1999年10月23-24日 石川町スターライトフェスティバル 参加


福島県石川町で毎年秋に行われる石川町スターライトフェスティバルに行って来ました。今年で8回目のこのスターライトフェスティバルは、夏から各地で続く定例の星まつりの締めくくりとなるものです。私は1回目から3度ほど続けて参加していましたが、その後、星見で忙しく、今回は満月に重なる日取りとなったので星見に行くのと重ならず、久しぶりに参加することにしました。

東北自動車道矢吹ICで下り、石川町母畑温泉方面に向かいました。昔行ったときは、白河ICから石川町の向かい、町の中心から会場となる母畑レークサイドセンターへと行きましたが、カーナビでルート検索すると、町の中心を抜けるよりもこちらのルートの方がずっと距離が短いので、カーナビに任せて進みました。
出発が遅かったので、日が沈んだ頃に現地に到着しました。運動会に使うような大きなテントが立ち並び、そこには、望遠鏡メーカ天文ショップなどが出展されていました。またその中には、つくば星の会飯能天文同好会のテントも用意されており、いつもながら狭い趣味の世界、知り合いがたくさんいるので、まずはぐるっと一回りしてきました。
 
テントでは望遠鏡メーカが
望遠鏡を販売しています。
コプティク星座館のテントでは、
望遠鏡のパーツが並びます。
綺麗な天体写真の数々を
展示しているテントも。

鈴木君の25cmドブソニアンを使って
月をデジカメでコリメート撮影。

離れたところにタープを張って、テーブルと椅子を並べて陣取っているグループがありました。すばる天文同好会です。その前には、見たことのあるドブソニアンが置かれています。小山星の会埼玉県庁天文同好会で一緒の鈴木君の望遠鏡です。タープの下には、すばる天文同好会吉成君がいました。私が「久しぶり」と挨拶をすると、「豚汁が出来てますよ」とすかさずもてなしてくれました。もう決まりです。今晩は、すばる天文同好会に混ぜてもらうことにしました。

話をしたり、うろうろしたりしているうちに薄明も終わり、月がまぶしく輝き出しました。早速、傍にある鈴木君25cmドブソニアン望遠鏡で、月を見せてもらうことにしました。さすがに満月前夜、暗がりに目が慣れてきたせいか、覗くと眩しくて、目がくらむほどでした。ちょうどデジカメを持ち合わせていたので、コリメート撮影をしてみました。私の安いデジカメでも、思った以上に良く写ります。やはり口径の大きさで充分な光量が得られるからでしょうか。今日はいろいろな望遠鏡メーカの方々が、観望用にたくさんの望遠鏡を出展しているので、それを使ってのデジカメコリーメート撮影をしに行きました。自分で機材を持っていなくとも、デジカメ持参で星まつりに参加すれば、メーカ出展望遠鏡を使って、簡単に惑星の天体写真を撮影できるのです。

鈴木君は特製の
トマトスープ調理中。
すばる天文同好会のテントに戻ると、鈴木君がなにやら料理をしています。先日キャンプに行ったときにトマトスープを作ったら美味しかったのでと、みんなにご馳走するために、トマトスープを作っているのでした。さすが星見界の名シェフだけのことはあります。できたてのスープはトマトの味が効いて、格別でした。

昨年、高知に転勤となったすばる天文同好会山岡さんは、飛行機と新幹線を乗り継いで、高知からはるばるスターライトフェスティバルのためにやってきました。いろいろな話をしているうちに、もうみんな宴会モードです。ワインを飲んで、日本酒を飲んで、とうとうウイスキーやブランデーまで飲み始めました。

そういえば先々週の星見の時には、Lee彗星が良く見えてたなと思い、今日の彗星の予報位置を持ち出し、極軸の合わせてあるどこかの望遠鏡で見てみることにしました。望遠鏡を捜していると、つくば星の会の方の赤道儀が直ぐに極軸が合うというので、極軸を合わせてもらい、目盛環を使っての導入に挑戦しました。しかし、ここにあるはずだという場所には、彗星は見あたりませんでした。望遠鏡の持ち主の方も、星図を引っぱり出してきて、星の位置を確認しながら彗星があるはずの視野に向けましたが、やっぱり見あたりませんでした。満月の近くで、しかも9等後半の明るさだったので、コントラストが無く、見るには厳しかったようです。

すばる天文同好会では、
宴会が始まっています。
メーカのテントの前には
たくさんの望遠鏡が。
毎年恒例、
深夜の焼き肉パーティ。

時刻も夜半近くなってきました。会場には、焼き肉パーティがそろそろ始まることを告げる放送が流れています。石川町スターライトフェスティバルでは毎年恒例となっている深夜の焼き肉パーティが始まるのです。ここ石川町では、石川牛という美味しい食牛がいます。その石川牛焼き肉を、実行委員の方々が夜半になると用意してくれるのです。これを目当てにスターライトフェスティバルに来る者もいるくらいです。
初めは石川牛と野菜。
肉が終わると焼きそば。

