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NYフィルを聴くのは6年以上ぶり。(前回はマゼールだったと思う。)随分印象が変わったような気がする。前回のときは、さすが世界一の街のオーケストラ、洗練されているけど、ちょっと気障かななどと思いながら聴いていたが、今回は、全くそういう印象は浮かばなかった。指揮者の違いなのか、時間の変化なのかは分からないが、5年以上も経てば、オケも随分変わるのだとは思う。
その変化の印象は、必ずしも肯定的なものではない。特に、2曲聴いたベートーベンの違和感がどこから来るのか分からないが、「本当にこの曲ベートーベン?」という感じすら残った。
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲は、初めて聴いたが、ショスタコ苦手の私としてもいい曲だと思う。この曲については、オケも、良かったと思うが、なんと言ってもバティアシュヴィリのヴァイオリンが良かった。端正な立ち姿通りの演奏は、とにかく気持ちよい。また、グァルネリの音色もその演奏スタイルにぴったりだった。特に、理性と熱情のバランスのとり方がとにかくいいと思った。(ぐっと理性に寄っているのだが。)
最後のガーシュウインは、さすがに良かった。そう思って聴くからということもあるのかも知れないが、これだけの演奏ができるのに、あのベートーベンは一体何だったろうと思ったくらいだ。
アンコールの最後に演奏された「ローザムンデ」の弦楽器の豊かな情感を聴くと、やはり指揮者の影響が大きいのかなと思ってしまう。
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