土肥温泉    土肥大和館  1999.12(宿泊)

     土肥金山前にて

     金鉱の入り口

 土肥大和館は
海の傍にある露天風呂が良さそうで、一度泊まってみたかった 旅館の一つである。
 日帰り入浴した伊豆韮山の「駒の湯源泉荘」を後にして、再び国道に入る。丁度昼時であったので、昼食を 摂ることにする。手打ち蕎麦を食べさせてくれる店で、値段も手ごろで結構おいしい店であった。
 再び国道を 南下して、修善寺温泉から山越えをして土肥温泉に入る。 今日は少し時間が有ったので、 今まで見る機会がなかった「土肥金山」に寄ってみることにする。クーポン券に付いてきた70円割引の券を 使って入場。少し得をした気分になる。中は道路や建物も良く整備されの金山などと違ってあまり悲壮感が ないということであった。パンフレットを見るとここの金山では罪人などを使ったということではなくて、 ここに働く人たちも結構その生活を楽しんでいたような感じであった。鉱山を出たところに土産物屋があり その横に砂金すくいを体験できるコーナーがあった。別料金600円也で実施されていいる状況を一寸覗いて 見たのだが、そんなに砂金が採れているようには見えなかった。やはりお遊びなのであろう。
 今日泊まる予定 の旅館は「土肥大和館」。パンフレットを見ると露天風呂から の景色は素晴らしいという 感じで、海に沈む夕日を眺めることが出来るかもしれないという期待感があった。
 土肥の金山から国道を少し南に下がったところに、「土肥大和館」はあった。かなり広い駐車場なのだが その一角に車を停めて、チェックインをする。

      ロビーにて

     大和館の玄関前

 外観からは 思いもかけないような広いフロント、ロビーで全般的には白の イメージをしたもので、なかなか豪華な雰囲気を持った旅館であった。通された部屋はロビーが4階なので エレベーターで2階に降りて、廊下をかなり歩いた先にあった205号室。和室で12畳の広さで昨日 泊まった「秀峰閣」と同じ広さである。

 窓の方に 3点セットが置かれているのも同じ感じである。 床の間には 一輪挿しが置いてあり菊の花が生けてある。ということで安い1万円くらいの旅館とはやはりひと味違う 感じである。係りの仲居さんの振る舞い、説明もやはり良い旅館らしい雰囲気を持っていて気持ちがよい。

 窓を開けると、 直ぐに眼の前に相模湾の海が広がった。 海の向こうに 静岡市だろうかあるいは御前崎の海岸だろうか、遥か彼方に陸地が見えた。

       部 屋

      夕焼けの絶景

 部屋で少し休んで露天風呂に入ることにした。4時過ぎであっただろうか、夕日がようやく西の海に沈もう として時期でもあった。露天風呂から夕日が海に沈む姿を見ることが出来るのではないかと期待して、部屋 から出たのだが、露天風呂は長い廊下を渡り、更に渡り廊下を渡って玄関に入りまた長い廊下を歩いて建物の 一番北側の扉を開けて外に出るという、大旅館ならではの体験をしながら、下駄に履き替えて、そこから 今度は自然の石の階段を下りていくという、結構面倒な露天風呂の場所であった。

 自然の小さな岩 で造られた入り江という感じの所に先ず最初に男性用の 露天風呂があり、岩を少し上ったその先に女性用の露天風呂があった。露天風呂に入ったままで、夕日を 眺めることを期待して行ったのだが残念ながら西側の大きな岩が邪魔をして夕日が沈んで行く光景は直接見る ことができなかった。

    男性用露天風呂

  一番先にある女性用露天風呂

 露天風呂には5〜6人位が脱ぐことが出来る脱衣場があり、その前に楕円形をした かなり広い横長の浴槽がある。丁度北向きをしていて、前に障害物がないので沼津方向を湯船に入ったままで 見ることが出来るのだが、横の岩の関係で180度視界が良いという程ではない。渚に近いので海の香りが プンとするのが何ともいえない。

 富士山は 見えないのだが、戸田の辺りの岬が見えその向こうに冨士山につながる愛鷹山辺りの山が見れる。 折角海に沈む夕日を見たいということで、露天風呂にやってきたので、その瞬間を見ようと服を着替えて、 夕日が沈むのが見える岩場まで移動して、その瞬間を待った。そうこうしてるうちに女房殿もやってきて夕日 を眺めることにした。暫くすると真っ赤な太陽が水平線上に沈んで行った。
 今年の4月秋田の不老不死温泉では少し雲が掛かっていたが今日は全く 雲が無くて、大きくて真っ赤な太陽が荘厳に沈んでいった。それはやはり素晴らしい光景であった。

 それから長い 上り坂を歩いて上り、長い廊下を歩いて自分の部屋に帰って みると、これまた丁度夕日が沈むところであった。二度得をしたような感じでカメラのシャッターを押す。

    岩の間に日は落ちる

      夕餉の料理

 暫くすると夕食の料理が運ばれてきた。座卓一杯に並べられた料理は なかなか豪華なものであった。刺身は小さいけれども伊勢海老の半身、鯛のお頭付き、まぐろであり、 鍋物に、陶盤焼き、そして女房殿が喜んだのは座敷であげてくれるフライであった。後から煮物や焼き物が 出てお腹一杯になった料理であった。

 朝再び 波打ち際の露天風呂に入った。何時もの事ながら誰も居ない 貸し切り状態である。前方に見える戸田の岬あたりが差日を浴びて輝いている。天気は日本晴れという 感じで、海が青々としている。暫く湯船につかりながら景色を楽しんだ後、大浴場の方に入ってみることに する。大浴場はやはり大旅館の大浴場らしく立派なものであった。前方に大きなガラス窓があり、そこから 遠州灘の景色が一望できるようになっていた。排気の状態がよいのかガラスの曇りも余りなく景色を十分に 楽しむことができる。出来ればこの大浴場から直接裸のままで入ることの出来る露天風呂が有ればいいなぁと 思った次第である。

   満足度:風呂**** 料理**** 部屋*** 接客***

   施設の概要

    所在地  田方郡土肥町通り崎  TELL: 0557-23-1126
    交通 ・伊豆箱根鉄道修善寺駅から松崎行きバス55分
       ・西湘バイパス→国道135号経由→土肥温泉
    施設  浴室  大浴場 露天風呂     駐車場 60台 
    泉質  カルシウム・ナトリウム硫酸塩塩化物泉    50〜54度
    効能 婦人病・リューマチ・高血圧症など
   日帰り利用  不可