このページのほとんどが、現地からのレポートです。

私どもにとりまして、2013年は節目の年です。
アニバーサリー旅行をいつにしようかどこに行こうかと迷った挙句、20年ぶりのパースに決めました。
当時は週に2便の成田 -パース線がありましたが、現在は直行便はなくなりオーストラリアのどこかの都市で乗り換えが必要です。

往路
自宅→新潟空港→成田→シドニー→パース
復路
パース→シドニー→成田→JR東京→新潟:自宅
すべて、自身で手配した個人旅行です。

今回は、現地に到着するまでに乗り換えも多く24時間以上かかりますので、往復の移動は悩んだ末、洋服にしました。(まともな服を持っていませんので10年ぶりに洋服を購入しました)
20年前に行った時は着物持参で、1回だけ着用しました。
今回は、どのくらい着れるかな。
パースには、夫の友人が30歳前後の頃から移住しています。前回もお世話になりましたが、この度も何かとお世話になっちゃう予定です。
お時間のある時に「6泊9日パースの旅」をご覧くださいませ。
パースの基本情報
オーストラリアの国土は日本の約21倍です。東側と西側の間は、航路でも4〜5時間かかります。
首都・・・・・・キャンベラ
国家元首・・・・英国女王エリザベスU世
気候・・・・・・南半球ですので、日本とは逆
時差・・・・・・パースは日本から1時間遅れ、シドニーは日本から2時間早い
言語・・・・・・英語ですが、独特のなまりとアクセント
ビザ・・・・・・ETAS(電子ビザ)が必要です。現在はネットで簡単に申し込めるようになりました。
為替・・・・・・AUDオーストラリアドルは相場では93円前後(2013/10月現在)ですが、換金手数料が高いため1AU$は100円より高くなります。
パースはオーストラリア大陸の約1/3を占める西オーストラリア州の州都で、「世界で一番美しい都市」とも言われています。
2013.10.17(木)
新潟空港でランチをいただくため、早めに空港リムジンバスに乗って出発です。
洋服でのちゃんとした外出は久しぶりですので、少し気恥ずかしさもありましたがすぐに慣れてしまいました。
ケープも中に着ているシャツもガーゼ素材で、優しい肌触りです。
空港でいただいた半チャンラーメンは、思いがけずとってもおいしかったです。
ラーメンはあっさり、チャーハンはパラパラ。デザートは杏仁豆腐とライチでくるんだチェリー。
空港で食事する機会は多くはないですが、どこのお店もおいしいです。
ANA航空で成田に向かいますがスタッフの方が調べてくださり、成田空港では乗り継ぎのカンタス航空に荷物がそのまま預けられるとわかりました。
成田便の到着がターミナル1。シドニー便の出発がターミナル2ですので、重いスーツケースを引きずることもなく身軽に動けるのはとてもありがたいです。

成田空港ではターミナル1に到着後、無料シャトルバスに乗ってターミナル2に移動します。
出国審査を経て空港内でブラブラしていますが、けっこう空いていますね。
カンタス航空の搭乗口は端の方にあります。
2013.10.18(金)
シドニーは晴れ。機内から見えた朝焼けが真っ赤でした。
機内の食事は2回。夜と早朝です。
夕食は遅い時間帯になってしまいますので、とりあえず空港のレストランで喉をうるおしたビールとイカげそ揚げです。
食べておいて良かったです。
機内の夕食は10時を過ぎていました。
チキンを選び朝食は和食。
お粥と蕎麦でしたので、すっと胃に納まりました。
(シドニー空港にてアップ)

シドニー空港はターミナル1に到着して、荷物をピックアップしてから入国手続き・税関審査です。
友人宅への土産の食品・日本酒、米、カラスミ、加島〇の袋詰め各種、etcを事前に写真を撮り、日本語・英語の材料調理法などをまとめたファイル(夫が作成)を係員はパラパラとめくり、他の係員にも見せながら「Nice Presentation!」とにっこり。スーツケースを開くこともなく拍子抜けするほどすんなり通してくれました。
カンタス航空国内線のターミナル3へ移動するための無料バス乗り場で、再度バッグを預けて身軽になります。

