紀尾井シンフォニエッタ東京 第46回定期演奏会
2004年10月23日(土) 18:00開演 紀尾井ホール



いかにもピノック、KSTという組み合わせらしく弦のアンサンブルが実に整った演奏。
本コンサートで一番印象に残ったのは、地震。
本震があったのはコンサート直前で、東京は震度4。携帯からインターネットにアクセして調べたところ新潟県中越地方が震源地との情報。コンサート中も、何回か揺れる。特に大きい余震(2回)のときは、シャンデリアがかなり大きく揺れた。さすがに演奏は止まらなかったが、ピノックは地震など経験したことないはず。楽章の合間に客席の方を向いて肩をすくめる仕草が印象的。
被災地の皆様には心からお見舞い申し上げますが、東京で、こうやってたくさんの人が集まっているところで大きな地震があったら本当に大変だろうなという実感は残った。

ウィーン国立歌劇場2004(フィガロの結婚)
ウィーン国立歌劇場2004(ドン・ジョバンニ)
2004年10月9日(土) 13:00開演 NHKホール
2004年10月15日(金) 18:30開演 東京文化会館



小澤征爾の記念すべき凱旋公演。
私にとっても、念願のウィーン国立歌劇場初体験。今まで、何回もトライしながらなかなかチャンスがなかったので、それだけでも無条件に感激。
本公演にはいろいろの評価があったようだけれど、私は歴史的快挙だと考える。「音楽の世界に国籍や民族はない」などということはあり得ないわけで、画期的と素直に考える。とはいえ、そこは最もグローバルな音楽の世界だからこそであろう。スピルバーグが歌舞伎の引っ越し公演を監督するなどということは当分(永遠に)起こらないだろうから。
そういう歴史的条件を考えれば、この公演が「がちがちのオーソドックスさ」にあふれるのは当然のことと思う。今までの完成形(洗練の極み)をできる限り尊重するという小沢のスタイル(そう私は感じた)は、これでいいのではないかと私は思う。
グルベローヴァ、キルヒシュラーガーの二人の声は特に印象に残った。
それにしても、2人で1公演あたり10万円余りというのは高いと思います。(理屈は解っていても・・・。)

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