2011年の東日本大震災以後,、カンタス航空(オーストラリア)では日本ーパース便が休止していました。
2013年のパース旅行は長時間をかけて現地に到着しましたが、直行便ができたらまた行きたい!と思っておりました。
2019年9月から全日空(ANA)で直行便が開通したのです。
開通キャンペーンのチケットを利用しての6年ぶり3回目のパースです。
今回はどこへ行きたいとか何をしたいということは特になく、テーマは「異空間での日常」10泊12日を楽しみます。
行きは10時間10分、帰りは9時間35分のフライト予定です。
パースの基本情報
オーストラリアの国土は日本の約21倍です。東側と西側の間は、航路でも4〜5時間かかります。
首都・・・・・・キャンベラ
国家元首・・・・英国女王エリザベスU世
気候・・・・・・南半球ですので、日本とは逆
時差・・・・・・パースは日本から1時間遅れ。
言語・・・・・・英語ですが、独特のなまりとアクセント
ビザ・・・・・・ETAS(電子ビザ)が必要です。現在はネットで簡単に申し込めるようになりました。
為替・・・・・・AU¥オーストラリアドルは相場では75円前後(2019/12月現在)ですが、換金手数料が高いです。
パースはオーストラリア大陸の約1/3を占める西オーストラリア州の州都で、「世界で一番美しい都市」とも言われています。

2019.12.2(月)
朝一番の新幹線で越後湯沢→上野→日暮里→京成特急スカイライナー成田空港 9時前に到着です。
スーツケース2個は事前に空港に送っておきました。
持ち物は身の回り品と夫の友人夫婦への土産物が入ったスーツケース、頼まれたPINのピッチングウェッジなどを入れた段ボール箱、パソコンやIPadが入ったバッグです。
今回は移動日は着物ですが、季節の違いに頭を悩ませました。
着物は単の大島紬、半幅帯、長襦袢は単、肌襦袢は秋仕様です。
この上に紗の道中着を羽織り、空港に着くまでは小千谷紬の防寒コートを着ていますしネル裏の足袋を履いています。帯板はしていません。
かるた結びですので、腰もラクです。
成田空港でようやく朝食です。   
機内でのランチです。
プレミアムモルツがありました。
食後にアイスクリームも。
夕食は
軽めです。
オーストラリアの通関は厳しいです。
前回同様、夫が写真を撮って説明文をつけたファイルを持参しましたが、珍しいのか一つ一つ吟味されました。
魚沼産コシヒカリ・モチ・あんこ缶詰・稲庭うどん・加島屋の諸々・かんずり色々・等々を写真と見比べて5人がかりで検査されましたが、無事に通過です。
空港に迎えに来てもらった夫の友人の車で宿泊の場所に。
今回はホテルではなく港町のフリーマントルにあるVillaを予約しました。・・・写真は後日。
2019.12.3(火)
朝は初めて聞く鳥の鳴き声で目が覚めました。
最高気温30℃超えの中、友人の車で買い物に連れて行ってもらいます。

りっぱな質屋さんで中古のギターをゲットです。
10日間以上もギターの練習ができないのでは、指が動かなくなってしまう!と、夫が模索した結果の選定です。
49AU$のギターのフレットを磨いてネジ部を交換して、新しい弦を張る・・・帰るまでにできるのでしょうか?!
再度売れるか友人にもらってもらうかは、出来栄え次第でしょう。

パースはマイバッグ制が徹底しています。ゴミの制度も2カ月ほど前から変わり、決められた色のバケツを家の前の道路わきに出しておくと、収集車が機械でゴミ箱をひっくり返して収集して行きます。
ビールのケース買い、ジュース、パン、果物などをスーパーで購入です。
これまではホテルに宿泊でしたから、朝食の前に化粧して着替えて人前に出なければなりませんでした。
キッチン付きのVillaでは自由に過ごせますし、洗濯機もあります。
だけど、何だか懐かしいような形の羽がついた洗濯機です。
脇のベランダで干せますし、バーベーキューができる機材が置いてあります。
3部屋6人までは泊れるVillaです。