シドニー発の飛行機は1時間ほど遅れてテイクオフ。
そのため、なかなかランチにありつけなかったのですが、空港で甘い菓子パンとビールをおやつにしていたので大丈夫です。
機内食の鱈のクリーム煮はお腹が空いていたこともあり、おいしかったです。
おやつタイムに配られたアイスキャンデーも嬉しかった。

渋滞で遅くなったと言う友人の迎えで、ホテルに到着したのは
新潟の自宅を出てから30時間後でした。
部屋の外に出る元気もなく、ビールとワインを飲みながらルームサービスで焼きたてピザとサラダを注文です。
ゆっくりと休めました。
2013.10.19(土)
10時前に宿泊しているホテルがあるフリーマントル駅から電車に乗って、所用を片づけるためパース駅まで往復しました。
戻ってそのまま、フリーマントルマーケットをぶらぶらしましたが、時折降る雨で寒くてたまりません。
フリーマントルのレストラン「ご飯」というお店でラーメンとお好み焼きをいただきましたが、数種類あるビールから選んだものはライチ味です。フルーティでおいしかったです。

ホテルに戻って洋服から着物(袷の紬)に着替えて夫の友人宅へお呼ばれです。
今回の旅行の目的は夫が「あのヒラ牡蠣をもう一度食べたい!」と思い続けていたことも一つです。
新潟で、一度だけ食べられたことがありましたがそのお店もなくなってしまいました。
友人宅では大皿にたくさん用意されていて、更にお代わりもありました。
(そのほとんどを夫が食べていました。)
9年ほど前に新潟でお目にかかって以来の友人と、20年前の訪問の時には一時帰国されていたので私たちが戻ってから新潟でお会いした奥さんと下の娘さんが歓迎してくれました。(上の娘さんは日本へ旅行中とのこと)
時間がたつのも忘れて、杯を傾け話は尽きません。
オーストラリアは入国審査で税関が厳しいとのことでしたので、万全の申請準備をして持ってきた日本酒や珍味を楽しみながら夜は更けていきました。
2013.10.20(日)
きょうはお天気が良くなりそうですが、まだ気温は低いです。
袷の着物は1枚だけですので、帯を替えてお出かけです。
ホテルの近くのお店で、ブランチです。運ばれてきたお皿のボリュームを見てホッとして、これなら完食できそう。
こんなに冷たい風なのに半そでを着て、外のテーブルで冷たい飲み物を飲んでいる方々は・・・・?!
歩いて行ける所に、世界遺産になっている「フリーマントル刑務所」があります。
19A$で内部を案内してもらえますが、希望すれば日本語・中国語・ドイツ語などの解説器を貸してもらえます。もちろん、日本語バージョンをお借りして見学しました。
当時、パースやフリーマントルを活性化させるために、イギリスから16万人の受刑者と看守・退役軍人などを運んだそうですが、あまりにもコストがかかるためにその後中止になったそうです。
地元の石灰石から造られた広い刑務所跡が観光地となっています。
ナイトツァーや脱獄ツァーなどもあり、興味がある方には体験するのも面白いかもしれません。
フリーマントルはパースから20kmほど離れたシティです。
毎週末の金土日はフリーマントルマーケットという、市場がオープンされ観光客が集まってきます。
いろいろなパーフォーマーが街中や広場で、技を披露しますので見終わったあとは、気持ちばかりの心付けを。


