1.滋賀県大津市田上山
朝の9時にJR石山駅で電車でやってくる近畿地学会のMさんとIくんと落ち合い一路田上山へ。実は帰省ラッシュをさけるために朝の4時半に車で家を出発、5時半には石山に着いていました。時間つぶしに天神川の河原をうろうろしたが収穫なし。南郷の洗堰(写真1)で釣り人を見たりしていた。やっと9時前になり2人と落ち合ったのでした。
いざ出発。瀬田川沿いを南下して、南郷洗堰の東にある田上の町を通り抜けて天神川沿いの道を進んでいくと第一のゲートがあり、手前に車を止められる小さな広場があります。ここに車を置いて歩き始めました。第2のゲートは鍵がかかっていました。平日は作業の車が通るのでゲートは開いていますが、いつ閉められるかわからないので、必ずゲート手前の広場で車を止めるようにしましょう。
第2のゲートから4km先が目的地です。さあ出発です。緩やかな登りです。ゲートからの距離が500mごとに看板があるのでよくわかります。
2.5km地点、道の左側に写真2の露頭があります。ここからは水晶などが採れるそうです。かなり急な崖なので気をつけてください。この地点少し手前から緩やかな下りになります。
車が通れる最後の所まで行きます。そこが4km地点です。人が通れる道が続いているのでそれを進みます。少し下りです。10〜20mすすんだ所から右に崖を降りる道?があります。わかりにくいですが人がよく通っているので気をつけるとわかると思います。下まで降りて小さな沢をわたり獣道のような森の中の道を進みます。道を見失わないようにしてください。曲がり角のようなポイントには木に目印のテープなどがあるのでそれを頼りにします。
崖下につくと回りに雲母や長石が落ちているので、石を調べながら崖を上ると写真3の大晶洞に着きます。大晶洞は人が手で掘ったとは信じられないほど大きくて、中は鍾乳洞のように穴が続いています(写真4)。今なお掘っている人がいるらしく、中にはスコップやふるい、バールなどが置いてありました。休日になればやってきて掘っているのでしょうか。しかし掘っている場所は狭く、大変だと思います。我々三人は晶洞の中は見学だけにしてズリを探すことにしました。Mさんが熊手を持ってきていたのには感心しました。以前Mさんはこのズリで3cmと4cmの結晶面の美しいトパーズを採集したそうです。いろいろな話をしながら涼しい木陰で水晶やトパーズを拾うのは楽しかったけれど、思っていたほどトパーズは採れませんでした。やはり「自分で晶洞を見つけなあかん」というのが3人の結論でした。
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写真1 瀬田川にかかる南郷洗堰 |
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写真2 2.5km地点の露頭 |
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写真3 大晶洞の入り口 |
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写真4 大晶洞の内部 右下と左上に穴が続いている。 奥でつながっているようです。 中央にあるのがスコップ。 |
今回採集した鉱物の写真です。
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この日最大のトパーズです。 |
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水晶です。小さいのは無色透明ですが大きいのは黒水晶です。 |
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母岩付きの黒雲母です。 |
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長石です。 |
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カリフラワーのような曹長石です。 |
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益富雲母です。見分け方は益富雲母は紫がかっています。 |
田上山について
日本一のトパーズの良晶が出たところです。明治時代には七〜八トンのトパーズが輸出されたそうです。海抜600mほどの花崗岩の山ですが全山ペグマタイトだらけで、うろうろしていると運が良ければ晶洞に当たるそうです。採集のコースも7つのコースが有名ですが、多少コースをはずれたほうが思いがけない露頭にぶつかることもあるようです。
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