1. J.フリードマンの 「力の剥奪」 モデル ジョン・フリードマンは、長くラテンアメリカやアジア各国で開発教育に従事 国連の専門家でもあった時代には、制度改革の重要性を提唱 「貧困」 とは、相対的な力の剥奪 社会的な力の基盤をなす資源にアクセスできないことが根本原因 「力」とは、ものごとを思い通りにできる能力 社会的な力の基盤に対してアクセス可能になることがエンパワーメント ↓ オールタナティブな開発 主流である経済開発と影響しあうもうひとつの開発 総合的な力の獲得のプロセス 主要な要素は、自律的意思決定、自立、参画型民主主義、試行錯誤の学習 社会的な力は、8つの基盤をもつ 基本的基盤 : 防御可能な生活空間、生存に費やす時間以外の余剰時間 社会組織、社会ネットワーク 発展的基盤 : 労働と生計を立てるための手段、資金 知識と技能、適正な情報 < 力の剥奪モデル図 − 略 − > 図において、最も重要なのは 横軸 (生活空間と余暇時間) 言い換えれば、いのちと暮らし 2. 社会的関係性とエンパワーメント 縦軸は、社会的関係性 (社会組織と社会ネットワーク) 社会組織とは、世帯と社会をつなぐもの 教会、組合、クラブ、討論会など 社会ネットワークとは、行動に必要な対等なつながり 各種の水平的ネットワーク エンパワーメントの手段は、参加型民主政治の実現 求めるのは、参画、適正な経済、社会的統合、持続可能性など 基本的条件は、民主主義を支える組織・制度 3. 日本社会の 「力の剥奪」 を考える <横軸> 生活空間が充足し、余暇時間は充分か? 日本の住環境・・・ 日常生活のゆとり・・・ 労働における「過労死」・・・ <縦軸> 家庭生活や地域との関わりは豊かか? 日本社会のヨコのつながり・・・ 労働組合などの組織率・・・ <その他> 格差拡大、不安定な雇用、ホームレス 孤老の死、子どもの選別、ジェンダー 外国人労働者、マイノリティ問題、環境破壊 etc. ↓ 参加型民主政治は? 選挙における投票率・・・ 制度の形骸化・・・ ↓ 豊かな社会の貧しさ? 日本におけるエンパワーとは? 4. 南北のエンパワーメントと協力関係の見通し [ 南 ] [ 北 ] 人間らしさの剥奪 人間らしさの剥奪 ↓ ↓ 経済的欠乏と力の剥奪 豊かさの中の貧しさと力の剥奪 ↓ ↓ 力の獲得とエンパワーメント 力の獲得とエンパワーメント ↓ ↓ 参加型開発の主体 参加型開発の主体 ↓ ↓ <北との国際協力> <南との国際協力> <文献紹介> ・ 『市民・政府・NGO』(ジョン・フリードマン、新評論) [ 戻 る ] |