マーケットの中でコアラを見ました。
現在の観光客は、コアラを抱くことはできなくなりました。
このブースでは、美女が抱いている姿を撮影するのはOKです。
ちゃんと募金箱が用意してありましたので、心ばかりの金額を。
今回、宿泊しているホテルは「エスプラネード ホテル フリーマントル バイ リッジス」という、20年前にも泊まったホテルです。
長い年月の間に、リニューアルし提携したりと変わってはいますが外観は昔ながらの面影を残してあります。
ホテルの部屋に戻ってビールで喉をうるおし、夕暮れを待って外出です。
フリーマントルは港町ですので、ホテルの向かいにある公園を横切るとハーバー沿いにたくさんのレストランバーが並んでいます。その中から大人向けと思われる1軒に入りました。
落ち着いた雰囲気の窓際からは、停泊している船やクルーザーが見えます。お店を選ぶのに時間がかかり、すっかり暗くなってしまいました。
ここでも、オイスター(ヒラ牡蠣)がメニューにありましたので、夫はまず2個頼んで食べてから更に1ダース頼みました。「日本では食べられないんだよ〜」と、力説しながら。(笑)
帆立もおいしく、〆のリゾットも量は二人で充分です。
2013.10.21(月)
きょうから晴れの日が続きそうですので、着物は単の紬です。
日蔭は少し肌寒いですが、日なたは紫外線が突き刺さるような感じです。
ホテルから歩いて、「西オーストラリア州 海事博物館」に向かいます。
夫の要望でもある、潜水艦の内部見学を申し込みました。1時間半ほど説明員の方が実際に使われていたサブマリンの中を解説しながら案内してくれます。
映画の世界くらいしか知らない潜水艦の内部は天井も低くて狭いです。乗組員のベッドにはベルトが付いていて寝ている時も固定していなければなりません。寝台車よりも更に狭いです。
申し込みの時には写真を見せながら、階段や丸い出入り口が多いけれど大丈夫かと確認されます。ノープロブラムです。・・でも、けっこうきつかったです。

CATバスに乗って次に向かったのは戦争記念碑がある、フリーマントルで一番高い丘です。
海・街など360度見渡せます。
風がさわやかで心地よいですが、日差しが強い。

丘を下りてから1ブロックほど歩いて、フリーマントルアートミュージアムで一休みです。
展示作品は地元の方々で前衛的なものや、薄い木の板に繊細な絵が描かれたものです。
喫茶室ではビールで喉をうるおしました。
いつも飲んでる・・・と思ってしまいますが、乾燥した空気にビールが良く合うのです。

フリーマントル市には通常のバス以外に無料のバスが2ルートあります。
バス停で待っていると、10〜15分間隔でやって来ます。
行きたい場所とルート・降りる番号などを調べておいて便利に乗らせてもらってます。
夜は友人宅に再びお呼ばれです。
そんなに多くの量を食べない私たちのために、和食を用意してくれました。
今夜は大きいヒラ牡蠣もたくさんあります。(6ダースほど買ってくれたそうです。)
牡蠣は亜鉛を含む食品の中で、ナンバー1です。
亜鉛不足になると様々な症状が出るようですが、亜鉛過多の結果は怖くて調べられません。
今夜は私も4個ほどいただきました。(昨夜は1個も食べていません。)
〆の味噌汁まで、心づくしのご馳走をおいしく、楽しくいただきました。

友人宅には2匹の猫がいます。どちらも黒ですが、若い男の子のほうがスリムです。
2013.10.22(火)
きょうも日中は暑くなりそうですので、単の紬です。
お仕事がお休みの友人が迎えに来てくれて、車でパース市内に向かいます。
キングスパークの中をドライブした後の、街中は工事中のためひどい渋滞です。
お昼頃にようやく次の目的地のバーズウッドにある、クラウンメトロパースホテルに到着しました。
バイキング形式のランチをいただきましたが、豪華なものです。(ここでも夫はヒラ牡蠣を食べていました。)ワインやソフトドリンクは料金に含まれていますが、やはりビールで喉をうるおしました。
前回も泊まったこのホテルにはカジノがあります。最近のスロットマシンなどはあまり楽しくないように思えます。
ルーレットで少し遊んで来ました。
夕方にパース駅の近くで待ち合わせた友人夫妻と、櫛焼のお店で食事です。
このお店はB.Y.O「Bring Your Own Bottle」というシステムで、自分たちで飲み物を持ち込みますので、近くの酒屋でビールやワインを仕入れてから訪問です。
スタッフは日本人で、作務衣に前掛けです。
9時半にはラストオーダーでした。
帰り道に寄ってもらったスワン川対岸からの
パースの夜景です。
2013.10.23(水)
きょうも快晴ですが、風が強そうです。
単の紬に半幅帯の結び方を変えて、フリーマントル駅から電車に乗ってパースへ向かいます。
パース駅周辺では、会社員と思われる方々が外でランチをしています。
チラッと見ると、納豆の手巻きとか太巻きとかも多く、ヘルシーな日本食は人気のようです。
パースの街中でも走っている無料のCATバスに乗って、窓外の景色を楽しみます。


