京都市は北辺、上賀茂に生息する遊民です。
 遊民とはなんぞや。石川淳『江戸文学掌記』によると、『狂歌奇人譚』には士農工商とは別に「遊民」なる身分があったそうです。天明狂歌師の宿屋飯盛が「遊民」であり、曲亭馬琴、十返舎一九が「遊民」となっているとのこと。その話にいたく興味をもって、恣意的な自己紹介ができるところでは不遜にも「遊民」を称している不届き者がこの私です。「遊民」なる身分は、石川淳のいうように士農工商・四民の列を無化するモノであって、秩序からの「遊」であったわけですが、わたしの場合はとてもとてもそんな大層なものではありません。俗塵をのがれて典雅の境地に遊ぶなど、夢のまた夢、単なる「遊び人」とでも「す浪人」とでもいいましょうか、心は逍遙遊の世界にあこがれつつも身体は日々の生活にアクセクせざるを得ない、いうならば日陰に蠢く下等遊民といったところでしょう。
 それでいて、世に「学」という称を得る文章との戯れに、生憎ながら惹かれてしまい、輝ける日本の古典文を玩んでは、まあ、こんなつまらぬホームページを作るにいたったという次第。謹言頓首頓首。




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