最新 HOW TO DISCUS 日常飼育
(中、上級者用)

*************メンテナンスの重要性******************
趣味で飼っている人とディスカスプロショップの最大の違いは、状態の悪い魚をいかに、健全に立ち上げるかです。
 ディスカスショップでも、新規オープンの店での病気の話しはよく聞きますし、私も新規オープンの時はやはり、シクリット病
(ディスカスエイズ)に悩まされました。 趣味で飼っている人も中途半端になれてしまって、水槽を増設したので
ディスカスを通信販売で購入して、メンテナンスの失敗で大切なディスカスを失ってしまう事が多いようです。
それを、通販業者の状態が悪かったと自分の責任をすり替えるのはちゃんちゃら、おかしい。
下記に事項を頭に記憶させてください。(すばらしいディスカスを目指す方へのアドバイス)

1.飼育水、水温、水質を常に把握すること。(新規買入魚も袋内の水温をチェック、水温変化3℃以内)
2.軟水の弱酸性域の魚である。(飼育水槽に塩は入れない、推奨値 PH6.5前後 導電率200μs以下)
3.餌は一回の量は少なく、回数は出来るだけ多く。(一回 3分以内で食べ尽くす量、残餌を残さない)
4.水換えは、1回の水量を少なく、回数を多く取る。(水槽内に変化を与えないため。)
5.水槽内のバクテリア(ろ過細菌)は多すぎても、少なすぎてもいけない。(目に見えない為、判断はPHメーター。)
6.強い薬は飼育水槽には入れない。(通常水質に戻すのに、大変な努力と体力がいる。)
7.薬は2種類以上の併用はしない。(どんな毒性の強い、物質に変化するか、わからない。)
8.清水で飼う。水は2H2Oという、分子結合である。(分子が遊離して、いろいろな分子と結合して魚に悪影響を及ぼす。)
9.病気治療用(初期メンテナンス水槽)の予備水槽を保有しよう。

ただ、一般にディスカスを飼おうと思っている人は、別に1週間に一度の水換えでも、一日一回の給餌でも、死ぬことはない。
しかし、すばらしいディスカスは生まれない!

****************えさについて********************
「おたくでは、なんのえさを与えているの?。」 うちはハンバ−グ(ビ−フハ−トが主体のミンチ)が90%以上で
後の10%が冷凍の赤虫 これを朝、昼、晩の3回 包丁で 約5ミリ角のさいの目に裁断したものを
S,M,サイズまでは 1匹に3〜4粒、Lサイズには1〜2粒 ぐらいやり 一回り後、えさがなくなって
魚がよってくる水槽に適量追加する。 え、少なすぎると 思ってる方、魚でも 高タンパク、高カロリ−が たまって
太りすぎて 産卵、放精に適さない魚を作り出すかもよ? それに通常、残餌や排せつ物が有機栄養細菌に
よってかなり毒性の強いアンモニアが発生します。 それを防ぐためにも えさは回数多く、適量に。

「うちのディスカスえさ食いがわるいのですが?・・・・・.」と 聞かれる。
原因はともあれ えさ食いを よくしたい場合 当店では、水温を上げ、ディスカスハンバ−グを まな板の上で鯵のたたき
みたいにみじん切りにし、それに冷凍赤虫、「ENMA君」を混ぜ さらにたたく、たたく、これを水槽内に沈め、
水替の後に培養した「ハジメ君」を100g当り200cc入れます。 これを3、4日行えばだいたいよくなります。
おためしあれ!

********************PH**********************
最近の水道は まずくなったと言われるが、15℃くらいに冷やして飲むと、結構うまい。
留守がちの家庭は水道管内の水を流しきってから 本管内の新鮮な水を飲むようにしよう。 3階以上の建物
にお住まいの方 あきらめましょう。 余談になりましたが、水道年鑑などを観ると 年、年 重金属(+イオン)が
増加して、場所によっては トリハロメタンが検出なんて新聞記事が載る昨今、 水道水のPHも都市部では、
7.5〜8.0ぐらいになってきました。 ここでは、酸性、アルカリ性 の解説は省きますが、弱アルカリ性
のこの水を ディスカス水槽に100%注入しますと水当りとアンモニアで死に至ります。