焼き肉をする場所に行くと、多くの人で賑わっていました。深夜にこれだけの人がこの会場のどこかに潜んでいたのかと思うと、ビックリしてしまいます。焼き肉を焼く場所は全部で4ヶ所。私は知る人達のいる鉄板の近くに行くことにした。鉄板の最前列にはもう多くの人が陣取っており、全然近づけないのです。それでも、肉を焼きはじめると、豊富に肉があるおかげで、ずいぶんいただくことが出来ました。近くのテーブルには、寄贈されたビールやら日本酒やらもたくさん用意されています。お酒を飲みながら、石川牛焼き肉を堪能することが出来ました。

ひととおりの肉が終わると、係りの者が鉄板を掃除しはじめました。実は、第二段として、焼きそばがあるのです。モヤシやキャベツと共に、細かく刻んだ石川牛の肉が焼かれ、焼きそばが加えられました。肉焼きそばでみんな腹一杯となり、酒を飲みながら次第に歓談になりました。真っ赤に燃えていた炭の火が弱くなり出した頃、深夜の石川牛焼き肉パーティは解散となりました。

いろいろな同好会のテントの下で宴会を行っていたので、少しずつ顔を出して、午前2時ちょっと前に、私は寝ました。もちろん、どのテントの下も、宴会は明け方まで続いていたようです。

7時頃に目が覚めました。会場をうろついても、みんなまだ寝ているようで、ほとんど人影がありません。私もまだ、昨晩飲んだお酒が残っているようで、さわやかな朝の空気を吸いながらほろ酔い気分でぶらぶらしていました。8時近くになって、太陽光の当たったテントが暑くなり出したのでしょうか、みんなが起き出しました。昨晩の焼き肉と焼きそばのせいか、朝食をとるほどお腹も減っていなかったので、沸いていたお湯をもらって、モーニングのインスタントコーヒーを飲みました。彗星捜索家木内鶴彦さんも我々のグループに遊びに来て、みんなでわいわいと話していました。

最終日恒例の
じゃんけん抽選会。
賞品欲しさに
じゃんけんバトルが。
終わったあとの
片づけ風景。

そうしているうちに会場に放送が流れました。最終日恒例のじゃんけん抽選会が会場のステージ前で始まるのです。ルールは簡単。その賞品の抽選に参加したい人たちが立って、ステージにいるじゃんけん嬢と一斉じゃんけんをするのです。じゃんけん嬢に勝った者だけが残り、負けと引き分けは座るのです。最終的に勝ち残った数名同士で決勝じゃんけんをして、最後まで勝った者が、そのときの賞品をもらえるというルールです。賞品は、天文グッズのキーホルダーや絵はがきから、望遠鏡、双眼鏡まで。最初は、低価格の賞品からスタートしました。私も、絵はがきセットを貰い、周りの仲間達も、ほとんどの者が賞品をゲットしました。
賞品を持って記念撮影。

そろそろ高価な賞品が出てきます。私もお目当ての物がありました。昨晩、テレビューのブースで話をしていたら、実行委員の方が「明日の抽選会の景品を何か出してくれませんか」と廻ってきました。ブースの人は、ナグラーアイピースは高価なのでと出てきた代物が、Sky Catalogue 200.0 Volume2 でした。重星変光星星雲星団の詳しいデータが載っている星表で、洋書であることから天文ショップで購入すると、7800円もします。普通の人だったら、あまり必要のない物ですが、最近、簡単な星図には載っていない星雲星団を撮影し、ホームページなどでまとめている私には、最高のお宝です。私にとっては望遠鏡や双眼鏡よりも、これが一番の賞品なのです。
Sky Catalogueが賞品となる番がまわってきました。気合いを入れてじゃんけん嬢に立ち向かっていくうちに、勝ち進んだ最後の二人に残りました。相手は高橋製作所の方でした。一対一の決勝じゃんけんに精神を集中して「じゃんけんポン」。ついに勝者となり、Sky Catalogue 200.0 Volume2を手に入れたのでした。

その後、今まで一度も賞品を手にしなかった人達だけでじゃんけん抽選が行われたり、参加者全員に石川町特産リンゴが配られたり、またまた、一番遠くからやってきた人ということで、高知から来たすばる天文同好会の山岡さんリンゴの詰め合わせをもらったりで、楽しい抽選会でした。

これで、石川町スターライトフェスティバルも全日程を終わりました。すばる天文同好会のみんなの撤退作業を手伝い、飲み物食べ物をご馳走になったお礼に、鍋や鉄板や食器などの洗い物を引き受けて、すべてを片づけてから解散となりました。
帰り際、ビーアンドプレーン林さんから、11月15日にオープンする60cm望遠鏡を完備した上尾市天文台のボランティアの話なども聞き、いろいろと有効な情報も手に入れ、石川町をあとにしました。来年も、新月をはずした時期での開催でなければ、また石川町スターライトフェスティバルに参加したいと思っています。


1999/10/31


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