アンの愛情の言葉 第51回
その家には愛があるの、フィル……世界中のどこを探しても、その家にしかない、誠実で、優しさのこもった愛……その愛が、私を待っていてくれるの。愛があるからこそ、私の休暇の光景はすばらしくなるの
There'll be love there, Phil -- faithful, tender love, such as I'll never find anywhere else in the world -- love that's waiting for me. That makes my picture a masterpiece,
モンゴメリ作『アンの愛情』
"Anne of the Island" by L.M.Montgomery
第7章「ふるさとへ帰る」よりアンの台詞(集英社文庫 80ページ)
大学生になって初めての冬休み、アンは、大学のあるノヴァスコシア州キングスポート(実際はハリファクスがモデル)から、鉄道と船を乗りついで、はるばる遠いプリンスエドワード島州のグリーン・ゲイブルズ農場へと、帰っていくのを楽しみにしています。
ところが、アンの親友でお金持ちの令嬢フィルは、実家の屋敷に泊まりがけで遊び来るよう、誘います。
つまり、ダンスに、馬車の遠乗りにと、愉快に楽しんで、豪勢にすごそうと、アンに持ちかけるのです。地味な田舎に帰るなんて、退屈だから、よしなさいと。
しかしアンは言います。
私は、冬景色に囲まれた古い農家へ、二人の初老の女性と双子の子どもがいる家へ帰っていきたいのだ、と。
その理由が、今日の言葉です。
なぜなら、その家には、自分を待っている愛がある。
世界中のどこへ探しても、その家にしか見つけることのできない自分への愛が、私の帰りを待っていてくれる、だからこそ、たとえ地味な田舎でも、私の休暇がすばらしいものになるのだ、と語るのです。
それを聞いたフィルは、黙って立ち上がり、アンを両腕で抱きしめて言います。
「私も、アンみたいだったらいいのに」
"Anne, I wish I was like you," (現在の仮定で、仮定法過去ですね)
この冬休み、帰省して家族とすごす人は、どうぞ、愛に満ちた、すばらしい年末と新年をおすごしくださいますように。
ご家族と離れてすごす人は、ぜひお電話をかけて、大切な人と話してください。
電話のむこうには、あなたを大切に思っている愛があるのです。
どうぞステキなクリスマスを……。
I hope everyone of you will have a warm Christmas and a very happy new year.
今年一年の心からの感謝をこめて……。
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