい乾いた感じのサイケだ
 ったり、かつて70年代にはっぴいえんどとかが目指してたようなちょっとフォ
 ーキーなスワンプな感じを今の時代にリバイバルさしてる…それをボアダムス
 まわりの人間がやってるってのがちょっと面白くて。」
T「山本精一さんの羅針盤ですよね?」
K「そうですね。」
T「このアルバムは面白かったよ。聴いたけどビンビン。こういう…なるほどと
 思ったというか…こういう繋がり方をするんだと。」
K「彼の中で恐らくボアも羅針盤も繋がってると思うんですよね。そういう所が
 多分僕が興味があったりとかして。」
T「では早速聴いてみましょうかね。羅針盤の…これアルバムタイトルは?」
K「ソングラインっていう。」

M-04.がれきの空(『ソングライン』より)/羅針盤

T「いい曲だね。あのー歌詞はでもあれですねちょっとジャックスとかさ(笑)
 昔の早川義夫さんちょっと入ってるみたいな…そういう懐かし新しいという
 か。」
K「懐かし新しい…丁度ジムオルークの『ユリイカ』みたいな…あんなノリも
 あるかもしれませんね。」
T「ああーなるほどね。」
K「やっぱ国内のアーティストがジムオルークに影響…てか結構励まされてやっ
 てる感じも出てきましたね。元から山本さんは羅針盤やってるんですけどね。
 その質感っていうか、始めの音響処理みたいなところとか。」
T「ねえ。スリルジョッキーっぽいし。」
K「とか言いながらあの人フジロックではROVOでギターバキバキに弾いてて。」
T「あ、そうですか。ROVO…トランスみたいな感じでまたやってました?」
K「ええ。人力ドラムンベースっていうか人力ブレイクビーツみたいな(笑)。
 凄い良かったですけどね。」

***
・関係各位、フジに集う。
T「フジロックは何観て来たの?」
K「僕はASA-CHANG&巡礼って…朝倉さんってパーカッショニストの…」
T「あさちゃんってあのスカパラだったあさちゃん?」
K「ええ。朝倉さんをあるキッカケでリリースする運びになりまして。彼が頭2日
 出っぱなしでやってたもんで。お客さんをどんだけ湧かしてるのかなあ?と思
 って観たら、全てのステージより遙か…なんかあるんですよ、アンビエントス
 テージみたいなのが。その遙か凄い奥地でですね、パーカッションパカパカ叩
 きながら(笑)。微妙に凄い存在感出してて面白かったです。たまには行って
 みるといいかもしれないですねああいう所。僕はあんまり興味無かったんです
 けど。時々行くと凄く…」
T「あー。なんかムーグさんとかも出たんだよね?」
K「バッファロー達も出ましたね。」
T「コウ君(L?K?O)もねOOIOOで行って来てましたね。平井君もブンブンで出て
 盛り上がったって言ってましたね。」
K「結構知ってるバンド何バンドか出てて面白かったですね。」

***
・オオサカ・アンダーグラウンド。
T「はい。で、次は?」
K「渚にて。」
T「これはグループ名?」
K「はい。というか今2人のデュオなんですけども、最近ジムオルークバンドの
 ドラマーも加入して、さっきの羅針盤からの流れというか大阪のアンダーグラ
 ウンド歌モノ…3大歌モノバンドってのがあって。羅針盤/渚にて/ラブクライ
 っていうその3つが一応今の新進気鋭の。」
T「あーそんなんですか。じゃちょっと聴いてみましょう。」

M-05.彼女のはなし/渚にて

K「フォーキーというか。」
T「これドラムが何?ジムオルークのバンドの人なの?」
K「いや、この次から…今はセッションドラマーなんですけど、次今新作を録音し
 てる最中なんですけど、それに参加してます。国内ツアーもそれでするとか。」
T「へえー。」
K「丁度だからあれですよねなんかニールヤングの初期の頃の感じ。何でまた…」
T「そうね。うまく言うとね(笑)。」
K「そう(笑)、だからサニーディサービスとかとまた違った意味で大阪でポコっ
 と出て来てんのが微妙なんですね。」
T「なるほど。いろいろあるんだこういう歌モノのバンド今。」
K「流行ってる訳じゃないですけど、やっぱ羅針盤を筆頭に出てきてますね。東京
 とはまた違った動きで面白いですね。」