さて、ディスカスはもともと弱酸性の水域で生息しています。 PHが高いと何が問題かと言うと
残餌や排せつ物が有機栄養細菌によって毒性の強いアンモニアが発生しますが、PHを7以下に
すると結び付く+イオンが少なくなるため、毒性の余強くないアンモニュウムなります。 このため
一気に死に至ることが 少なくなります。また、逆にバクテリアの増殖限界(PH6)のためにも、
あまり低いPHでの飼育(ペア−を除く)には賛成できません。 理想はPH6.2〜6.7の間、
PH5.5になったらぜったい水替えをしよう。 PHの下げ方は市販のPHマイナスを 購入し
分量は原水の導電率(μ・) によって(低い方が分量が少ない)違うので注意して 数CC注入し
30分くらいたったらPHメ−タ−で計り、再度微調整しよう。
もちろん、この調整は魚の入っていない水槽で行おう。 ところがこの調整をしても翌日PHが7以上
あることが、新水槽に変えた時けっこうある。これが毒性の強いアンモニアに大事なディスカスが
昇天してしまう原因の第一である。 こうなったら 毎日水槽1/3の水替と 高濃度培養バクテリアの
注入である。バクテリアは約4日のサイクルで倍倍に増殖するのであるが、100g水槽でも何億、
何兆ものバクテリアが必要なため、高濃度培養バクテリア(ハジメ君など)の注入と水替と強め
エアーレイションは数日 続けてください。 又、体が黒くなり始めた個体にも有効です。
必ずいい結果がでるはずです。 さぼらず続けましょう。
PHが低くなったら 水替でPHを上げるようにしましょう。

*****************ペア−と産卵****************

最近、ディスカスの値段もバブル期に比べると大都市圏の地価と同じように下降の一途をたどって来た。
子どもが付いている安価なペア−をここかしこの専門ショップで見かけるようになりました。
住宅事情の関係と仕事上の時間との関係で 60x45x45の水槽で雄、雌、2匹しかいない為、
水槽の環境も1週間に1/3の水替ですむ、そして、夢にまで見た、産卵、子育てシーンが、まじかで
見られ ディスカスフリークの仲間入りの優越感がすぐに味わえます。 そのため、ペアーを購入する人が
増えています。でも、成功するまでには4つ関門があるとわたしは 思います。
1.なかなか産卵しない。
2.産卵はするが子どもが孵化しない。
3.孵化はするが 子どもがいなくなる。
4.2cmくらいまでは育つが そこまで。

この解決方法を私は助言します。

ペア−が雄、雌であることを前提として。@ 貴方の水槽環境になじませてください。
1.なかなか産卵しない。
A えさは よく食べさせてください。
B 軟水でPH6.0前後で飼育してね。
C 導電率は 180μs以下にしてね。

2.産卵はするが子どもが孵化しない
@ 貴方の水槽環境になじんでいるか。
A 食べ残しは 排除してね。
B 軟水でPH6.5前後保って下さい。
C 導電率は 180μs以下にして。
D 前日の水替時水槽をピカピカにしないで

3.孵化はするが 子どもがいなくなる。
@ 水槽内は病気が出ないよう清潔にして。
A 食べ残しは 排除してね。
B 軟水でPH6.5前後保って下さい。
C 導電率は 180μs以下にして。

4. 2cmくらいまでは育つが そこまで。
@ 水槽内は病気が出ないよう清潔にして。
A えさをがんがん食べさせてね。
B 食べ残しは 排除してね。
C 軟水でPH6.5前後保って下さい。
D 導電率は 180μs以下にして。
E 濾過器はまめに点検してね。

以上の事柄に注意をして5cmくらいまで育てあげれば もう安心です。

それから 親どうしが けんかをしたり 子どもを食べてしまう、というような事柄を耳にしますが、
水槽環境さえよくしておけば大丈夫です。 又、最初の産卵や孵化はあまり親同士が
上手にいきませんので すぐ食べてしまいます。 また、孵化数が50匹以下ですと、
親の方も数が少ないと思うのか、食べてしまいます。でも、1週間後には すぐ産みつけます
ので、前回よりもきれいにまとまって産みつけますし、又、孵化率もアップします。 飼育環境
さえよくすれば、がんがん ブリーディングが可能になります。
又、最低でもPH計と導電率計は 買って使用出来るようにしよう。
最後にディスカスは 一言でいってしまえば 小さい時は、えさをたくさん与え、高温で飼育し、
成長に伴って水槽環境を整え、餌の量を若干減らし、28〜29℃で産卵育成、
病気を早期に発見し、強い薬を使用せず、死んだ魚がいたら、原因を追求し、研究し、
失敗は2度と繰り返さず、末永く飼育していこう。 これを「一魚一会」?と言う。