日本発の発想である赤池情報量規準 (Akaike Information Criterion, AIC) に興味を持っているので購入した。 最初に赤池氏の近影がある。また、氏の若い頃の写真もある。 これを見るに、将棋の羽生さんが年を召すと赤池氏のようになるのではないか、 と思う。
第 I 編は、赤池氏による2編の論考である。第 II 編は、AIC および周辺の話題について、赤池氏以外の4人が個別に論じている。
第 I 編で驚いたのは、 第 2 章でシバ神のパールヴァティが出てくることだった。 偉い科学者は、いろいろな領域に関心を持っているのだと感心した。
第 II 編での4編の論考のうち、 甘利氏の論考を読んだ。 氏はAIC の罰金項を指して、こう述べている。
複雑さの罰金はパラメータ数の 2 倍であった。 これが赤池マジックである。
ここで私は「羽生マジック」という言葉を思い出し、 ニヤリと笑った。
その後で、MDL (Minimum Description Length, 最小記述長距離) と AIC を比較している。甘利氏は、 AIC と MDL はどちらが良いのかという論争は、 不毛といっている。 どう不毛だったか、ということについては、 私にはわからない。興味ある人は、この論考を読まれたい。
書 名 | 赤池情報量規準AIC |
著 者 | 赤池弘次, 甘利俊一, 北川源四郎, 樺島祥介, 下平英寿 |
発行日 | 2007年7月15日 |
発行元 | 共立出版 |
定 価 | 2500円(本体) |
サイズ | A5判160ページ |
ISBN | 978-4-320-12190-4 |