次に位相反転段ですが
所要NFB=約2.8(9dB)として、6BM8のみでアンプを構成しようとするとドライバ−段から前のゲインの検討は、かなり大変です。
@フロントが3極管で、位相反転がP−K分割のアルテック型構成をとりますと(μ=70 増幅度約50前後として)NFB=約2.8(9dB)から、1.8V前後で最大出力が得られそうです。
A差動型で位相反転段のみの構成をとりますとゲインは半分に減り、(μ=70 増幅度約50/2=25前後)最大出力を得るためには3.5V前後の入力を必要といたします.しかしながら、差動型は諸特性がよく、概ね良好な結果が得られますので本機も位相反転段のみで構成し、これに半導体の定電流回路を付加した差動型回路を採用します.
.
Bこの構成ではかなり低感度ですが、使用目的によって、ゲインが不足する場合はアルテック型に変更してもよいので、差動型で位相反転のみの構成をとります。CD用途として考えるなら成り立ちます。時定数の配慮は低域2段高域3段となります.
C位相反転段だけなので、ここでできる限りゲインを稼がなければなりません。時定数が低域2段なので、高域特性よりゲイン優先で、プレ−ト負荷を120KΩと大きめにして6BM8(3)のEp−Ip動作曲線にロ−ドラインを引き、ゲインを求めてみます.
Ecの変化量 △2.25付近±1.25=△1〜△3.5でのプレ−ト電圧の変化量は115Vから235Vありますので
∴(235−115)÷(3.5−1.0)=48
と≒50倍になります。
NFBで約1/2.8倍、差動でゲインが半分になりますので最大出力時の所要入力電圧は(32V÷(48÷2))×2.8=3.7V
となります。
D定電流回路はこだわりますと真空管を使ってもいいんですが、ここでは一般的で飽和特性のいい2SK30(J−FET)を使って定電流ダイオ−ドをつくり簡単に済ませます。しかしながら特性的には十分で上下のゲイン差はほとんどなく差動回路がほとんど同時にクリップします。簡単にできるのなら、半導体アンプのいいところは取り入れましょう。一度採用しますと使わないのはソンと思うようになります。差動回路は定電流源が命です。
^^v ダマサレタ ト オモッテ
ツカッテミテネ.
E高域特性はかなり厳しく、ざっと計算すると60KHZ前後となります。
|