「八丁堀の湯屋」

単行本 文庫 新装版


ひゆたらり
東吾は方月館の松浦方斉から麻布に住み着いた医者について相談をされた。この医者は念力で病を治すと評判だが、曲直瀬桃庵と称して、今大路家の血縁と名乗ったと言う。   
びいどろ正月
江戸に悪い風邪が流行りだした頃、長崎屋の神聖水が飛ぶように売れていた。その長崎屋で神聖水と間違えて猛毒の消磨水を売ってしまった。
黒船稲荷の狐
東吾はるいと一緒に出かけた黒船稲荷の境内で尾張屋の一行を見かけた。その尾張屋の婿の要助が行く方知れずになった。
吉野屋の女房
るいは日本橋の吉野屋で小さな雛箪笥を買い求めた。家に帰って、引き出しの中に恋文が入っているのに気がついた。翌日、吉野屋の内儀がその雛箪笥を間違えて売ってしまったと取りに来た。
花御堂の決闘
源三郎の妻お千絵がこのところ源三郎の様子がおかしいと、るいに相談にやって来た。毎日夜更けに香の匂いをさせて帰ってくると言うのだ。
煙草屋小町
日本橋堀江六軒町の煙草屋花屋のおはんは評判の煙草屋小町だった。そのおはんに名主の倅吉之助との縁談が起こるが、おはんの兄が承知しない。
八丁堀の湯屋
嘉助は行きつけの松の湯が休みだったので、久しぶりに亀島町の大黒湯に行ってみた。その大黒湯の女湯の中で同心松田庄三郎が小刀を胸に突き立てられて殺された。
春や、まぼろし
足袋問屋三河屋の主人喜兵衛は駆け落ちした女房の娘お小夜を連れてきた。その三河屋の孫息子が水死した。


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