形原温泉  木 村 館   1996.11(宿泊)

はじめに
 宿は全行程を検討し蒲郡付近の温泉地としたが旅館が結構高く、結局露天風呂は無いが比較的安く、サービスの良さそうな「木村館」に決めたのである。 源徳寺を後にして30分ばかり車を走らせると今日泊まる形原温泉に着いた。形原温泉の名も今回の旅行を計画する段階でガイドフックを見て初めて知った温泉である。此の辺りの温泉を総称して「蒲郡温泉郷」と云うらしいが、ここはその中でもでは最も古い歴史を持つ温泉だそうだ。温泉街といったようなものは無く旅館があちこちに建っていると感じの温泉であったが、やや小高い所なので三河湾を眺められて景色はよい。  

旅館にて
 「木村館」は大きな規模の旅館ではないが日本造りの宿と自認するだけ有ってフロントも昔の宿屋をイメージした和風の旅館であった。入ると先ず女将による「抹茶」のサービスがある。一服の茶が人の心を和ませ、旅の疲れを忘れさせるというところであろうか。案内された部屋は4階で前に三ケ根山を見ての景色が広がる明るい部屋であった。部屋の造りや、一寸した生け花等もてなしの心配りもされていて気持ちがよい。

 やはり先ず風呂ということになる。残念ながら露天風呂はないが大浴場は清潔ですっきりしていた。風呂の窓からは旅館の庭が見えて緑が清々しい感じを与えて呉れる。此の庭に露天風呂を造れば結構立派な露天風呂が出来るのになあと、人ごとながら気をもんだり、庭の真ん中に大きな桜の木が植っているのを見て、春桜の花を見ながらの風呂も良いだろうなあと思いながら、風呂から上がる。

 夕食を運んできた仲居さんに「ここは何時の時期が一番忙しいのですか。」と聞いてみると紫陽花の時期だとの答えが返ってきた。その時期には風呂に入り御飯を食べて帰るお客さんが多いとのことであった。ここの旅館は料理が得意なのである。出された夕食も値段の割には手の込んだ懐石風の料理で美味しくいただけた。夕食後テレビを見ているうちに、うたた寝をしてしまった。今日の長距離ドライブで疲れたためであろう。やはり年には勝てないものだ。ふと目を覚ますと10時を過ぎていたが、寝る前に一風呂浴びようというわけで浴場に行く。勿論誰も入って居ない。のんびりと湯舟に浸かりながら明日の行程を思い浮かべてみる。明日も結構きつい行程だが、今日見た鳳来山の紅葉の様子では明日の香嵐渓の紅葉も余り期待できないなと、半ば諦めの境地になったところで風呂から上がる。

 朝食も部屋出しで普通旅館で出される定番のものとはひと味違った手を掛けたものであった。全体的に「木村館」は日本造りの宿を標榜するだけあって、部屋の感じ・サービス・料理ともになかなか良い、いわゆる「くせになる」旅館であった。チェクアウトをして今日のドライブに備え車の点検をする。愛車?カリーナも10年の寄る年波には勝てず、オイルを食うようになってきたので今回のように長距離走るときは時々オイル補充をしなければならないのである。準備完了いよいよ「香嵐渓」に向けて出発である。

 満足度:風呂*** 料理**** 部屋*** 接客****

  施設の概要

  所在地 蒲郡市金平町寺中1   0533-57-2121
  交通 ・JR東海道本線三ヶ根駅からタクシー5

     ・東名道音羽蒲郡IC→国道経由→約5km
  施設 
浴室 大浴場      駐車場 約30台 
  泉質 
単純硫化水素泉    15〜18度
  効能 神経痛・胃腸病など
  日帰り利用 不明