48-9:沖縄県 南城市 興作のおもちゃ箱   



所在地:沖縄県南城市佐敷兼久95

取材時期:2010年12月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

沖縄、珍スポでネット検索するとかなり上位に食い込んでくるのが、この「興作のおもちゃ箱」。身の回りの品物を用いオリジナルのおもちゃを自作しているという。今回の沖縄取材で訪れることにしてみた。斎場御嶽から国道331を佐敷町方面へ。そろそろこの辺かなぁ、と思っていると右手に巨大なお面が!。こ・これかぁ、とフィットを駐車場に押し込んだ。

巨大お面はグラスファイバー製のちょんまげびっくりおっさん顔。その横に「全国TV放送 探偵ナイトスクープ取材の処」「不思議なスポット」とある。自分で「不思議なスポット」と名乗ってしまう大胆さ。ペットボトルで作られた風車が無数に回っている図は、今にも雨が降り出しそうな天気と相まって、不気味な雰囲気を醸し出している。それでは早速おもちゃ館に行ってみよう、と建物の半地下になっている入り口に降りた。すると張り紙に「ご来館ありがとうございます。10〜15分の所に居ます。電話をください」とあり、その下に090で始まる携帯番号が。すでに4時を回っており、わざわざ呼び出すのは少し躊躇われたが、せっかくここまで来たので思い切って連絡してみた。

「20分くらい待っていられるのならいいですよ」との返事だったので「もちろん待ってます」のやりとり。この時間をお庭の取材をさせていただいた。館入り口の取っ手は黒電話だったり、ウキをつかったカエルくんがいたり、もちろんウォルト・ディズニーの許可を得ているはずのないミッキーとミニーがいたり、「ミステリ〜?スポット」と書かれたオブジェがあったりで、なかなか飽きさせない。と、一台の車が駐車場に入ってきた。中から人の良さそうなおっさんとおばあちゃんが。この方が目島(めしま)興作さんであった。早速ご挨拶させて頂き、館内へ。例の黒電話の取っ手を引っ張り、内部に入ると、そこは倉庫のような場所であった。まずは「おもちゃ箱」というくらいなので、その「おもちゃ」についての解説から入る。

  

壁際に陳列台据え付けられており、そこにどう見てもガラクタとしか思えないような珍奇な物体が多数。まずは一番手前の振り子のようなものを持ち出し、コーサクさん「これ何だかわかる?一回動き出すと何時間でも動いてる振り子なんだよ。面白いだろう、ほら」と言い、動かしだす。お次はペットボトルの中にコインが入っている。「これどうやって入れたかわかる?」ときた。確かに飲み口が小さくてそこからは出し入れできない。「ここに切り込みが入れてあるんだよ」とボトルの側面を押し開き種明かしをしてくれた。「じゃ、こっちは?」と別のボトル。これには切り込みが無い。「わからないだろう」と何とも楽しげなコーサクさん。「何でもコツなんだよ、それさえつかんでしまえば国体の重量挙げでも入賞できるんだ。この絵だってコツをつかんだから描けたんだよ。」といってマリリンモンロー(だったかな)を指さしたのであった。

コーサクさんの解説はさらに続く。一度回し始めると延々回り続けるコマや、こちらもペットボトルを利用した自動シャボン玉作製マシーン、3D(のように見える)箱やしまいには人間を載せて延々廻る木馬まで登場してきた。な・何なんだこのおっさんは?なかでも面白かったのは「ちぇーリング」と「アンビリ〜バ棒」。これは二つとも購入してしまった。う・うまくコーサク爺にのせられてしまったぜ!ちぇーリングはネックレス様のチェーンに4cm位の金属の輪を通して落下させると、あら不思議?自動的に金属の輪にチェーンがからみつく、という代物。「横にしてもできるよ」と実演してくれたときに、大体その原理はわかった。けれども実際にやってみるとかなりコツが必要でなかなか上手くできないのだ。結局、「こうやると良いのだよ」とコツを伝授してもらい、二回に一回はうまく絡まるようになった。


さて問題なのは「アンビリ〜バ棒」である。細い竹の筒の内筒に持ち手がついた細い棒が刺さっている。一度、その細い棒を竹筒から完全に抜き取り、細い棒の目印のついたところまで押し込む。コーサク爺がなにやら念じると、その棒が奥の方に吸い寄せられ、持ち手を離すと「ぴっしっ」という音を立てて竹筒に収まる、という代物。当然棒と筒の間にヒモやゴムなどは存在しない。テレビでも紹介されたので、知っている人は知っているのだろうが、ニカ家はその番組を見ていなかったので非常に驚きであった。絶対に仕組みを解明してやる、と思い、現場でいろいろ試すも、謎が深まるばかり。コーサク爺はニヤニヤしながら見守っている。うーん、悔しい・悔しい。なんで重力に逆らって中の棒が筒に吸い寄せられるんだ?そんなことがあって良いのか?見るに見かねてコーサク爺が「教えてあげようか・・」ときたが、ここまで来た以上種明かしはゴメンだ。結局現場では解明せず、横浜持ち帰りとなったのだ。爺の話によると、あまりに悔しくて、筒をバラバラにしてしまった人もいるとか。帰宅翌日、何気なく筒と棒をいじりながら、「ヒント:なし」と書かれた解説紙片を眺めて、ハタと気付いた。な〜るほど、そういうことだったのか。これは気付かないわ、と一人で納得したのであった。


それはさておき、いろいろとお話を聞かせていただき、2時間以上おじゃましてしまった。外はとっぷりと暮れ、雨まで降り出している。コーサクさんとお母さんにお礼を言い、取材終了。とても面白いスポットなので、沖縄に行った際は是非訪れてみてはどうでしょう。


リンク等:

取材記録48に戻る |  にかのページメイン | ニカ家のページへ