夕食は友人宅でお呼ばれです。
夫が大好きな生牡蠣でおもてなしをいただきました。
奥様とは6年ぶりですが、時間の隔たりを感じることなく楽しい会話で夜は更けました。
2019.12.4(水)鳥の鳴き声で目覚めた朝。
ゆっくりと朝食をいただいて、友人と3人で打ちっぱなしのゴルフ練習です。
各打席にモニターがあり、飛距離と玉筋まで表示されます。すごい!
いったんVillaに戻り、持ってきた稲庭うどんでランチです。
2時頃になって相談がまとまり、ハーフ(9ホール)だけ回ることになりました。
私は奥様のクラブセットをお借りしてバギー(クラブセットを載せるもの)に積んで自分で引きます。
9ホールだからと軽く考えてましたが、結構歩きました。足がパンパン。
戻って入浴後夕食は夫と近くの中華料理店で!の気持が崩れて昨日の買物したもので乾杯です。
晴天続きですが、きょうはちょっと風が強くてゴルフもままならず。
 2019.12.5(木)
今日は暑い日です。港に近いので、涼しい風が通り抜けるせいかこのVillaにはエアコンがありません。
ギョッ!と心配していましたが、各部屋にシーリングファンがありまったく心配ありませんでした。
それは湿度が低いからでしょう。日本の夏とは異なります。

どうやらこの部屋は9屋からなるアパートの一室で、持ち主が民泊のように空いている部屋を管理会社にまかせているようです。
他の部屋はそれぞれ人が住んでいるみたいです。
裏側には大きな屋根付き駐車場があり、ゲートをリモコンで開けるようになってます。
ホテル予約サイトで見つけて予約しましたが、管理会社から英語の規約書や誓約書などが送られて来ました。
1階は玄関だけ  リビング リビング  キッチン パントリー
洗濯場
寝室1
昨晩夫がしみじみと「今回はホテルじゃなくて良かった。気を遣わずに昼間でも在室できる。」と私の選択に納得です。
広いベランダに置いてある木製いすに腰掛けてビールを飲みながら、陽が暮れるまでギターのネックに紙やすりを当てていました。
ランチは友人が郊外の大ショッピングセンターにある飲茶のお店へ連れて行ってくれました。
平日なのに老若男女で混み合っています。
友人が好きだという「ドリアン饅頭」を恐る恐る食べました。ぎゅうひのような皮の中のクリームにドリアンが入っているのですが、美味しくて独特のクセがあります。あとに出るゲップにドリアンの味がしばらく続きました。


ドリアン饅頭

今夜こそ夕食は近くの中華レストランへ。
口コミを見ると忙しい時の対応に苦情のことも。
そこで、夫が着物にした方がいいんじゃない?と一言。これまでの周囲の人々の反応を見てきた人です。
正解でした。 ここでも着物パワーを感じました。
思っていたよりも大きなレストランですが、飲み物がなくなるとすぐに声をかけてくれたり笑顔を振りまいてくれたり。
予約なしで通された席は窓際。
その時になると、強い西陽をさえぎるサンシェードはスタッフによって引き上げられました。まさに海に沈むサンセットの始まりです。
街中から移転して来た老舗のレストランということですが、良い場所です。
大勢で行って食べるには中華はいいでしょうね。少し残してしまいました。
 インド洋に沈む夕陽
店の中からも見えた観覧車。6年前はなかったような・・・?
4回転で12AU\ まあ普通の価格でしょう。
並んでいる時に話しかけられたのは、ゴールドコーストからの家族。奥さんが日本人で10歳くらいの娘と夫、義姉。「娘が(着物姿の私のこと)カワイイって言っていたのでキレイでしょって言ってたんです。」 カワイイは世界共通語ですね。
どうやらクリスマスシーズンだけ稼働される観覧車のようです。
オーストラリアのバケーションの時季が始まっています。
オーストラリアでは20日間の有給休暇を取る義務があって、1ヶ月間を誰かが休んでいる。人件費が高いから物価も高くなる・・・と、夫の友人が昼間話していました。
2019.12.6(金)
8時に迎えに来てもらってゴルフ場へ向かいます。
こちらでは予約制ではなく、受け付け順にスタートです。今回は電動カートを借りて回りました。
18ホールのほとんどがレディスティーの差が少ないのです。湯沢や群馬のゴルフ場はかなり前にあり、飛ばない私は助かっていたのですが。
アップダウンもほとんどなく、フェアウェイやグリーン上は緑のじゅうたんを歩いているようです。
困ったのがハエ。顔の周りにまとわりつき、耳や鼻の穴に入りそうです。
こちらのハエは水分がある所に寄りつくとか。汗に寄って来るのですね。
18ホール休みなしで回るのですが、カルガモ親子がグリーンを横断する様子とか、見たこともない大きな鳥が木の下に陣取っているとか、野鳥がのびのびと過ごしています。