***
・ぼや〜っとした感じで。
T「じゃあ、ラブクライ。もう一個のね。」
K「それはもう若手ですね。若手っても28、29なんですけど。『ベアーズ』ってい
 う大阪のライブハウスがあって、そこらへんでローファイムーブメントん時に、
 ノイズがピチュ〜ッ!ってやってた人達が集まって歌モノやろうって言って…
 集まったバンドですね。」

M-06.コスモスデッド/ラブクライ


K「こういうぼや〜っとした感じです(笑)。また歌が微妙に下手な所がね、
 いいんですよこういうのは。」
T「(笑)。リズムも全体的にねだんだん遅くなっていく…」
K「そう、ユルーイ感じのね。」
T「(笑)。まあでも共通したムードはありますね。」
K「ムードはあるんですよね。これをうまく言葉で表すものが無いという(笑)。
 何なんでしょうか?モヤモヤしてるんですよね。」
T「ナードフォークとかね(笑)ワカランけど。」
K「(笑)。でもね、本人達相当悪い人達ですよ。何か不良が集まってる感じ
 なんですよね。」
T「へえー。」
K「元々みんなそのアバンギャルドミュージックやってた人達なんで。ちょっと
 面白いですよね。」
T「なるほどね。」

***
・ネジのハズれたアコースティック。
T「はい。じゃあ最後。」
K「最後はまたテロっと終わろうかなと思って。『フライミートゥザムーン』
 って、あの有名な…」
T「宇多田ヒカルちゃんも今歌ってるという…はい。」
K「あれをですね、丁度79年から82年ぐらい…ま、今もやってるんですけど、
 アメリカのローファイカントリーミュージックっていうか…まあロカビリ
 ーみたいな事やってる『レジェンダリースターダストカウボーイ』ってい
 うアーティストがいて。彼がやってんのがちょうどまたフォーキーだか何
 だかっていう所でオモロイんで是非とも聴いて頂きたいと思います 。」

M-07.フライミートゥーザムーン/レジェンダリースターダストカウボーイ

T「これはカッコイイですね。」
K「カッコイイっすよね。日本人になかなか出来ないノリですね。」
T「これはイカス。ノリというか…下手なんだけどよく出来てますね。」
K「グルーヴがあるんですよね。ヘタグルーヴ…」
T「辻褄の合わなさとかサイコーですけどね。『イエ〜!』みたいなね。」
K「そう。なかなかその『イエ〜!』が日本人には言えなかったりとかするんですが。」
T「やっぱね、明るいですね。オプティミスティックでいいですね何かね。
 イエー!みたいなさ…うーんダメだなあ…みたいな(笑)。」
K「そうそう。ダメだなあ。ダメな奴でも生きていけるんだぞアメリカは。
 みたいな(笑)。」
T「(笑)。でもなんか世界観としてまとまってる所がスバラシイですね。
 全部崩壊せずに形になってる所が素晴らしい…絶妙な。実はホントは上手
 いんじゃないか?と思わせる感じがしますが。」
K「そこがコワイとこですね。」
T「これどういう括りなのかな?やっぱこう…」
K「まあ、僕が最近聴いてるアコースティック音楽というか(笑)…」
T「ネジの外れたアコースティック音楽。」
K「そうですね。最近よく夜一人でこう、聴いてんですね、こういうのね。」
T「なるほど(笑)。」
K「疲れてるんですねきっと(笑)。」
T「なるほどなるほど(笑)。」
K「そんな感じでした(笑)。」

<エンディング>

・テロテロのヨボヨボのガタガタ。
T「今日はかなりテロテロになって…テロテロのボヨボヨの何かね、凄くね、
 体の筋肉とか筋とかがこうガタガタガタ〜(笑)。」
K「(笑)ゆる〜いっていう 。」
T「そ〜こまで行きましたけどね。はい。」
K「真夏には丁度いいんじゃないでしょうかね?」
T「そうそう。夏も終わりだし、ちょっともうほら暑さに参りまくったという
 感じの選曲でしたけどね。」
K「人生に疲れたって感じですねもう…」
T「(笑)」
K「逆癒し系」ってヤツですね。」
T「そうすね(笑)。「逆癒し系」はい。」


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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki