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Nikon F5 AiAfNikkor105mmF2.8S f16 AE S-400

◇ プロローグ ◇

一眼レフの魅力のひとつに、望遠レンズが使いやすいことがあげられる。
見えないものを見せてくれる、望遠鏡や望遠レンズは、魅力的な存在である。
そんな中、今回紹介する、600mmF4などの超望遠レンズ群。
バーダー(バードウォッチャーよりもマニアックな連中)の筆者はもとより、あの金色に輝く「ED」の文字は多くのアマチュアカメラマンの憧れの的であろう。

「600mmなんて何に使うの?」
「一般的じゃないよね。」

そう、スポーツと自然観察、それとパパラッチぐらいですかね?
だから、この手のレンズは、非常に高価で特殊なものであった。
ちょっと前は、こんなもの担いで歩いていると、不審者扱いされ、おまわりさんに呼び止められたものだった。

最近は、担いでいる方を良く見かける。
バーダーもだいぶ市民権を得てきたということか。
新製品も良く出ているようだし中古店でも、置いてある店が多くなった。、

ところが、超望遠レンズを、写真趣味の観点から書いた文献が意外と少ないのである。
高価であるから高性能といってしまえばそれまでであるが、それでは味気ない。
本稿は、筆者のつたない経験からではあるが、使用感を綴ってみた。
参考としていただければ幸いである。



光り輝く「ED」エンブレム
Nikon F5 AiAfNikkor105mmF2.8S f16 AE S-400

◇ 歴史 ◇

ちょうど今月(2002年1月)のニッコール千夜一夜物語が、佐藤治夫さん著の初代「サンニッパ」である。
「ED」レンズの歴史は「300mmF2.8」の変遷としてこちらに詳しく記述されている。
ニコン様の超望遠の使い手として著名な柴田三雄氏はニコン様の超望遠レンズに対してこのように分類している。
「Fの時代は普通のガラスで望遠レンズを作った。F2の時代に第一世代のEDレンズが出た。F3の時代に第一世代のEDレンズが出た。」
(季刊クラッシクカメラ No.9 双葉社 2000より抜粋)
柴田氏の言葉を借りるなら、
F2の時代に、「ED」ガラスと「IF」の採用、F3の時代に「150mm玉」、保護ガラス採用、F4の時代、新光学系レンズ内コアレスAFモーター採用
F5の時代、新光学系、超音波モーター採用
となる。

この、Ai Nikkor600mmF4S<NEW> はF3の時代、1982年に発売された1型のマイナーチェンジモデルとして1985年に発売された。
のち、F4の時代AiAF-I Nikkor600mmF4D、AiAF-S Nikkor600mmF4Dと併売され、1997年ごろ(ちょっとあいまい)MFのAiNikkorの値上げ時にカタログより消滅した。



Nikon F5 AiAfNikkor105mmF2.8S f16 AE S-400

◇ 諸元 ◇

○身長・体重

全長は約47センチ強、重量5650g
AF-SやAF-Iより長い。設計に無理がなく高性能が期待できる。

ニコン様高級レンズ特有の梨地塗装を施されている。
組み込みフードは前縁部を回すと数センチ伸びる仕組みになっているが、あまり役に立たない。
付属のエクステーションフード“HE-5”を装着してやっと役に立つ形となる。

各操作部は、他MFニッコールレンズと同様しっかりした造りで安心感がある。
ピントリングだけ、他ニッコール(IF以外のニッコール)の「グリスがネットリ」とは違い、かなり軽く感じる。
IFの望遠ニッコールの特徴でもあるが、悪く言うと「スカスカ」である。
が、工作精度がよく“ガタ”が無いため、悪い印象は無い。


○伝統の光学系

前群に2枚のEDレンズの凸レンズと色消しレンズ。後群に凹エレメント。
典型的な、テレフォトタイプ(佐藤治夫氏 ニッコール千夜一夜物語)この光学系は、1977年のAiNikkor600mmF5.6から1988年発売のAiAFNikkor300mmF2.8S<NEW>まで
ほぼ同様の構成で貫かれている。
本レンズも例に漏れず、6群8枚で同様の構成である。

1992年発売のAF-INikkorより新設計のレンズ構成となっている。

尚、NSKの重鎮やまちゃん氏によると、この「150mm玉」各種は、イメージサークルが大きく、マウントを改造してブローニー版に使っている人がいるそうである。

 

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