戻ってシャワーを浴びて、窓際で本を読んでいたら門を開けて一人の老人が入って来るのが見えました。
ひょっとしたら大家さん?と思い、ギターの手入れをしていた夫に「ポケトークを持って玄関に行って!」 とお願いしました。
   私は小児科のドクターです。
   子供はいない? その方がいいですね。ハハハ
 「ご用は何ですか?」
   旅行者? ロットネスト島には行ったか?
   私の妻の友人が宝塚に住んでいる
   シーラとディナーに行く
 「ご用は何ですか?」
15分間ほどそんな会話を続けたあとで、ようやく間違いに気付いたようでした。それでもなかなか帰らない!
嫌がっていたポケトークに興味を持ったようで、こわごわとそれに向かって話し始めました。
夫が冷や汗をかいたひと時でしたが、レンタルのポケトークが初めて役に立ったひとコマです。
そんな話を友人宅で話すと、オージー(オーストラリア人)はおしゃべり好きだからね。
と、オージービーフとラム肉を焼いてくれながら言ってました。

6年前にもいた2匹の黒猫は健在です。人懐こいオスと太って我が物顔のメス。
2人の娘が離れていますから、猫は大切な家族です。
もう少し小さな家に変わろうと思ってるの・・・。と奥様がおっしゃってました。
2019.12.7(土)
毎週末はフリーマントルマーケットが開かれ、近郊からも多くの観光客が集まります。
Villaから徒歩10分ほどを日傘で歩きます。
中で募金集めの演奏 大道芸人のパフォーマンス チョリソーとガーリックパン 若い女の子がジッと見る着物姿
涼しい日です。
マーケットの中は少し蒸し暑いですが、テラスの席では寒いくらいです。
多くの男性がひざ丈ズボンとTシャツ、女性は肩丸出しのキャミソールワンピース。寒くないのでしょうか。
友人が言っていました。オーストラリア人は体温が高いんですって。
2019.12.8(日)
私たちのために10日間の休暇を取ってくれた友人には、土日はゆっくりしてもらうようにして2人でフリーマントル散策です。
無料のCAT BUSでまず駅に向かいます。本日の最高気温は22℃。陽射しは強いですが風は冷たいです。
悩んだ末、移動日用の単の大島紬に麻の長襦袢です。
風はさらさら・心地よい肌触りです。
フリーマントル駅  尻尾がへび
目が4つの置物
街並み
レンガ造りが多いです。 
マーケット入り口
フリーマントルマーケットでは昨日とは違う大道芸もやっていました。 
長袖を着ている人もいて、キャミソールドレスは少なかったです。

お店の中ですれ違いに「ようこそ」と日本語をかけてくれたイケメンの大柄の方。
にこにこ笑いながら「Beautiful dress」と声を掛けてくれる多くの人。
KIMONOという単語を言われたのは3人くらいかな。
帰りのCAT BUSで隣の席の方は「カナダから来た。日本に息子がいる。1ヶ月間滞在して20日に戻る」と、息子さんと日本人男性が写ったスマホを見せてくれました。
途中から乗った2人の小さなお子さん連れのヤングママさんは、降りる時にそばに来て「Beautiful Kimono」とわざわざ言葉をかけてくれました。
女性の、特に若い女性の興味津々の様子がわかります。すれ違う時に足袋のあたりを凝視されてます。
2019.12.9(月)
早朝に友人からゴルフ場の予約が取れたよ、と連絡があり8時半出発です。
フリーマントルでは名門と言われ、月曜以外はメンバーに限られるコースです。
途中で買ったパンを持って、18ホールを続けて回ります。
半分ほど回ってバテテ来たら、果物を一口。先日ほど暑くないので汗も少ないせいか、ハエもほとんどいません。

