「宝船まつり」

単行本 文庫


冬鳥の恋
藤屋の養子宇之助と養女のおすみは子供の頃からかばいあって生きてきた。互いに恋心を抱いた頃、二人は兄弟かもしれないとうち明けられた。この話でるいは初めて神林家の養子となった麻太郎と会った。
西行法師の短冊
旗本が西行の筆なる和歌と称する贋作で大金をだまし取られた。同じ頃大店の質屋の女隠居がかわせみの近所の隠居所に越してきた。
宝船まつり
東吾は源太郎と花世を連れて、亀戸村の宝船祭に出かけた。その祭で2つになる子供がさらわれた。二十年前にも同じようなことが起こっていた。
神明ノ原の血闘
東吾は酒宴の帰り、湯島天神の裏手で盗賊と行き当たり斬りかかられた。同じような手口の盗みが続いていたが、必ず戸を開けた者が斬殺されていた。東吾たちは盗人の中に相手に不審を抱かせずに戸を開けさせる者がいると睨む。
大力お石
女中のお松が嫁入りのためかわせみから暇をとることになった。替わりに同じ村のお石という娘がやってきたのだが、驚くような大女だった。
女師匠
大安売りに出かけて行ったお吉は店先で若い二人連れの娘に難癖を付けられた。二人は近所でも評判の性悪で、子供の頃から悪さを繰り返していた。
長崎から来た女
東吾と同じ軍艦操練所の訓練生が長崎からやってきた女と心中した。不審を抱いた東吾は長助と仙五郎の協力を得て真相解明に乗り出した。
大山まいり
宗太郎の知人が大山まいりで行き方知れずになり死んだ。道に迷い、餓死状態で衰弱死したというが、どうも宗太郎には合点がいかない。



| Home | Next |