物理を題材にした偏微分方程式入門。
本書は岩波講座『現代数学への入門』の一分冊を単行本化したものである。さらに、講座の分冊は、 著者の一人である俣野氏が以前に書いた、岩波講座『応用数学』の 「微分方程式Ⅱ」 をベースにして加筆したものとなっている。これらのことは、まえがきに書かれている。
p.59 で次のような記述がある。なお、引用にあたっては式番号を省略した。
初期値問題(中略)の基本解(fundamental solution)とは,次の性質をもつ関数 `U(x, y, t)` のことをいう.
`(delU)/(delt) = Delta_xU`(後略)
`lim_(t↘0)U(x, y, t) = delta(x-y)`
この `lim_(t↘0)U(x, y, t)` に出てくる右下向きの ↘ は何だろうか。 状況から判断して右極限の記号だろうが、右極限ならば `lim_(t->+0)U(x, y, t)` とか、 `lim_(t darr0)U(x,y,t)` という記号をよく見るような気がする。
私のように頭が弱いと、読むところがほとんどない。読めるのはところどころはさまれたコラムくらいだ。 そんなコラムのうち、pp.108-109 にある「地底世界の重力場」を読んで懐かしいと思った。 なぜかというと、このコラムで紹介されていた「地球空洞説」を小学校の担任の先生から教えられたことを思い出した。 真面目な本でこんなおちゃめな地球空洞説が紹介されているのはおもしろい。もちろん、 理由があるわけだがその理由は本書を読むとわかる。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 熱・波動と微分方程式 |
著者 | 俣野博・神保道夫 |
発行日 | 2004 年 3 月 5 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 2700 円(本体) |
サイズ | A5 版 241 ページ |
ISBN | 4-00-006876-8 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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