ベッセル関数とルジャンドル関数に絞って特殊関数の議論を進める。
昔、資源探査の会社に入った知人に話を聞いてみた。「資源探査というと、ウェーブレット解析を使うのかな」 知人の答は意外だった。「ウェーブレットも使うけれど、現場はベッセル関数をバリバリ使うんですよ、バリバリ」 ベッセル関数ではない、別の特殊関数だったかもしれないが、 机上の空論とばかり思い込んでいた特殊関数が目の前で宝の山のように変わるような気がした。
それはともかく、本書では式をていねいに導出している。ベッセル関数の応用では、円形太鼓の振動が述べられている。 またルジャンドル関数の応用では、不均質な天体の外部に生じる重力ポテンシャルについて解説されている、 p.133 にある球面調和関数の図 7.2 は見ていて楽しい。(a) は帯球調和関数、(b) は扇球調和関数、 (c) は縞球調和関数である。縞球の読み仮名はわからないが、索引の【か行】にあり、「ケプラーの方程式」 と「勾配」のあいだにあったから「こうきゅう」でいいのだろう。
書名 | 特殊関数とその応用 |
著者 | 半揚 稔雄 |
発行日 | 2018 年 9 月 20 日 第 1 版第 1 刷発行 |
発行元 | 日本評論社 |
定価 | 2500 円(本体) |
サイズ | A5版 167 ページ |
ISBN | 978-4-535-78850-3 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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