#1998  Comics 再発! 「I・餓男 -アイウエオボーイ-」[9th] 1巻
Ver.14. 2 0 '08/02/24
漫画スーパーワイド (小池書院) 11月25日 発売
 「I・餓男 -アイウエオボーイ-」が、また、再発されました。今回の再発は、9回目。人気作品は、何度でも再発され、いつの時代でも入手できるようになっているんですね。その理由は、池上先生が現役で描かれていて、第一戦で活躍されていること。さらに、池上先生の描がいた作品が、今もなお魅力的だからでしょう!

 とはいえ、この1巻での池上先生の描き方を見て、疑問を感じるみなさんも多いはず。小池書院から発売されている「漫画スーパーワイド」シリーズを読まれている方や、小池一夫×池上遼一タッグの代表作が好きな昔からのファンの方からすれば、絵や構成の仕方に抵抗をもたれるかもしれません。「傷追い人」や「クライングフリーマン」などの作品の描き方とあまりにも違うからです。

 それもそのはず、今回発売された、「1巻殺愛行」で描かれた作品は、1973年に描かれたものです。いまから、ちょうど、35年前に描かれたものなのです。池上先生の描く絵は、その当時から高く評価されていたわけですから、1973年当時の漫画技術の先端ということです。そして、池上先生はさらにこの作品で、技術的な磨きをかけていきます。そう考えるとすごいですよね。

 「I・餓男 -アイウエオボーイ-」は、1973年、「週刊現代」(講談社)に連載されたものです。週刊現代には、当時、2本の漫画の連載がありました。1本は、池上先生の本作品、もう1本は、小池一雄×小島号剛夕タッグの「首切り朝」です。(この作品も感動的です。是非、一読してください。)今回再発された1巻で描かれた作品は、新春1号(1月3日号)から、27回にわたって連載されたものです。

 本作品は、小池一夫(当時は、一雄)氏との初の組み合わせです。小池先生との出会いは、池上先生の作品にものすごい影響を与えます。小池一夫×池上遼一タッグがあったからこそ、今の池上先生があると言っていいでしょう。小池先生からの要求をそれに応えた池上先生の努力により、「I・餓男 -アイウエオボーイ-」の絵は年を追うごとに磨かれていきます。1979年、GORO(小学館)での連載が終わるまでに、これでもか!というほど、絵が変わっていきます。描き込み方もものすごいものがあります。みなさんは、この作品をすべて読み終えたとき、1979年の描いた絵で終了するわけであり、この1巻での池上先生の絵は、脳裏から消えているわけです。
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