1. 「地球市場・富の攻防〜ヘッジファンドマネー」(NHK) を観る 地球市場で、買いまたは空売りで利ざやを取るヘッジファンドメネー その規模は日本を含む世界中の「年金資金」をも請け負うかたちで巨大化 <事例> 2002年秋のブラジル大統領選後の金融危機を睨んだ駆け引き 売り方「FXコンセプト」 と買い方「ワンワールドインベストメント」の攻防 2. 国際金融の基礎 そもそもお金とは・・・交換手段 : 生産と消費 ↓ 蓄財手段 : 蓄積〜投資A(拡大再生産) 蓄積〜投資B(金融財) ※ 投資には、2種類あることに注意 国際金融は、外国為替取引を伴う国際的資金移動 国際的資金移動 : 「商取引」+「金融取引」 → 「貿易」+「投資」 国際金融の戦後史 国際通貨体制=ブレトンウッズ体制 (金に裏打された米ドルを基軸通貨として各国はドルに自国通貨を固定する制度) ↓ 国際通貨危機(1971) : 米ドルと金の交換停止 ↓ ブレトンウッズ体制の崩壊=主要国が変動為替制度に移行(1973) 円高・円安のメカニズム 貿易の商取引と外為市場での通貨量が為替レートに影響 1ドル=360円(固定) ↓ 1ドル= ? 円(変動) ↓ 極端な円高は輸出に不利で、時に通貨当局の為替介入 ※ 金融のグローバル化→商取引よりも金融取引の方が為替相場に影響を与える時代 3.金融のグローバル化と日本 金融の自由化(1996-) 「金融ビッグバン」構想 → 外為法改正 外国の金融機関の日本進出 ↓ 山一証券破綻 (メリルリンチが受け皿に) 長銀破綻 (リップルウッドHDが受け皿に) 対抗する金融機関の合従連衡 (例) 三井と住友 → 三井住友 三菱とUFJ → 三菱UFJ 旧安田系 → みずほ その他 → りそなHD 4. グローバルマネー 巨大なグローバルマネーが利ざやを求めて世界中を駆け巡る 通貨は、生産物やサービスの取引に対応しない金融上の取引の方が遥かに多い 影響例 (1) 外為市場 変動為替相場制+資本移動の自由+ITによる金融技術 → 為替投機 (2) 途上国の通貨危機 「アジア通貨危機」(1997) : タイから発して韓国にまで波及 外貨建て債務依存体質+対日経常収支悪化 → 資本流出による危機へ(短期資本の引き揚げと通貨急落) 経済破綻した韓国はIMF(国際通貨基金)の管理下に → IMF支援の光と影とは? 模索されるグローバルマネーの制御 ↓ 資本移動の抑制策 a.流出規制 b.流入規制 c.取引抑制(トービン税) ↓ 世界中央銀行の創設 cf. 世界銀行 地域通貨の可能性(次回) <文献紹介> ・ 『グローバルマネー』(益田安良、日本評論社) [ 戻 る ] |