1.判決
請求棄却。
2.争点
無効審判の係属中に訂正審判の請求があった場合,無効審判の審決より先に訂正審判の審決をしなければならないか。
3.判断
「一 Y1,Y3およびY4関係
(一)特許庁における手続の経緯,本件登録実用新案の要旨および本件審決理由の要点がX主張のとおりであることおよびX主張のように,本件につき訂正審判の申立がされたが,いまだ審決がされていないことは関係当事者間に争いがない。
(二)本件各審決の取消事由の有無について
Xは,登録実用新案の登録無効審判事件の係属中にその登録実用新案について訂正の審判が請求された場合において,その訂正審判の申立が実用新案法第39条に規定する要件を具備しているときは,特許庁は,まず,訂正審判事件につき審決をしたのち,登録無効審判の審決をすべきものである旨主張するが,審判事件としての両者の関係を原告主張のように見なければならない法律上の根拠は全く存しないから,Xの右主張は,本件訂正審判において訂正が許されるべきものであるか,許されるべきものであるとして,これを考慮しないでした審決そのものが違法といえるかどうか等につき審案するまでもなく,理由がないものといわざるをえない。
二 Y2関係
Xが本訴請求の原因として主張する事実は,民事訴訟法第140条第3項,第1項の規定により,Y2において,これを自白したものとみなさるべきものであるが,本件審決を取り消すべき事由に関するXの主張は,主張自体理由のないものであること前説示のとおりである。
三 むすび
叙上のとおりであるから,本件各審決がその主張の点において違法であるとしてその取消を求めるXの本訴請求は,いずれも失当というほかはない。よつて,これを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第7条,民事訴訟法第89条を適用して,主文のとおり,判決する。」