PARADE 1986 

 1.Christopher Tracy’s Parade 
 2.NEW POSITION
 3.I WONDER U 
 4.UNDER THE CHERRY MOON 
 5.GIRLS AND BOYS
 6.LIFE CAN BE SO NICE
 7.VENUS DE MILO
 8.MOUNTAINS
 9.DO U LIE?
10.KISS
11.Anotherloverholenyohead
12.Sometimes it snows in April

「Under the cherry moon」なるプリンス2作目映画のサウンドトラックにあたる。  
「Purple rain」に比べるとインスト曲も収録していてサントラっぽくはなっている。
シングルカットされた曲の映像も映画のシーンを使ったものだったが、「KISS」だけは
全くの別物だった。殿下はこのアルバムで密室ファンクを完成させた。骨組みだけの
ビートで構成される「KISS」は真骨頂で、「Sign o’the times」への繋がりを感じさせる。
この頃が(まぁいつでもそうだが)わりと多作な時期で、平行して「Dream factory」
「Camille」「Crystal ball」というアルバムも手がけるのだが、お蔵入りとなる。
「Crystal ball」に関しては1998年に自己のレーベルから3枚組の形で世に出るが、
「Camille」は一部の曲がマイケル・J・フォックス主演の映画のサントラに使われた。
本題の映画はあまり誉められたものではなく、モノクロームの映像は趣味が良いものの、
殿下扮するジゴロの恋物語にすぎず、日本の公開は一部の映画館が一週間たらず
封切りしたに過ぎないほど興行成績に結びつかなかった。
とはいえ、アルバムは最高で50年代風の雰囲気漂わせ、粋にピアノを弾き、愛を語る。
映画もアルバムほどに出来がよければねぇ。「グラフィティ・ブリッジ」にしてもそうだけど、
この人はあまり映画の(映像、とまでは言わないが)才能はあまりない、と思いません?