私が小さかったとき(十歳ごろ)、いろいろな曲を弾きたいと思ったのに、難しくて弾けない曲が多かった。今でもときどき、そのときの悔しい感情を思い出す。変ホ長調という調性でさえ、フラットが3つもあることで怯えていた。
そして、都合のわるいことに、近代の作曲家は、自分の書きたいように書く。だから、ピアノも難しい曲が多い。フォーレのピアノ曲も、易しい曲は少ない。
フォーレのオリジナル曲を易しく書き直したい、と思っている。歌曲は手頃だろう。「リディア」、「秘密」などが候補だ。
また、弦楽用の「夜想曲」もいいだろう。それから、合唱曲。
時間があるときに、手掛けてみたい。フォーレの曲を弾けるようになった人は、また一つ、世界が広がるだろうから。
パヴァーヌは、譜面は易しく見えるし、テンポもゆったりしているし、なんといっても有名な曲ですし、弾き易いのではないかと思っていました。
しかし、いざ弾いてみると、難しい曲だということがわかりました。なぜ落差があるのだろうか、と思うと不思議な気がします。
MARUYAMA Satosi