いま、できること。
あれは、四月二十九日、ゴールデンウィーク最初の日のことでした。
夕食後に入った一本の電話。それはいつもみんなの詩集・夢ぽけっとでお世話になっている
水内さんからでした。何だろう、と思っていたら
「『さくら』なんですけど、半分ぐらいになりませんか」と。
「半分ぐらいになると収まりがいいんですけど」って。
「実はアンソロジーを作ろうと思ってるんですけど、そこに入れたいなと思って」と…。
そう、この水の譜の五月の詩作品に載せている『さくら』。実は、出来上がったと同時に
水内さんにも送らせていただいてました。
震災後に出来た詩として、とにかく誰かに読んでほしい、そんな思いからのことでした。
もちろん詩集に加えていただけるのは光栄なことです。素直に嬉しかったです。
ですので喜んでお受けしました。
そうこうしながら、今度は五月中旬過ぎ。再び水内さんから電話が入りました。
「七月にNHK文化センターで詩と音楽(仮)っていう題でチャリティをするんです。
それで僕が詩の部分を担当するんですけど」って。
「『さくら』なんですけど、朗読してみませんか」と。
「紹介は僕がしますから。読むだけですから」って。…
結局、突然のことに驚きながらもその企画そのものに興味をそそられ、参加させていただくことになりました。
これまで、詩を書いてきた(また、これからも書いていく)人間の一人として、
こういう時だからこそ詩を書き、発表するという形で声をかけてくださり、少しでもお役に立つことができるのは
本当に有り難いことです。ですが人前で自作を朗読するのは初めてのことですので
今からドキドキしています。あと、『さくら』については、基本的に行間を詰めただけですが、
少しだけ表現を変えて、すっきりしました。つまり、書き下ろしとなります。
これが、いま私にできること、です。
お時間がありましたが、是非お出掛け下さい。
「ことばの力、音の力」
日時:7月3日(日)午後2時〜4時
受講料:1000円
会場:東別院ホール
問い合わせ:NHK文化センター名古屋教室 電話052−952−7330
<2011.06.15 vol.129>