友人一家とはもうお会いしないと思っていたのに、今朝電話がありパース最後の夜にまたまたお呼ばれです。

日本国内では、商売では禁じられたユッケのいいのが手に入ったから・・・との連絡に迷うことなく「お伺いさせていただきます。」と快諾です。
もちろん、牡蠣も豊富に用意されてました。
〆のお蕎麦までおいしくいただき、最後の夜は暮れていきました。

3回もお呼ばれした友人宅です。
50年ほど経つ建物だそうですが、西オーストラリアはほとんど地震がないため
レンガや石灰岩で造られた家が健在です。
最近は土地や家の値段も上がって、物価も高めだそうです。
2013.10,24(木)
今日も快晴ですが、風が強いです。川や海が近いからカモメもたくさん飛んでいます。
久しぶりに洋服を着て、今日は移動日です。
奮発して、ホテルから直接パースの国内線空港に向かいます。
タクシーの運転手は無口なインド人でした。
運転中もターバンの巻き方を気にしていて、細いペーパーナイフのような物を差しこんで形を整えたり、眉の上の線まで引っ張ったり耳を全部隠したり・・・。視野に入るため、笑いをこらえるのに苦労をしました。(笑)

シドニーに向かう国内線はパース空港ターミナル4から出ます。
機内食のあとは、アイスクリームが出ました。

シドニー空港に到着したのはターミナル3で、無料のシャトルバスでターミナル1に向かいます。
バッグはパース空港で預けたまま、成田空港まで届きます。
      夜食と朝食です。 機内から見えた夜明け
カンタス航空のCA(キャビンアテンダント)は男性が多いです。
20年前の時は往復(直行便)とも、男性だけでした。
今回は半分以上が男性で、楽しそうにニコニコと給仕をしてくれて万が一の時には守ってくれそうな気持にさせてくれます。
2013.10.25(金)
成田空港の開業6時を待って、無事に着陸です。(台風が近づいているようです。)
JRターミナル2駅から全席指定の成田エクスプレスは、足元ゆったりでとってもラクです。
東京駅からは2階建ての新幹線に乗りますが、フラット車両を選んでありましたのでここもラクラクです。
新潟駅からは徒歩ですが、幸い雨は止んでおりました。


20年前にパースから戻った時は、シルバー世代になったら移住したい!と思ってしまいましたが、現実的にみると「無理だなぁ」と思えます。
物価が高い。
例えば果物などはキロ当たり数ドルで安いものもありますが、手をかけた物や食事などは日本の感覚よりもかなり高いです。
ワーキングホリデーなどで外国人も多いですが、若い女性が「HOME LESS」と紙に書いて、歩道の端で施しを待つ姿や年配の男性が近づいて来て手を出すなどは、どこの国でも変わらないのかもしれません。


《着物を着ていて》
今回は、6泊中5日を着物でお出かけしました。
最初の2日は寒かったので、袷を
3日目からは単です。
長襦袢は連日同じ単を着用ですので、事前に半衿を二重にして汚れたら外側をはずそうと準備しましたが、乾燥した空気のせいかほとんど汚れません。
外国で衣替えの決まり(マナー)は通用しませんが、基本的には着る物ですから気温に応じて替えます。

オーストラリアの方はフレンドリーです。
行く先々で「holiday?」と声を掛けられます。
居心地悪くなるような視線を感じることはほとんどありません。
にこっと眺めているか、すれ違いや出会いがしらに
「beautiful dress」
「lovely」
「gorgeous」
などのお誉めのことばは多くいただきましたが、「きもの」という単語を使われた方はいませんでした。
こちらから「きものです。」と言うと、「OH, I see. Kimono!」と。
乳母車を押した金髪美女から「Waw! beautiful lady」と言われた時は、素直に嬉しかったです。
お一人だけ、「変わった履物」と言われた時には、「下駄です」と。
私は海外ではいつも黒塗りの右近下駄を履いています。
今回は毎日一万歩以上歩いていたのですが、たぶん靴よりもラクです。(私にとって)

次に訪問するのは10年後かな・・・・?

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更新最終時間 2013年11月11日 22:03:11

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着物でおでかけ備忘録 (私のプライベートです。)

パースで着物 (2013年10月17〜25日)

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