Villaに戻っても時間はたっぷり。
夕食は友人夫婦をご招待して我が家で。
切れない包丁で四苦八苦しながら、買ってきたサラダを組み合わせて何とか形はできました。
ホテル宿泊ではないからこそできたことですね。
最近のオーストラリア不動産情報をお聞きしました。
今、住んでいる家は土地は2軒分の広さがあるそうですが買った時は安かった。売ってその価格内で街に近いところに移るとしたらホントに小さな家になってしまう。
私たちが借りているVillaも売りに出たら、億はするんじゃないかな。この辺の空き家は貸しに出しても売りには出さない。
人口が増えているから不動産が下がることはないなぁ。
人口減少が問題化されている日本から見たらうらやましいことですが、そうなった場合の問題も明らかですね。
2019.12.10(火)
当日朝、昨日に続いてゴルフコースに出る話が出ましたが私はパスして一人で過ごしました。大好きな宮部みゆきの本を読んでました。
時折り聞こえる外からの英語。まさに異空間での日常です。いい休日でした。
夕方、戻った夫とスーパーへ散歩です。
←奇妙なものを見つけました。右が拡大です。
電線にスニーカー1足。遊んでいて引っかけたのでしょう。
裸足で歩いている若い女の子などを見かけると自由な国だなぁと感じます。
2019.12.11(水)
こちらに来てから一番暑い日です。
無料のCAT BUSを乗り継いで、アートミュージアムへ向かいます。
6年前にも来ましたが、雰囲気が変わってました。
幼稚園前の小さなお子さんを連れたママ達が大勢いて、芝生の上で子供を遊ばせています。
天使がいっぱい。
フリーマントル駅に戻ってから、電車でパース駅に向かいます。
デパートの中のカフェで「こんにちは」とスタッフの方に声をかけられました。
  きれいですね。パースでは見かけることはないです。たくさん声をかけられるでしょうね。定住ですか?
などと話をしました。
確かに皆さん興味津々のようですが、パースでは声をかけられることはなかったですね。
アートミュージアムではヤングママ達に「Beautiful dress」と声をかけられました。

いったん部屋に戻って窓を開けたら、部屋の温度は急上昇。でもあまり汗をかかないのはやはり湿度が低いからですね。
持参した温湿度計です。湿度14%!
オーストラリア最後の夜は友人宅にお呼ばれです。
牡蠣はもちろん、牛のたたき。
BBQ鍋で友人がパエリアを手づくりです。
魚介のうまみが米にしみて思った以上に美味しい!
ご本人も最高の出来だと言われてました。
2019.12.12(木)
夜に帰る日です。
チェックアウトして(鍵を閉めてBOXに入れておくだけです)、友人の家に荷物を置いたら3人でゴルフ場へ。
9ホールだけカートでプレイしました。
暑い日です。またハエがまとわりつきます。
パースに来て、私は54ホール・夫は72ホールをプレイしました。
たくさんのゴルフ場が予約なしでプレイできるので、夕刻近くになると仕事を終えた方々がハーフだけ回ることも多いそうです。

友人宅に戻り、シャワーを借りて着物に着替えました。
21:55出発ですが早めに行ってパース空港でゆっくりです。
チェックインして荷物を預けて、出国ゲートをくぐるまで友人は見送ってくれました。

搭乗口近くのパブで本を読みながら瓶ビールを飲んでいると、見知らぬおじさんが「すみません」とお辞儀をして近づいて来ました。
どこの国の方かはわかりませんが、50代くらいの小柄な西洋系の方です。
「はい?」と顔を向けたら、その方はスマホを差し出しました。
そこには、「あなたは着物姿がとてもエレガントです」 と日本語で表示されていました。
それだけを伝えるとそのまま別の搭乗口に向かって行きました。
涙が出るほど嬉しいことです。
翻訳して表示させて、勇気を出して声をかけてくれたことに心から感激しました。
ANA航空機は定刻に出発です。
日本時間では夜半に食事が出ました。美味しいのですが完食はできませんでした。
朝食は6時頃でした。こちらは完食です。
小さいお子さんの泣き声が一晩中聞こえていました。
子もかわいそうですが、親も大変でした。
2019.12.13(金)
8時30分に成田到着です。
特に申告する物もないので、通関も楽に入国できました。
大きなスーツケース2個を宅配便に預けてから京浜スカイライナーで上野に向かいます。
***夫の友人いわく
日本人女性と現地男性が結婚することはよくある。
ワーキングホリデーとかで知り合って結婚するけど、逆のことは起こっても長続きしないで離婚してしまう。
    「愛してる」とか 「好きだ」とか なかなか言えない日本男児には国際結婚は難しいのかもしれません。
    逆の場合は日本女性が世話をやいてくれる(尽くしてくれる)のを、とても嬉しがるのだそうです。

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着物でおでかけ備忘録 (私のプライベートです。)

更新最終時間 2019/12/14 11:10:45完 

着物でパース (2019年12月2日〜12月13日)

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