クルト・ゲーデル:不完全性定理 |
作成日: 2009-08-16 最終更新日: |
不完全性定理の背景には,西洋文明が持つ過剰なまでの哲学的傾向がある.本書の解説では,この背景の歴史の解説に重点を置いた. こういう歴史的・哲学的背景ならば,数理論理学の知識がない初学者にも理解は必ずしも不可能ではない.
当たり前だが、難しい。林晋、八杉満利子お二人の解説ばかり読んでいる。たとえば、こんな記述がある。
ウィエルシュトラスの「自律的判断基準」とは,極限の「論理的定義」であった. 彼は「変量 `x` が限りなく定数 `a` に近づくとき, 関数値 `f(x)` と定数 `b` の差をいくらでも小さくできる」というコーシーの極限の概念を, 次のように厳密に定義し,その上に解析学を建設したのである.
任意の正の実数 `epsilon` に対して,次の条件 (A) を満たす正の実数 `delta` が存在する:
(A) どんな実数 `x` についても,`0 lt abs(x - a) lt delta` が成り立つならば,`abs(f(x) - b) lt epsilon` となる
お二人の解説によれば、この定義が分かりにくいことで、直観要素が入りづらく、機械的な判断で誤りを自律的に排除できる、 というのである。なるほど。
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 不完全性定理 |
著 者 | クルト・ゲーデル |
発行日 | 2006 年 9 月 15日(初版) |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | ページ |
ISBN | 4-00-339441-0 |
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