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以前、彼女のピアノ協奏曲(モーツァルトだった)の演奏を聴いて、一度ソロコンサートを聴いてみたいと思っていた。その期待に違わない演奏会だったと思う。
ハンガリー狂詩曲やラ・カンパネラといったいわばピアニストのキラー・コンテンツを最後に並べるプログラムは、自信なのか、気負いなのか、ショーマンシップなのかなどと思っていたが、そのどれでもないように感じた。
「ピアノの申し子」というと少し大げさかも知れないが、ピアノを弾くということが人生そのもの、息をしているのとそれほど変わらないという感じだろうか。
大きなリサイタルでは聴く機会の少ないYAMAHAのピアノだったということもあるのかも知れないが、リリカルで清潔感のある演奏はとても良かったと思う。出だしのバッハでさえ、いつも聞く音とは随分違うものだなと感じた。
滅多にピアノのソロコンサートなどは聴かないので、適切なコメントを書く自信は全くないが、こういうコンサートを聴いていると、ピアノが好きという人の気持ちがよくわかるような気がした。そして、私も、もう少しこういうコンサートを来てみたいなと思った。
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